名前表記分かりずらいかも bl 体調不良 "間接的な"流血表現 唐突なネタぶっ込み 甘々 告白 等の要素あり
時間がある程度ある時に情景や表情を想像しながら読んでみて欲しい
っていう願望ありw
ミッぼん
父
父
父
父
斉賀 紫音
斉賀 紫音
父
父
ガチャン....
斉賀 紫音
勉強する手を止めたのは そっちじゃないか
そう考えながら俺は参考書を開いた
ガリガリガリ.....
先生
先生
先生
斉賀 紫音
斉賀 紫音
先生
先生
斉賀 紫音
先生
頑張ってるのに
認めてもらえない
頑張った証拠は結果でしか 見てもらえない
まぁ
そういうもんか
俺は白尾学園をなんとしてでも受けたい
どんなに成績が届いてなくたって
努力はいつか報われる....
報われる.....?
こんなに頑張って勉強しても模試の結果は伸びず順位は下がっていくばかり
1日に8時間以上勉強しててもまだとどかない
塾の先生があんなこと言うんだから
俺はよっぽど酷いんだろうな
先生
先生
はい
わかりました
チリリリリリリッ
斉賀 紫音
目覚まし時計に起こされた俺はすぐに机に向かった
今は5時半だから部活前までで2時間近く勉強できる
ペラペラペラ....
プルルルルッ
斉賀 紫音
いきなり音を立てたスマホを見ると
"平きん"こと"きんとき"からの電話だった
斉賀 紫音
平 きん
平 きん
斉賀 紫音
斉賀 紫音
時計に目をやるとその時計の針は集合時間まで20分もないところを指していた
平 きん
平 きん
ビクッ.....
斉賀 紫音
斉賀 紫音
斉賀 紫音
平 きん
プッ
俺はすぐにジャージに着替え、外へ出た
小走りで学校の体育館前まで移動する
そこにはもう部員殆どが揃っていた
平 きん
平 きん
平 きん
斉賀 紫音
平 きん
斉賀 紫音
そう会話をしながら英単語帳を開き少しでも頭に入れようとする
平 きん
平 きん
.....
きんときが何か言っているな....
あぁ少しだけ教えとくと
俺はバレー部で、この夏休みの最後にある大会まで部活を続けることになっている
受験生の大切な時間をたくさん奪ってまで部活に取り組まなければいけないのかと考えるとやる気はどんどんなくなってくる
ガヤガヤ....
斉賀 紫音
こんな環境じゃ集中のしの字も出てこない
人は少ないくせに声でかい奴が多いからか
顧問
部員
平 きん
斉賀 紫音
顧問
顧問
顧問
顧問
部員
平 きん
斉賀 紫音
きんときにそう言われ渋々単語帳を閉じた
顧問
顧問
顧問
顧問
顧問
月宵 祐希
顧問
月宵 祐希
月宵 祐希
月宵 祐希
ざわっ....
え、こんなイケメン卒業生にいたんだ
めっちゃかっこよくない?
普通に運動できそうw
めっちゃ強かった人じゃん!
そうざわつく部員の中で
俺は先輩を見たまま動けなくなっていた
俺の
憧れの先輩
白尾学園に入学した
運動ができて頭が良くて
俺のあだ名を作ってくれた
また先輩とバレーをしたくて
先輩と話したくて
先輩にあだ名で呼んでほしくて
先輩と一緒にいたくて
斉賀 紫音
わ〜!
俺はいつのまにか体育館の中にいて
きんときが隣にいて
2年生のプレーを立って見ていた
月宵 祐希
月宵 祐希
部員
遠くで先輩が後輩と喋っている
顧問
顧問
平 きん
部員
斉賀 紫音
先輩と話せるかな....
平 きん
平 きん
斉賀 紫音
まずいな
集中しないと....
平 きん
斉賀 紫音
バシッ!
部員
部員
部員
平 きん
平 きん
斉賀 紫音
部員
平 きん
バコン!
平 きん
平 きん
部員
斉賀 紫音
斉賀 紫音
平 きん
部員
部員
平 きん
平 きん
部員
平 きん
斉賀 紫音
平 きん
平 きん
斉賀 紫音
何故か息苦しさがおさまらず息が整わない
そんな俺の背中をきんときが摩ってくる
斉賀 紫音
斉賀 紫音
なんでだろう
どんどん目のまえが黒くなってく....?
