影山 母
よくわかない名前を言われて
そこはベッドだった
あれ、俺ってなんだっけ
影山拓也
横原の顔を見て
心のなかで謝った
影山拓也
横原は薄く目を開けた
横原悠毅
そういってゆっくりと起き上がった
影山拓也
あくまで熱だから
俺は横原におかゆをさまして口に運んだ
影山拓也
横原悠毅
ごめん横原
考えることを放棄したから
きっとこうなったんだよ
影山拓也
横原悠毅
そう言って横原は俺の膝に頭をのせた
影山拓也
横原は何も言わず
いや、多分もう寝ていた
影山拓也
影山拓也
影山拓也
きっと
幼い頃の俺は今の俺が言うであろう言葉の似たものを言ったんじゃないか
きっと、
横原にとっては大切な約束だったんだろう、
でも多分、
いや絶対に
俺も大切にしてたし、大切にすると、
守ると決めていたと思う
横原、その約束教えてよ、
影山拓也
俺は無意識に横原の頭に手を乗せていた
影山拓也
横原悠毅
影山拓也
横原悠毅
横原悠毅
影山拓也
横原悠毅
横原悠毅
横原悠毅
横原悠毅
影山拓也
横原悠毅
影山拓也
影山拓也
影山拓也
横原悠毅
影山拓也
影山拓也
横原悠毅
横原悠毅
影山拓也
影山拓也
横原悠毅
目を開けると俺の膝で横原が眠っていた
影山拓也
影山拓也
14時半
影山拓也
なんて夢を見ていたんだろう
よく分からない、でも幸せそうな夢
夢のなかでは付き合ってたんだろうな
少し経つと横原が目を覚ました
横原悠毅
慌てたように起き上がった
熱はましになったのだろうか
いつもの横原に近かった
影山拓也
若干気まづい時間が続く
影山拓也
横原悠毅
影山拓也
長居しても邪魔だろう
影山拓也
横原悠毅
影山拓也
ソファから立ち上がると
横原に腕を掴まれた
横原悠毅
横原悠毅
横原悠毅
少し火照った顔が愛おしかった
好きだからという浮ついた気持ちは少なからずあるかもしれない
でも、
俺が守ってやりたいという
底知れない感情が込み上げるからだと思う
でもそれがきっと好きという感情だ
影山拓也
影山拓也
横原だからという理由が
抽象的だけど
1番合っていた
横原は黙って俯いていた
そして顔を上げて言った
横原悠毅
横原悠毅
影山拓也
やっぱり、そうだ
悔しかった
横原悠毅
影山拓也
影山拓也
この話は誰にもしたことがなかった
怖いけど
影山拓也
影山拓也
影山拓也
影山拓也
医者
医者
なにをなにがどうなっているのか
分からなかった
起きた直後はなにも覚えていなかったけど
家族と話してるうちに段々思い出していった
影山 母
影山拓也 幼少期
うっすらと色ずくようにどんどん思い出していった
幸いにも軽いもので
だけど空白は多くて
思い出せないものもあった
でもきっといじめられてることだろうと
思い出すことを放棄していた
影山拓也
影山拓也
影山拓也
どう、言えばいいのだろう
どうすることもできない
この行き場を無くした感情を
どう消化すればいい?
横原悠毅
影山拓也
謝ることしか、俺にはできなかった
影山拓也
影山くんの目は切ないものだった
影山拓也
俺も何度も考えた
あそこに行ったら思い出すのじゃないか
思い出すと、信じて