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あすかLv6
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トントン
執務室の 自分の机に 向かってから何時間 だろうか?
別にこうやって、 何かひとつの事を 続けるのは嫌いという 訳ではないのだが、
流石に何時間も 張りついていては 体の方から 拒否反応が来る。
俺は重い腰を上げ、 執務室の扉へと 向かった。
すると反対側から 扉が開かれた。
トントン
グルッペン
トントン
グルッペン
グルッペン
トントン
俺がそう言うと、 それ以上会話は なく、俺らは 食堂の方へ 向かった。
グルッペン
トントン
そうして、 俺らはまた 会話もなく 互いに飲み物を 淹れて、席に着いた。
グルッペン
トントン
グルッペン
グルッペン
トントン
グルッペン
トントン
グルッペン
トントン
グルさんの 率いるこの軍に 入った時、俺は 素顔を隠す為にずっと 豚の皮で出来た、 被り物をしていた。
当初はある程度自分達の 周りの軍や国に オスマンが外交に行って 手を組んだりと、 身の丈にあった小さな事を していた。
でも、それを見逃さない 目ざとい軍がいた。
俺はその軍と戦った時に 自分の限界を超えるべく あの被り物を捨てたのだ。
自分に嘘をつかないように。
俺が俺に嘘をつくことを 望まない彼がいたから。
俺が俺に素直に なって自分に着いてくることを 願った彼がいたから。
今でも、 トン氏にあんな無理を させて良かったの だろうか?と思う。
今でこそ、 トン氏が戦う事はもう ないが、それが本当に 彼にとって 良かったのかが 分からない。
俺があの軍を 作って、2人の仲間を迎えた 直後のあの戦いで、 俺は、実際に 戦場にでた。
別に俺が戦場に出るのは 初めてではなかったし、 ある程度戦闘の心得が あったから問題は なかった。
ただ、それは 自分の力の慢心だった。
俺は大人数の敵に 囲まれてその場で 切り伏せられた。
そして、自分の意識が 朦朧としている間に 首を跳ねられそうに なったのだ。
しかし、俺の周りの 敵は1人またひとりと 倒れていった。
そこには、 トン氏がいた。 既に、彼は豚の被り物を 捨てて、満身創痍の 状態だった。
しかし、トン氏は 倒れ込んだ俺の前に 立つと、 その場で俺に近づこうとする 敵全てを切り伏せた。
ほとんど無言で喋ったこと すらない彼は、 紅い瞳をしていた。
そして、しばらくたって 物音ひとつ聞こえなくなると、 そこには、 血まみれのトン氏と 俺の周りに横たわる 200を超える敵軍の 死体の山があった。
俺はその時その場で、 彼の事を天才だと 知った。
まさにこの世にいる べきではない天災であり、 化け物であると。
しかし、 彼は俺に手を貸し 立ち上がらせると
俺に向かって 頭を下げて言ったのだ。
トントン
と。