?
そんな心配が込められた言葉を聞いた途端俺は意識を失った
斉賀 紫音
遠くで見たことのないような苦しい表情をしていた
友達に背中を摩ってもらっていて
とても疲れが見えていた
月宵 祐希
そう声をかけた途端スマイルは目を閉じて友達の手に寄りかかった
いや
意識を失った
平 きん
平 きん
慌てていたスマイルの友達からスマイルを奪い取るように運べるよう持ち上げる
月宵 祐希
月宵 祐希
月宵 祐希
斉賀 紫音
そう言い俺は保健室へと急いだ
一体どうしてしまったんだろうか
あんなによく笑っていたスマイルが
ずっと苦しそうな表情をしていて
どこか虚で
泣きそうな顔で息を乱したまま倒れてしまった
斉賀 紫音
目の前には息の整ったスマイルが寝ている
きんときくんに聞いた限りでは心当たりは一つもないらしい
斉賀 紫音
体育館から持ってきてもらったスマイルのカバンには2枚のタオルと参考書・単語帳が入っていた
参考書を開くと尋常ではない量の書き込みやラインがほとんどのページに書かれていた
月宵 祐希
そろそろかな
ガラララララ
顧問
顧問
月宵 祐希
月宵 祐希
月宵 祐希
顧問
顧問
月宵 祐希
斉賀 紫音
顧問
顧問
斉賀 紫音
斉賀 紫音
顧問
顧問
顧問
斉賀 紫音
斉賀 紫音
ー ケアは1つも行われなかった ー
家に帰った俺はバックから参考書を取り出し開いた
斉賀 紫音
斉賀 紫音
結局先輩と話せなかったし
情けない姿を見せてしまった
過ぎたことはしょうがない
会うためなんだ
頑張らないと
夏休みのある日
図書館に行くと
目をぎらつかせたスマイルがはじの方で勉強していた
気づいたのに話しかけないのも悪いと思い
スマイルのいる方向へと足を進めた
わかんないな.....
こっちの方法で解けないなら
どうすればいいんだ....?
?
こっちの公式はここが足らないから...
?
?
ん〜
無理だ....適当に解くか?
でもなぁ...
?
?
ビクッ
斉賀 紫音
月宵 祐希
月宵 祐希
月宵 祐希
斉賀 紫音
斉賀 紫音
斉賀 紫音
月宵 祐希
斉賀 紫音
な、
へぇ?
なんで?....
斉賀 紫音
月宵 祐希
月宵 祐希
そう優しく声をかけてくれた先輩の目はここ最近見ていなかった優しくて暖かい綺麗な目だった
月宵 祐希
斉賀 紫音
スマイルはそう言って参考書に目を戻した
どうやら数学の応用問題をやっているらしい
斉賀 紫音
ペラペラ....
月宵 祐希
斉賀 紫音
ペラペラ...
はぁ〜
この子はほんとに....
俺は参考書を開くスマイルの手に触れた
斉賀 紫音
月宵 祐希
月宵 祐希
斉賀 紫音
斉賀 紫音
スマイルは少し潤んだ目をこちらに向けたまま少し微笑んだ
月宵 祐希
斉賀 紫音
月宵 祐希
初めてから1時間くらい経っただろうか
スマイルが少し船を漕ぎ始めた
斉賀 紫音
コクンッ....
.....カリカリ
月宵 祐希
月宵 祐希
斉賀 紫音
月宵 祐希
月宵 祐希
月宵 祐希
月宵 祐希
斉賀 紫音
斉賀 紫音
月宵 祐希
斉賀 紫音
月宵 祐希
月宵 祐希
斉賀 紫音
ガタンッ....
スマイルの手首を無理矢理掴んで立たせ、図書館をすぐに出た
ガチャン
月宵 祐希
斉賀 紫音
月宵 祐希
月宵 祐希
斉賀 紫音
月宵 祐希
月宵 祐希
そんなふうに優しく言った先輩はキッチンへと移動した
単語帳を開くこともできずこんな風に勉強せずにぼーっとしてる時間があるのはいつぶりだろうかと思った
斉賀 紫音
おやつかぁ...
