あっという間に汗をかく暑い季節になった
部活が終わって帰る途中、兄貴らしき人が数人の男に囲まれてるのが見えた
変態1
ねぇ君可愛いねぇ
変態2
俺達と遊ぼうよぉ
変態3
絶対楽しいよぉ
大我
やめてください
樹
兄貴!
大我
樹!
変態2
なぁに弟くん?
変態1
兄弟揃って可愛いねぇ
変態3
君も一緒に行こっか!グイッ
樹
離せよ!
樹
(くっそ!力が強すぎる…)
変態3
痛ってぇ!
変態2
おい大丈夫か?
北斗
失礼ですがお2人を返して頂けますか?
樹
北斗!
大我
北斗!
変態3
そんな簡単に返すわけないだろ
変態1
俺らに勝ったら返してやるよ
北斗
ではその代わり、お2人には手を出さないと約束して頂けますか?
変態3
勝ったらな
北斗
ありがとうございます
北斗
樹様、大我様お2人は私の後ろに居てください
樹
北斗お前…
大我
大丈夫なの?
北斗
ご安心ください。私こう見えても空手を少々かじっておりましたので
大我
気を付けてね
樹
無理すんなよ
北斗
ありがとうございます
変態3
おしゃべりはもういいか?
北斗
はい
変態1
じゃあヤレ
1人が合図を出すと2人が北斗に殴りかかった
上手く交わしたけど、合図を出した奴も加わり3対1になった途端 北斗が押さえ付けられた
変態1
あれぇ〜、さっきの威勢はどこ行ったのかな?
変態1
おらっ
ボコッボコッ
北斗
ゲホッゲホッ
樹
北斗!
北斗
はぁはぁ、樹様、大丈夫です
変態1
まだ大丈夫なの?欲しがるねぇ
ボコッボコッボコッ
北斗
ゲホッゲホッ
北斗
バタッ
樹
北斗!
変態2
あーあ倒れた
樹
よくも北斗を!
俺は男を殴りかかった
が、避けられた
変態3
悪い子だね
変態1
悪い子にはお仕置しなきゃねぇ
男は俺の胸ぐらを掴んで手を振り上げた
大我
樹!
北斗
ガシッ
変態1
えっ
樹
ほ、くと?
北斗
てめぇ、何手ぇ出そうとしてんの?まだ終わってねぇよ
聞いた事ない低い声と普段からは想像出来ない言葉遣いで男を睨む北斗 まるで別人、ちょっと怖い
北斗
これ以上大切な人を奪われてたまるか
ボコッ
変態1
うっ…バタッ
北斗
お前らもさっさとかかって来いよ
北斗
ほら早く
変態2
てめぇ!
変態3
おらっ
ボコッボコッ
変態2
うっバタッ
変態3
バタッ
北斗
二度とこの2人に近づくな、分かったか?もし近づいたらその時はヤルからな
北斗
分かったらさっさと消えろ
男達は走って逃げて行った
北斗
樹様、大我様ご無事ですか?お怪我はされてませんか?
大我
俺らは大丈夫だけど…
樹
北斗血が…
北斗
これくらい大丈夫です。お2人が無事で良かったです
大我
ごめんね
樹
ごめん
北斗
謝らないでください。私の方こそ怖い思いをさせてしまい申し訳ございませんでした
大我
ありがとう
樹
ありがとう
家に帰ると当然父さんに怒られた
しばらくの間は夜の1人行動禁止 夜遅くなる時は誰かしら執事に迎えに来てもらえって
樹
(そう言えばなんで北斗はあそこに居たんだ?)
樹
(それに、これ以上大切な人を奪われてたまるかってどういう意味だ?)
部屋で1人になった途端、頭の中が気になる事でいっぱいになった
樹
明日、聞こう
俺は眠りに着いた