哀歌
言うタイミングもなかった
別に、夢主は私がいてもいなくても変わらない
夢主
荒々しい声が、私の鼓膜にまで届いた
“ずっと一緒”
その言葉が、私は大嫌いだ
哀歌
私は、ナースの中で一番下手になっていた
夢主は、私を軽々超えていった
だから、ナースを、捨てたんだ
それに、もう辛いんだ
夢主に優しくするマルコさんを見るのは
味方がいなくて責められるのは。
もう、十分苦労したって思わない?
そろそろ、幸せになりたい、
願ってはいけない事なのかもしれないけれど
願わずにはいられなかった
夢主
哀歌
彼女は、何も知っていない
裏で糸を引っ張っている人を、知らない
彼女は、今にも泣き出しそうだ
私に、何を訴えかけているのか
私には分からない
いや、分からないふりをしているだけかもな。
夢主
夢主のせいで、冤罪をかけられたんだ
夢主のせいで、悪者扱いになったのだ
だから、戻りたいなんて思わない
哀歌
哀歌
もう、戻れないところまで来てしまった
だから、もう戻らない
冷たい風が、私と夢主の間を通った
夢主
嫌いだ。
嫌いだ。
大嫌いだ。
そう思うのに、私の口は動かなかった
無理やり夢主を、ここから追い出した
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