先輩が用意してくれてる.....
やば....
斉賀 紫音
月宵 祐希
月宵 祐希
月宵 祐希
月宵 祐希
そう言って先輩は俺のおでこと耳に触れた
月宵 祐希
月宵 祐希
持ってきたお盆を置いて棚の方に行ってしまった
お盆にはクッキーとアイスがのっていた
斉賀 紫音
月宵 祐希
月宵 祐希
斉賀 紫音
ピトッ....
斉賀 紫音
ビクッ...
月宵 祐希
月宵 祐希
斉賀 紫音
斉賀 紫音
月宵 祐希
月宵 祐希
斉賀 紫音
そこから俺は2枚のクッキーとアイスを少しもらって食べた
食べ終わると先輩からいろんな質問をされた
月宵 祐希
斉賀 紫音
月宵 祐希
月宵 祐希
斉賀 紫音
斉賀 紫音
斉賀 紫音
月宵 祐希
月宵 祐希
斉賀 紫音
月宵 祐希
斉賀 紫音
月宵 祐希
月宵 祐希
斉賀 紫音
月宵 祐希
月宵 祐希
月宵 祐希
斉賀 紫音
どうしよう....
先輩からの助言聞きたいって気持ちもある.....
斉賀 紫音
月宵 祐希
斉賀 紫音
月宵 祐希
月宵 祐希
月宵 祐希
斉賀 紫音
月宵 祐希
月宵 祐希
先輩は俺に近寄ってきて背中を摩ってきた
斉賀 紫音
月宵 祐希
月宵 祐希
斉賀 紫音
斉賀 紫音
斉賀 紫音
月宵 祐希
月宵 祐希
月宵 祐希
斉賀 紫音
月宵 祐希
斉賀 紫音
月宵 祐希
月宵 祐希
トントン....
斉賀 紫音
嗚咽が漏れそうになり咄嗟に手で口を覆った
斉賀 紫音
月宵 祐希
月宵 祐希
先輩は俺の両手を握った
斉賀 紫音
斉賀 紫音
月宵 祐希
月宵 祐希
斉賀 紫音
月宵 祐希
月宵 祐希
斉賀 紫音
斉賀 紫音
月宵 祐希
斉賀 紫音
月宵 祐希
月宵 祐希
月宵 祐希
斉賀 紫音
月宵 祐希
トントンッ....
斉賀 紫音
その日はすぐに休むように先輩に言われたのでいつもより半分近く勉強時間を減らし布団へ入った
図書館で偶然会った時から俺たちは一緒に勉強するようになった
スマイルがなんで泣いたのかは今もわからないまま
ーそしてー
暑苦しいとても秋とは思えないような気温の日の夜のこと
コンビニに行った帰りに公園に人影が見えた
気になってしまい足を踏み入れ近寄ってみるとその影は参考書を開くスマイルのものだった
斉賀 紫音
暗闇でもわかるくらい顔が赤くて息遣いが荒かった
月宵 祐希
反省意欲なしっと....
月宵 祐希
斉賀 紫音
月宵 祐希
月宵 祐希
斉賀 紫音
斉賀 紫音
月宵 祐希
月宵 祐希
斉賀 紫音
月宵 祐希
月宵 祐希
斉賀 紫音
月宵 祐希
月宵 祐希
斉賀 紫音
斉賀 紫音
月宵 祐希
月宵 祐希
斉賀 紫音
斉賀 紫音
月宵 祐希
月宵 祐希
月宵 祐希
そう言って俺はスマイルを前で抱いて
まぁ....その
いわゆる"お姫様抱っこ"
斉賀 紫音
斉賀 紫音
月宵 祐希
斉賀 紫音
先輩の家に来るのはこれで2度目....
ただ今は体が本当に動かない
月宵 祐希
月宵 祐希
斉賀 紫音
一度自覚すると余計に辛くなってくる
月宵 祐希
月宵 祐希
斉賀 紫音
先輩ッ....
暑い....ッ
斉賀 紫音
月宵 祐希
月宵 祐希
ピタァッ....
