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うわぁぁぁ工夫と意味の深さがもうとてもすごい…✨️コメ欄を見てぎゃあああ!!ってなりましたよ… 椿さん…なんと美しい方なんだ😇 そして、今回もめっちゃいいお話だったぜ…✨️
闇‥深(((
おっけそいつらぶっ飛ばしてやる(( 最初の女の子も"花月 椿"、そして今の…、ではなく"花月 椿"という方になる前の少女の話…、闇が深いよぉ…
女の子
小さな...小さな女の子が泣いている
伸びきった痛んでいる髪に身体には無数の痣や傷
幼い身体とは不釣り合いな汚れた服を着て 服には誰のかも分からない血が着いている
顔を覆って声を殺しながら縮こまっている
椿
お願いだから顔を隠さないで、体を縮こまって声を殺さないで
貴方を見ていると何故か痛いの
胸元が痛いの 目頭が熱いの 声が出ないの
今私に力があれば貴方を抱きしめる事が出来るのかしら?
女の子
女の子
なんで謝るの?ねぇ、どうしてなの?
...あぁ、そうか
この子は悲しくて、痛くて泣いているのでは無いわ
寂しいから泣いているのね
ねぇ、お願い
貴方の黄金色の髪を太陽の下で髪に揺らして 赤色の花の花弁の様な綺麗な瞳を私に向けて
誰よりも貴方を理解できなくて 本来ならば 誰よりも貴方を理解して愛さなければならなかった私を許して
いや、許さないままでいいの
忘れないで欲しいだけなの
…けど
『ごめんなさい』 それが私の口癖になったのは
一体いつからだったかしら
椿
椿
陽鞠
椿
椿
來音
椿
陽鞠
椿
椿
葵亜
椿
温かい湯気と香りが心地良い…
ティーカップを口に着け、 紅茶を飲んでいると來音さんが私の顔を覗いてきました
來音
椿
陽鞠
椿
陽鞠
椿
來音
椿
陽鞠
幽寂
椿
陽鞠
椿
陽鞠
幽寂
來音
來音
葵亜
椿
椿
椿
幽寂
椿
椿
椿
來音
椿
椿
幽寂
幽寂さんが小首を傾げている姿を見た後
私はカップを置き、口元に微笑を浮かべ話を始める事にしました
椿
椿
椿
東京都の郊外で産まれました
いつかは覚えていませんが…確か…春生まれでした
海外出身の母は若くして私を身ごもった様で
それから流れで日本人の父と結婚。 まぁ、実際どこにでもあるお話しです
父母 娘 そんなごくありふれた家族構成でした
しかし両親は お酒、煙草、ギャンブル、浮気、パーティ、借金
そんなことばっかりで実の娘には関心がありませんでした
日常的に暴言を浴びせられ 時には暴力を振るわれ 時々与えられる死なない程度の満足の行かない食事
そんな生活が続き 5回季節が回った頃にはもう
感情に、いや…人格?
