淡い夢を見ていた
夏帆
湊
夏帆
湊
夏帆
夏帆
湊
夏帆
夏帆
湊
夏帆
ちゅっ
夏帆
湊
夏帆
湊
湊
夏帆
夏帆
ガチャ
夏帆
夏帆
そこには誰もいない
もちろん 朝ごはんなんてない
夏帆
夏帆
結婚して最初の休日に ドライブに行った
水族館に行って 公園でお弁当を食べて
夕飯の買い物をして 帰るはずだった
だけど
公園の駐車場を出てから 少しして
反対車線の横断歩道を 歩く小さな子供がいた
湊
そんなことを言う彼は すごく幸せそうな顔だった
夏帆
湊
湊
でも
こちらに向かってくる対向車は 気付いていなかった
夏帆
直前でハンドルを切った 対向車は
私たちの車にぶつかった
彼は私を守るように 覆いかぶさって
数時間後に息を引き取った
幸いにも 子供は無傷
対向車の運転手は 骨折のみで済んだ
そんな事実を うまく飲み込めなくて
全て封印した
閉じ込めて 思い出さないように
それなのに 最期の言葉が
脳に
鼓膜に
全身に
こびりついて離れない
思い出すことを やめたはずなのに
たまに囁くように 聞こえてくる
湊
湊
その声が、ひどく
優しく
響いた
コメント
17件
純愛なのかなって読み進めてたら、まさかの... 彼氏さんも彼女さんも優しすぎて。 ご参加ありがとうございます!
彼女を守るために 亡 くなった彼 そこの深い愛は素晴らしいものですよね 彼の最後の言葉も彼女への愛ですね 切ないけれど愛を感じるお話ですね
あ...涙で最後の方が見えなくなりました()