斉賀 紫音
月宵 祐希
月宵 祐希
月宵 祐希
先輩が何か言っていたが 聞けないまま眠りについてしまった
朝早くに起きた俺は先輩にLINEをして家を出た
ここまでが
ー夏ー
ー冬ー
父
ビクッ
斉賀 紫音
父
父
斉賀 紫音
父
父
斉賀 紫音
父
斉賀 紫音
バタンッ.....
斉賀 紫音
斉賀 紫音
やだ....ッ
斉賀 紫音
いやだッ!
斉賀 紫音
変えたくないッ.....
斉賀 紫音
先輩と同じところに通いたいッ!
斉賀 紫音
斉賀 紫音
俺はそのまま机について、引き出しからーーーーを取り出した
ただ私立受験日に近いから勉強しようと誘おうと思っただけだった
月宵 祐希
通話
00:00
月宵 祐希
....スマイル?
プッ
斉賀 紫音
月宵 祐希
月宵 祐希
斉賀 紫音
月宵 祐希
斉賀 紫音
月宵 祐希
月宵 祐希
斉賀 紫音
斉賀 紫音
月宵 祐希
月宵 祐希
斉賀 紫音
ピッ.....
スマイルなんか変だった気がするけど電話だからか....?
そんな違和感もすぐに消え
いつものように外へ出た
今にでも雪に変わりそうな冷たい雨が降っているからか少し気分が悪くなる
まぁスマイルのためならいくらでも待てるけど
そんなことを思いながら図書館前でスマイルを待っていた
遠くから近づいてくる影が視界に入り
そちらを見ると
明らかにおかしい足取りでこちらへ向かってきていた
月宵 祐希
俺はそちらへ寄って行った
近づいていくとわかる
顔が真っ白で目の周りだけが赤く腫れているスマイルがフラフラと頼らない足取りでこちらにきていたのだった
月宵 祐希
俺は見たことのない衰弱っぷりを見て少し狼狽えてしまった
だがスマイルはそのまま近づいてきて
俺のそばまでくると
斉賀 紫音
静かに俺の肩に寄りかかった
あ〜.....
重症だな
なんて呑気に考えてから
何も言わずに自分とスマイルの傘を閉じ
スマイルには俺のコートを被せ
俺はパーカーのフードを被り
スマイルをしっかり抱いて
家まで猛ダッシュで帰った
ガチャッ
月宵 祐希
だいぶしっかり濡れてしまった
流石に雨の中2人分の荷物と1人持ってダッシュは体にくるな....
そんなことを考えながらスマイルからコートを剥ぎ取り
玄関に座らせる
斉賀 紫音
当のスマイルはまだ一言も発していない
月宵 祐希
そう告げてタオルを取りに洗面所に移動しようとした時だった
ギュウッ....
スマイルが俺の濡れたパーカーを掴んできた
斉賀 紫音
こちらを見ているその顔はやっぱり真っ白で
月宵 祐希
月宵 祐希
本当に訳わかんなくなって
スマイルをゆっくり持ち上げて濡れたまま2人で洗面所へ移動した
斉賀 紫音
洗面所前についた俺は小さめの椅子にスマイルを座らせた
まだ俺の服から手を離そうとしないので
その椅子に乗せたままスマイルの服を脱がして
俺の服を着せようとした
月宵 祐希
グッ....
そう声をかけるとスマイルは自分の服の裾を思いっきり握って脱げないように抵抗してきた
月宵 祐希
月宵 祐希
斉賀 紫音
斉賀 紫音
斉賀 紫音
月宵 祐希
月宵 祐希
少し声を出したスマイルはすぐにまた黙ってしまった
月宵 祐希
月宵 祐希
俺はそう言ってスマイルの服を脱がした
月宵 祐希
斉賀 紫音
服の下から出てきたのは
細い体と
腕に丁寧に巻かれた包帯だった
斉賀 紫音
斉賀 紫音
月宵 祐希
月宵 祐希
月宵 祐希
斉賀 紫音
斉賀 紫音
月宵 祐希
月宵 祐希
トントンッ.....
