桃 side
俺は 15年前から猫を飼っている 。
名前は 「 青」
ダイヤモンドの ように かがやく 青色 の 瞳 が 素敵だと思ったから 、 俺が名付けた名前 。
今 、 俺の膝の上で 青 が 丸くなって 眠っている 。
毛も少し薄くなって 、 子猫の時と比べて 動きも 鈍くなった。
でも、 俺の中で 青が 「 家族」 という ことは 変わらない 。
桃
そういって 俺が 立つと 、 青は ゆっくりと 伸びをして のそのそと キッチンへ歩き出す 。
青
鳴き声も 前に比べて か弱くなった 。
よろめきながらも 、 俺の所へ向かってくる姿は 昔の元気な青を思い出す。
桃
青
青は もう自分でご飯を食べることが出来ない 。
注射器 のような 物で 液体状の 餌を あげている 。
青
青
桃
桃
11時 にな った 。
玄関の ドアに 日差しが 差し込む 。
青は 、 そこで 伸びをしたり 毛づくろいをしたりと 時間を ゆったり と使う 。
桃
桃
夜 、 俺が いつも寝る時間 。
俺が ベッドに 寝転がると 、 寂しそうな目で こっちを見る 青がいた。
桃
桃
俺がそう言いながら 布団をめくると 、青は さっと中に入り 、 丸まって 寝息を立てる 。
その小さな胸が 、 上下に揺れる度 に 思い出すことがある。
青を 迎え入れてからの 思い出 。
迎えてから 3日が経った頃 。
桃
青
迎えてから 1ヶ月 。
桃
青
反応しなかった頃が嘘かのように こっちへ駆け寄ってきてくれるようになった。
迎えてから 2年半 。
桃
青
すっかり 慣れて 、 一緒に遊んでくれた。
迎えてから 6年 。
桃
青
桃
青
少し 耳が遠くなった気がしたが 、 その頃はまだ 40歳 だった。
迎えて から 13年
桃
少しずつ 、 青の 体に 変化が出始めた。
迎えて から 15年 、 それが今 。
ペットショップで 飼った 当時は 、
店員さんに 「体が 弱いから 生きても 5年 」と言われた。
「それでも 飼いますか?」 と聞かれたが 、 飼わない わけがない 。
体が弱いからこそ、救いたいという思いは強くなる。
今 、5年の 3倍も 生きてる 。
もしかしたら 4倍に なるかもしれない 。
今日は 青 と 思う存分遊ぶ曜日 。
桃
桃
青
桃
青
青
桃
青
青がいきなり 膝の上で倒れた 。
桃
桃
今にも 閉じそうな優しい目で 青は こっちを見てくる。
その目は 俺に 何かを訴えかけているようだった。
桃
青
まるで 、 俺に 「泣かないで」 と言ってるようだった 。
青 は 、 俺の 膝で 息を引き取った 。
コメント
1件
感動した~! これからも頑張ってください!!