何度でも、君と。［我々だ ゾム ］

目を覚ますとクラスメイトが私を見て笑っていた

保険の先生が目の前にいる

やっと状況を理解した

多分寝ていた私を先生が何度も起こし 起きた時に説教されたっていう具合だと思う

そう言って整った顔でくしゃっとわらったのは.....

ずっと探してた....

私の大切な人

私が何がミスるとすぐ「馬鹿だな笑」そう言って笑って来る

...今までが全部夢だったの？

...それとも今が夢？

デコピンしてきたけどその痛みは私には届かない

こんなのよりももっと痛いのを私は知っている

──大切な人を失った心の痛み.......

.....訳わかんなくなってきた

ゾムが死んだのが夢だった....？

夢の最後階段から落ちたと言うよりは突き落とされて目を閉じた

目を覚ますと授業を受けていて 先生に怒られてた

違う.....多分 どちらも現実

これは馬鹿だけど感が鋭いと言われてきた私の考え.....

クラス中に色々な奇声が飛び交った

ただ1人口を開けてポカーンとしていた。

担任の坂口 通称さかっちの言葉に内心焦りながらいつもの口調で問いかける

は？

えっ？ちょっと待ってよ

文化祭は私が記憶を泣くしてる間に終わったはず

なんでみんなも私を「どうしたの？」っていう目でで見つめてくるの？

..うちの文化祭って2回あるっけ？

スマホを取りだし日付を確認する

20×× 10月21日

頭にいくつかのハテナが浮かぶ

うちの学校の文化祭は11月21日に行われる

今日の日付は文化祭の１ヶ月前

私が記憶を無くしてて、正気に戻ってゾムの死を知ったのは11月23日

そして階段から突き落とされたのが11月24日

ゾムが死んだのが11月21日..文化祭の帰り

もしかしてあたし.......

１ヶ月前に戻ってきちゃった!?

怖くなってきた

いったい何が起こってるの？

無性に怖くなってさっき落ちた階段目掛けて走っていった

さかっちの声も耳に入らない

知らない空間に置いていかれたような寂しさや恐怖に襲われてただただ怖い

事故が起こった階段に着くが特に変わった様子なんてない

気を落ち着かせるため階段端の方に腰掛けた

窓から来る優しい風と光が眠気を誘う

そういえば、ゾムのことがあってから寝てなかったなぁ

睡魔に勝てず、うとうとしてると

この声は....

血相を変えて走ってきたようだった どうしてだろ.....？

怒られてるのに...嬉しい この感情は、幼なじみからとしての硬い友情から伝わる温かみ？だよね！

──あたしは馬鹿だからこの感情の名前を知らない

もっと早く気づいてれば....

この先何度も後悔することになる.......

わざとらしくあくびをかく 今のは下手だったかも

どちらともなく顔を見合わせ、笑いあった

やっぱゾムには笑顔が似合うよ！

ここから居なくなるなんて考えられない

やっぱ夢なんじゃないかなーって思うけどやっぱ夢ではないみたい

頬を引っ張ってみたら痛かったからね

痛みからかな？

.....大粒の涙が零れ落ちた。