見たことがないようなスマイルの必死な姿に目元が熱くなった
しばらくして
俺は落ち着かせたスマイルの髪の毛を乾かして
自分もすぐに着替えて
またスマイルを抱いてリビングへと移動した
前はスマイルをソファに寝かせたが
今日は俺がソファに座って
向かい合うようにして俺の上にスマイルを座らせた
斉賀 紫音
月宵 祐希
あぁ.....
疲れすぎて泣けなくなってしまったんだろうな
そう思った
案外腕の傷は深くなくて綺麗に包帯もまけていたから大丈夫だろう
斉賀 紫音
貧血になっているんだろう
顔が真っ白だからそう思った
月宵 祐希
月宵 祐希
斉賀 紫音
斉賀 紫音
斉賀 紫音
....ニコッ
月宵 祐希
月宵 祐希
斉賀 紫音
俺はスマイルをゆっくり立たせて
小さいアームチェアを持ってキッチンへ行った
月宵 祐希
斉賀 紫音
オムライス作ろうかな〜
量調節できるし〜
月宵 祐希
斉賀 紫音
心なしか表情が明るくなったな....
オムライス好きなのかな
そんなことを思いながらスマイルに背を向け料理を始める
斉賀 紫音
スマイルの方からは物音ひとつしない
ジュー
卵をフライパンに入れた時だった
斉賀 紫音
ジー.....
スマイルが俺の後ろから料理しているところを見始めたのだ
月宵 祐希
斉賀 紫音
月宵 祐希
スマイルに声かけながらフライパンを置きスマイルの頭を撫でてやる
斉賀 紫音
スマイルはどこか恥ずかしそうに俺の背中に顔を埋めてきた
月宵 祐希
月宵 祐希
斉賀 紫音
スマイルは顔をあげ俺が料理しているところをまた見ていていた
月宵 祐希
月宵 祐希
斉賀 紫音
ずっと俺の後ろに立っていたからか
また貧血で辛いらしく
俺の服に必死にしがみついている
月宵 祐希
月宵 祐希
できるだけ優しく声をかけてから
スマイルを支えてあげる
月宵 祐希
斉賀 紫音
月宵 祐希
月宵 祐希
月宵 祐希
斉賀 紫音
斉賀 紫音
月宵 祐希
斉賀 紫音
月宵 祐希
月宵 祐希
斉賀 紫音
スマイルはオムライスをお茶碗一杯分程度と
前に食べさせたクッキーを1枚食べた
斉賀 紫音
多少顔色が良くなったが
まだ体調がすぐれないのだろう
スマイルはソファにしっかり寄りかかっていた
月宵 祐希
斉賀 紫音
そんなこと言ってるけど見た目が辛そうなんよなぁ.....
そんなことを考えながらソファに畳んで置いてあったブランケットを取り出す
月宵 祐希
そう言ってまたスマイルを向き合うように膝の上に乗せた
斉賀 紫音
そして冷えたスマイルの体にちゃんとかかるようにブランケットをかけてあげる
斉賀 紫音
暖かくなって安心した様子のスマイルは
目をトロンとさせて
俺に体を預けていた
斉賀 紫音
月宵 祐希
月宵 祐希
斉賀 紫音
そう言うとスマイルは俺の胸にうずくまり耳を微かに染めた
月宵 祐希
月宵 祐希
前も口に出した普通の声掛け
斉賀 紫音
スマイルが微かに反応するのはきのせいではないんだろう
月宵 祐希
目を覚ますと外はだいぶ暗くなっていて
俺の胸の中では顔色がとても良くなったスマイルが静かに寝ていた
月宵 祐希
俺は優しく頭を撫でた
このまま寝かせておきたい気持ちもあるが
受験生のスマイルはこのあとまた心配になってしまうんだろう
そう思い優しくスマイルの肩を叩いた
月宵 祐希
斉賀 紫音
斉賀 紫音
月宵 祐希
斉賀 紫音
斉賀 紫音
斉賀 紫音
バッ!
スマイルが我に返ったように思いっきり立ち上がった
月宵 祐希
斉賀 紫音
フラッ.....
と思ったら立ちくらみだろうか
思いっきり目を閉じてふらつく
月宵 祐希
ギュッ!
