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すいそ。
(=^ω^)/レッツラゴー!
第2話
「紫に染まる街角」
(背景画像はイメージです)
夜の街は、昼とは違う顔を見せる。
ネオンの光、人の気配、そして──目に見えない"歪み"
影羽
影羽が端末を操作しながら言った。
影羽
蒼雷
蒼雷が舌打ちをする
蒼雷
紫に染まる災いは、執着と未練から生まれる。
祓うには、力だけでは足りない。
幻蛇
白氷は黙って頷いた
冷静で、正確で、無駄が無い
それが彼の戦い方だ。
幻蛇
焔華
焔華は軽く拳を鳴らす。
焔華
紫苑
短く言ったのは、紫苑だった。
その声だけで、場の空気が締まる。
紫苑は一歩前に出る。
路地の奥── 街灯の届かない場所。
そこに、"紫色の靄"が蠢いていた。
影羽
影羽の声と同時に、空気が歪む。
人の形をした影。
だが、顔はなく、胸の奥だけが紫に光っている。
──未練、──後悔、 離したくないという感情。
紫苑
紫苑が低く言う。
紫苑
その一言で、全員が動いた。
蒼雷が前に出て、雷を纏う。
蒼雷
幻蛇
幻蛇が術式を展開し、 空間を制御する。
幻蛇
影羽
影羽が影を操り、 災いの動きを制限する。
焔華が突っ込む。
焔華
炎が紫の影を裂く。
だが──
白氷
白氷が冷静に告げた。
白氷
紫苑
紫苑は、静かに歩き出す。
災いの真正面へ。
蒼雷
紫苑
それだけ言って、止まらない。
災いが、紫苑に向かって手を伸ばす
──絡め取るように。
だが、紫苑は一切怯まない。
紫苑
低く、確かな声。
紫苑
紫苑
紫苑の拳が、紫の核を──掴んだ。
一瞬、街の音が消える。
紫苑
力を込める。
バキッ、
核が、音を立てて砕け散った。
次の瞬間
災いは、光となって霧散した。
静寂。
夜風が、路地を抜けて行く。
蒼雷
蒼雷が息を吐く。
焔華
幻蛇
幻蛇が微笑む。
紫苑は、拳を見つめたまま、 何も言わない。
だが── ほんの一瞬。
その表情に、影が落ちた。
影羽が気づく。
影羽
紫苑
紫苑
その声は、いつも通りだった。
けれど、誰にも 気づかれないほど小さく、
紫苑の胸の奥で、何かが── 疼いていた。
そしてその頃。
本部の談話室で若葉は、 外を見つめていた。
若葉
胸の奥が、ざわつく。
理由は分からない。
でも、
若葉
小さく、祈るように呟いた。
その想いが、 まだ誰も知らない形で──
紫苑達に届いてることを。