これじゃダメだ
赤に染まる床。もう見慣れた光景。それでも満たされない心。
満たされるまで切り続ける。私の心の傷を腕に表す。
昔、死にたいと願う仲間に言ったことがあった。
妃音美
心に傷があっても証明出来ないから、目に見える傷にしたいの。
その子は私を怖いと言った。
私には理解が出来なかった。ただ辛いことを分かって欲しいだけなのに、なんで怖いのか。
優姫
...ねぇ妃音美ちゃん
優姫
そんなところで何してるの...?
妃音美
...!優姫ちゃんこそ...なんでこんな時間に学校に...
優姫
忘れ物取りに来たの
優姫
妃音美ちゃんその血なに?なんで腕が赤いの?
妃音美
優姫ちゃんは知らなくていいよ!早く帰りなよ!!
優姫
いや!
妃音美
は!?帰ってよ!
優姫
じゃあなんでそんな事してるか教えて
妃音美
何であんたにそんなこと教えないといけないのよ!
優姫
私達昔はあんなに仲良かったじゃない!!
優姫
なんでも相談してた仲だったじゃん...
妃音美
好きな人に振られて
でもまだ好きで、結局8年も片思い
妃音美
努力は実らなくて、
準備とか片付けの時に先輩の仕事変わったりしてるのに、大会ではリーダー振ってるだけのあの子が優勝で
妃音美
自分の好きな事はさせてくれなくて
推しだけが生きる意味なのに、
妃音美
周りに流される自分が嫌で
私の居場所は無い
妃音美
周りの子はあんなに簡単に死にたいって言えるのに、
私が本気で言うと引くから、誰にも相談出来なくて
妃音美
優姫。
妃音美
今でも私の事、気持ち悪いと思ってる?
妃音美
なんでいきなり話しかけてきたのよ!
優姫
私すごい酷い事言ったのを、ずっと謝りたかった
優姫
妃音美に好きって言ってもらえて嬉しくなった自分が気持ち悪かった、
優姫
妃音美は勘違いしてるだけかもしれなかったのに
妃音美
8年間もずっと好きなのに、否定されたら悲しいよ優姫
優姫
あの時はごめん。私も本当は妃音美が好きよ
妃音美
優姫。ずっと前から優姫の事がすきなの。
優姫
私と付き合ったら、少しは傷も軽くなる?
妃音美
そうね。優姫なら軽く出来そう。