確実に本来ある筈の感性が壊れていっていました
それは自分を守る為の防衛なのか、 外部からの多くの攻撃のせいなのか
今でも分かりません
そんな時、小さな、本当に小さな転機が起きました
前々から近隣住民の方の視線の的になっていた様で
その方々がお巡りさんに通報し、両親らは逮捕されました
生活環境の劣悪さ
怪我の具合と常日頃の騒音
栄養不足による健康状態の低迷
それらの面で実刑判決を受けた両親は刑務所に入りました
ですが残った娘は 両親が親戚に勘当されていた様で
児童養護施設。 基、孤児院に預けられました
ですが人生はなんと残酷なんでしょうか
孤児院でも更なる悲劇は続くのです
一見安全に見えるものの
実態は両親の居た所よりももっと劣悪で
食事は粗末 日常的な職員からの肉体的、精神的、性的虐待
そこに住んでる子供達の目には
光などありませんでした
唯日々を消費し、生き残る為に職員に縋り他者を蹴落とす
如何にも人間らしい行動で 幼い子供だとは到底思えませんでした
両親はそれなりに綺麗な人だった様でそれが遺伝したのでしょうか
8歳になる頃には娘は女性的に育っている様で
「美しい人形」「子供だとは思えない」「年頃の少女」
なんて言葉を好奇の目を向けられながら言われました
そして、
9回目の季節が回った頃に
花の子葉は男性職員に踏み潰されました
脱ぎ散らかされた服
白い体液
シーツに染みる鮮血
荒い男の人の声
痛みで顔を歪める生娘だった娘
不快感が体を巡り
目に涙を浮かべながら絞り出した
「痛い、やめて」
そんな言葉を必死に叫んだ娘は
口にタオルを詰められ、強制的に叫ぶのを不可能にされ
抵抗出来ない恐怖、不快感。 そして、 叫んでもやめない男が両親と重なり
その娘の心にまた、小さな亀裂が一つ入りました
雪が振り積もり雪化粧をされた街並みの中
大晦日の日 その娘は逃げ出しました
ボロボロの姿で体を引きずるような走りで必死に
「死にたくない」 そんな馬鹿げた感情が原動力で
裸足で足からは血が滲んでも出来るだけ遠くに
子供の力ではどうしても逃げ切る事は不可能だとわかっていても
まだ死にたくない。ただそれだけの気持ちで走り続けました
家々からは暖かな家族の様子が見え
自分との対比に涙を流し掛けてもただ、走りました
小一時間走り疲れ、 警察に見付かっては孤児院に戻らされる
そう思い裏路地で縮こまり暖を取ろうとし、休憩をしていると
後ろから物音がしました
まさか職員の人が追いかけてきた?警察?
連れ戻されたら今度こそ…
体を強ばらせ、身動きが取れずにそんな事を考えていると
その人は現れたのです
真っ白な雪のような肌と長い髪
血のように赤い瞳
眉間には皺が少し寄っているものの
目を背けられない程美しい人
少し顔に血が着いており、 その人は娘に手を伸ばし
娘は恐怖で目を瞑り、手で頭を覆う
しかし予想していた衝撃とは裏腹に 暖かい物で包まれる様な感覚になりました
恐る恐る目を開くと 先程までその人が着ていた上着が掛けられていたのです
「それはやるから、子供は家に帰れ、親は? こんな大晦日の日に物騒だけれど」
そう無愛想ながら言う人を見つめ
口を噤むと その人は様子を察したのか
しばし娘を見た後
一つの提案をしました
「おま...君さえ良ければ私の子になるかい?」
その時頬に何か暖かい感覚がして 数秒黙りこんだ後
娘はその人に抱きつきました
血や煙草の様な匂いが混ざって嫌な香りでは無い
暖かくて、甘くて花みたいな香り
大好きな香りがして、思わず袖を掴んで少しの間静かに泣いた後
その人は娘を抱き抱え、静かに歩き出しました
ぽつぽつと話をする声は 冷たいものの優しくて、何処か暖かくて安心出来る声でした
その人は名乗るのを忘れていたと言い 娘の目を見て
「私の名前は、花月鳳仙。珍しい名前だろう?」
「そうだねぇ、君の名前は…」
「椿、君の名前は椿…なんてどうかな?君の赤い瞳にピッタリだ」
「花言葉も君に合うと思うのだけれど…」
少し微笑む口元は、今まで見て来た大人とは違って… 愛情深く私を見てくれました
すると、その時父様のスマホが新年の到来を告げました
「あけましておめでとう、そして…」
「遅くなったけど誕生日おめでとう。椿」
椿
椿
葵亜
來音
陽鞠
幽寂
おや、皆様の表情が険しくなってしまいましたね
椿
椿
椿
椿
來音
椿
椿
葵亜
椿
ゆったりとした口調を崩さぬ様 私は微笑み話を続けました
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