斉賀 紫音
月宵 祐希
月宵 祐希
斉賀 紫音
優しく声をかけながらスマイルを優しく抱きしめて頭を撫でる
斉賀 紫音
斉賀 紫音
月宵 祐希
そのお礼はいったい何に対してだったのかは、はっきりしない
そのあと2時間近く2人でゆっくり勉強した
父
父
父
父
斉賀 紫音
今日はひとつ目の私立入試....
白尾学園よりも偏差値が低いところを受ける
心配しかないが先輩に昨日の夜応援の電話をもらったからか
少し身をほぐせている
俺は車へと急いだ
今日はスマイルの私立入試の日
時計の短い針は3を超えたところを指していた
そろそろ連絡あるかな〜
とか思っていると電話が鳴った
ピッ
月宵 祐希
斉賀 紫音
月宵 祐希
月宵 祐希
斉賀 紫音
月宵 祐希
月宵 祐希
斉賀 紫音
斉賀 紫音
月宵 祐希
月宵 祐希
月宵 祐希
斉賀 紫音
斉賀 紫音
月宵 祐希
月宵 祐希
月宵 祐希
斉賀 紫音
月宵 祐希
ピッ
あの雨の日以来スマイルが疲れ切ってしまうことがなくなった
喜ばしいことなんだろうけど自分の前でだけその姿を見せないようにしてるのではないかと時折心配になる
まぁこちら側がそんなこと考えていてもしょうがないので
今から来るスマイルのために少し部屋でも片付けようかと
ソファから腰を浮かした
ピーンポーン
月宵 祐希
月宵 祐希
月宵 祐希
声を張り上げ玄関前にいるであろうスマイルに伝える
ガチャッ
斉賀 紫音
月宵 祐希
月宵 祐希
斉賀 紫音
斉賀 紫音
月宵 祐希
斉賀 紫音
月宵 祐希
斉賀 紫音
スマイルは明日に二つ目の私立入試を控えているので自分のやりたい勉強ができるよう
少しだけ一緒に解き直しと勉強をした
父
父
父
父
俺は白尾学園よりも偏差値が低い私立入試で一つ落ちてしまった
変えたほうがいいだろうか
父
確かに受かればもうこんなに怒られなくなるかもしれないし
受かれば自分を見る目が受からなかった時に比べればとても良いだろう
今後のことを考えたら変えた方がいいんじゃないか
そう考え始めていた
散々うるさく言って部屋から出ていった父さんを見てからスマホに目をやる
そこには先輩の家の近くにあるカフェの名前と時間が書いてあるLINEがきていて
喋りたいと言う要件を見た限り俺は結果を直接聞きたいんだろうなと思った
すぐに結果の書かれている紙とスマホと財布をカバンに突っ込んで外へ出た
先輩に指定されたカフェへ入ると遠くの席から先輩が手を振っていた
入り口にいた店員さんに声を掛け先輩のいる席の方へと歩いて行った
月宵 祐希
月宵 祐希
月宵 祐希
月宵 祐希
先輩に結果を話すと少しがっかりしていたが
おれを励まそうとしてくれていた
斉賀 紫音
斉賀 紫音
月宵 祐希
斉賀 紫音
月宵 祐希
そう言うと先輩は困惑した表情を見せたがすぐに怒りの表情へと変わっていった
月宵 祐希
月宵 祐希
そう言った先輩は俺の腕を引っ張って席を立つように即してきた
見たことのない先輩の怒っている様子に怖気付いてしまって動けなくなってしまったが
そのまま腕を引っ張られて外へと出た
ガチャッ
バタンッ!
月宵 祐希
バンッ!
斉賀 紫音
ビクッ!
家に入った途端玄関の壁と先輩に挟まれるような形で
先輩が俺の後ろの壁を強く叩いた
月宵 祐希
月宵 祐希
いつもとは違う先輩の様子に血の気が引いていった
斉賀 紫音
口が聞けなくなってしまったかのように口をぱくぱくさせる俺を見て先輩が声を上げた
月宵 祐希
月宵 祐希
その言葉を聞いた俺は少し悲しくなってしまった
斉賀 紫音
斉賀 紫音
斉賀 紫音
斉賀 紫音
斉賀 紫音
斉賀 紫音
斉賀 紫音
斉賀 紫音
斉賀 紫音
月宵 祐希
月宵 祐希
月宵 祐希
斉賀 紫音
月宵 祐希
月宵 祐希
斉賀 紫音
月宵 祐希
ビクッ!
フラッ....
斉賀 紫音
月宵 祐希
斉賀 紫音
月宵 祐希
怖くて腰が抜けてしまった俺をがっちりと支え
俺の答えを待っている先輩の目は
よく父さんが見せる黒くて奥に赤い光を宿している
暗い目だった
斉賀 紫音
俺は足元を見ながら独り言を言うように言葉を吐き出した
斉賀 紫音
斉賀 紫音
月宵 祐希
先輩が大きく震え俺を支える手の力が弱まった
俺の体とうしろの壁から先輩の手が離れていく気配を感じながら
いまだに足元を見て目を潤ませていた
しかし
次の瞬間飛び込んできたのは
先輩の青ざめた表情だった
先輩は蹲っていた
斉賀 紫音
月宵 祐希
その言葉を聞いた瞬間全身から力が消えるような感覚に陥った
そのままゆっくりとしゃがみ込んで蹲る俺を見て目の前のスマイルは少し反応を示した
そして腰の抜けてしまっていたスマイルは
俺の支えがなくなったことで
同じようにしゃがみ込む
斉賀 紫音
月宵 祐希
斉賀 紫音
泣いているスマイルのそばに寄っていって優しく頭を撫でてみた
ビクッ!
斉賀 紫音
あぁ....
もう前と同じように優しく触れ合うことはできなくなってしまったんじゃないだろうか
そう頭によぎった時だった
ギュッ
斉賀 紫音
スマイルが弱々しい力で俺の頭を包み込んでくるように抱きしめてきた
月宵 祐希
目頭が熱くなる感覚があった
しかし俺はその感覚を振り切ってスマイルを強く抱きしめた
斉賀 紫音
斉賀 紫音
最初に俺の前で泣いた時嗚咽を必死で抑えようとしていたスマイルは
しっかりと声を上げながら泣いていた
斉賀 紫音
月宵 祐希
かつて2人でいる時こんなに静かな時間があっただろうか
30分近く寒い玄関にいた俺たちは無言のままリビングへと入り
同じブランケットを膝に掛けて
そこからずっとぼーっとしていた
先輩にかけられた言葉を思い出すと
気持ちが揺らいでしまうのと
また涙が出てしまいそうになる
先輩はずっとおれの勉強を見てくれていた
先輩はそれを嬉々としてやってくれていて
俺よりも先輩から誘ってもらうことの方が多かった
先輩といつでも話せるような関係になって
どこか満足してしまったところだってあった
でも最近は先輩と同じ高校に通えるようになったら
一緒に登下校したり
一緒に部活をしたり
一緒にお弁当を食べたりできるんじゃないかと
いい方向の想像しかできない
それも相待って
落ちたら自分が嫌いになってしまうだろう
という不安もずっとあった
でも先輩に真正面から言われたあの言葉は
弱った俺の思考から引っ張り上げてくれた
"俺は"
"白尾学園をなんとしてでも受けたい"
"どんなに"
"成績が届いていなくたって"
"努力はいつか報われる"
それを考えたのは誰だったのだろうか
"倒れるギリギリまで頑張れ"
"はい"
"わかりました"
かつてそう自分の心の中で誓ったのは誰だったのだろうか
わかるだろう?
斉賀 紫音
月宵 祐希
俺なんだ
斉賀 紫音
月宵 祐希
俺は前を向いたままそう言った
月宵 祐希
月宵 祐希
斉賀 紫音
隣でいきなり謝り始めた先輩の方を見ると
ギュウッ
視界が暗くなった
月宵 祐希
月宵 祐希
頭上から降ってくる声を聞いて
抱きしめられているのだと理解した
そこからは怒涛の日々を過ごした
願書を提出し
自由登校期間に入った今
学校の時間帯は家で勉強し
午後は先輩に1時間程度勉強を見てもらう
という生活が続いた
月宵 祐希
月宵 祐希
休み明けでも嫌味ひとつなく勉強を教えてくれて
俺はそれに甘えるようにして頭に知識を詰め込んだ
そして
試験当日
入試の日、朝起きると先輩から応援のLINEが来ていた
その言葉を大事に自分の心にしまって
俺のことを見捨てたも当然の父さんに車を出してもらいにいった
受験が終わり、疲れが押し寄せてきて
帰ってすぐ寝てしまった俺を起こしたのはバイブ音だった
ブーツブーツ
画面を見ると先輩の名前が書いてあって
寝起きなことも気にせずに通話ボタンを押した
月宵 祐希
斉賀 紫音
月宵 祐希
月宵 祐希
月宵 祐希
斉賀 紫音
月宵 祐希
月宵 祐希
斉賀 紫音
斉賀 紫音
月宵 祐希
月宵 祐希
斉賀 紫音
月宵 祐希
月宵 祐希
斉賀 紫音
月宵 祐希
月宵 祐希
月宵 祐希
月宵 祐希
斉賀 紫音
先輩と自己採点をすると思ったよりもいい点数で
月宵 祐希
と
先輩に言ってもらえた
結果がきちんと出るまでわからないことなので
不安は拭えなかったが
その不安を埋めるようになんども先輩が一緒に出かけようと誘ってくれた
入試の結果が出るのは卒業式の翌日で
某ウイルスで卒業式の方に参列できなかった先輩は
あとから一本の綺麗な赤い薔薇を俺に渡してきた
これまでにないぐらい とても嬉しかった
斉賀 紫音
月宵 祐希
さて
何故2人で一つのスマホを見ているのでしょう....
正解は
あと残り1分でこのサイトに結果が配布されるからです....
斉賀 紫音
月宵 祐希
月宵 祐希
隣で先輩は自分に言い聞かせるようにぼやいていた
少し画面を見つめていると
いきなりloadingという文字が表示された
ビクッ
ビクッ
その画面に一瞬びくついてしまったが
また2人で画面を凝視する
少しして出てきた数列を見て
俺たちは声が出なかった
俺は合格していた
月宵 祐希
斉賀 紫音
斉賀 紫音
月宵 祐希
月宵 祐希
斉賀 紫音
月宵 祐希
月宵 祐希
斉賀 紫音
月宵 祐希
そして
俺の両手を握って先輩は改まったように言った
ギュウッ...
月宵 祐希
月宵 祐希
月宵 祐希
月宵 祐希
月宵 祐希
心臓を握られたかのような感覚に陥った
息が荒くなってしまいそうだった
斉賀 紫音
あぁ....ッ
いつから
憧れは
斉賀 紫音
恋
へと変わっていたんだろうか
斉賀 紫音
月宵 祐希
先輩がタコみたいに赤くなっていく
斉賀 紫音
月宵 祐希
斉賀 紫音
斉賀 紫音
そう言いながらソファの上で先輩に抱きついた
月宵 祐希
月宵 祐希
斉賀 紫音
さっきよりも力を強めて先輩の肩に顔を埋める
月宵 祐希
斉賀 紫音
斉賀 紫音
月宵 祐希
月宵 祐希
月宵 祐希
月宵 祐希
月宵 祐希
月宵 祐希
斉賀 紫音
俺は思いっきり目を瞑った
スッ.....
顔が先輩の手によって支えられる
チュウッ....
唇に柔らかい感覚があたるのと同時に心臓が音を立てるくらい強く鳴った
ドクンッ
斉賀 紫音
ペロッ
ドクン.....
舐められたかのような感覚の後優しく頭を撫でられた
斉賀 紫音
月宵 祐希
ニコッ!
目を開けると先輩が微笑んでいてまた心臓が暴れる
ドクンッ
月宵 祐希
斉賀 紫音
ミッぼん
ミッぼん
ミッぼん
ミッぼん
ミッぼん
ミッぼん
ミッぼん
一本のバラ→あなたしかいない 赤い薔薇→愛情 告白シーンでスマイルが改まったように言われたと思った理由は花言葉を理解していたから
ミッぼん
ミッぼん
ミッぼん
ミッぼん
コメント
10件
本垢で見つけててどの小説か分からなくなってたんですけど何回読んでも最高です!見つかってよかった
好きです……ほんと大好きです…最高すぎました…😭😭
私今日この連載見つけて読んでたんですけど...さすがに涙腺崩壊ですよ🥲 最高すぎます、!!