雨は一層強くなって、
俺たちを刺した
???
追いかけた背中にはすぐに追いついて
俺はまたその手を掴む
暇 懐
???
暇 懐
???
……本当か?
こんな状況に陥ったのは初めてだし
目の前の彼女を救ったのは、本能的なものからだった
だからこそ、分かる
〝この子を離したら危ない〟と
暇 懐
???
???
暇 懐
???
???
???
沈黙が俺らの間に流れた
静かに伏せられた目
その儚い表情で、今何を考えているのだろう?
……
遂に居ても立っても居られなくなった
暇 懐
???
暇 懐
暇 懐
静かな部屋に少し遠くから聞こえるシャワーの音が響いている
やっと冷え切った頭が少し冷静になってきた
暇 懐
本当に、何してんだろ
初対面の女の子を自分の家に連れてくるとか
どう考えてもヤバい奴だろ
暇 懐
暇 懐
そう言い訳を考えるけど、本当の理由は違う
あの子を放っておくべきではない
離してはいけない
ただの直感だった
キュ、とシャワーの栓を捻る音が聞こえてから暫くして
???
???
暇 懐
???
暇 懐
例の女の子はお風呂から上がってくる
…それも俺の服を着て
暇 懐
先程とは対照的な白いパーカー
フードを被っていないから、整った顔が良く見えた
???
???
暇 懐
暇 懐
???
???
彼女は少しだけ目を細めると、
???
一拍おいて、そう言ってから
暇 懐
???
にっこりと微笑む
暇 懐
???
暇 懐
???
???
暇 懐
???
暇 懐
???
暇 懐
正直驚いた
雨の中で見た儚い感じからなのか、
ずっと大人っぽく見えていたからだ
???
暇 懐
???
???
暇 懐
???
???
暇 懐
???
こうして話していると、確かに
年相応のあどけなさも見える気がした
何となく感じる危うい感じは拭えないけど
表情のひとつひとつに子供っぽさも感じる
暇 懐
???
???
暇 懐
???
暇 懐
そうか
まぁ、人には人の事情があるよな
彼女は少し考えると、ハッとしたようにまたこちらに笑いかける
???
Ame?
暇 懐
Ame?
暇 懐
Ame?
暇 懐
Ame?
Ame?
Ame?
暇 懐
暇 懐
Ame?
Ame?
あめはそう言って部屋を見渡すと、
ある1点で視点を止めた
暇 懐
Ame?
暇 懐
Ame?
暇 懐
あるけどさ?
それ、さっきまで消えようとしてた奴が言う言葉か?
Ame?
暇 懐
Ame?
暇 懐
Ame?
Ame?
暇 懐
Ame?
Ame?
暇 懐
Ame?
暇 懐
Ame?
そんなこんなでゲームを始め
早数時間
思っていたより白熱して、あっという間に時間は溶けていた
Ame?
暇 懐
Ame?
Ame?
望むところ、とそう返しかけたとき
壁に掛かっている時計にふと目がいく
暇 懐
出会った時間が既に遅い時間だっただけに
気づけばもうすぐ日が超えるくらいの時間になっている
暇 懐
これ、本格的にやばいんじゃね
初対面の女の子を無理やり家に連れてきた上に
既に補導時間とか…
暇 懐
でも今帰らせるわけにも…と考えているとき、
予想外の言葉が降りかかった
Ame?
暇 懐
暇 懐
そこで気づく
あめの表情が、曇ったこと
Ame?
Ame?
暇 懐
一瞬だけど
暇 懐
どこか、遠くを見るような
そんな目をしていた気がした
Ame?
Ame?
暇 懐
Ame?
Ame?
Ame?
暇 懐
Ame?
Ame?
そう言うとあめは周りを片付けてから立ち上がって
玄関の方へと向かう
暇 懐
Ame?
暇 懐
暇 懐
Ame?
今度は、優しい目だった
どうしようもなく優しい目
綺麗な色
俺はまたそれに吸い込まれそうになる
Ame?
Ame?
暇 懐
Ame?
暇 懐
Ame?
Ame?
Ame?
Ame?
白い手は、ゆっくりと俺に伸びてきて
Ame?
暇 懐
そして、優しく俺を包み込んだ
Ame?
Ame?
暇 懐
こめかみにそっと暖かいものが触れる
それがあめの唇だと気づくのには……少し時間がかかった
気づいた時には既に温もりは離れていて
暇 懐
Ame?
Ame?
Ame?
俺はパタンと閉まる玄関のドアを、ただ見つめることしかできなかった
その瞳に吸い込まれている間
いや、見惚れている間
何もすることができなかった
暇 懐
急に静かになった部屋のベットで、俺は1人横になる
意識が現実に戻ったとき
1人で帰らせるわけにはいかないから、すぐに追いかけたものの
あめの姿は、既に消えていた
暇 懐
〝大丈夫〟
〝今日はもう、大丈夫だよ〟
ぐるぐるとその言葉が頭を回る
暇 懐
最後にこめかみに落とされたキスは
どう言う意味だったのだろう?
今日出会って、
俺が救った女の子
Ameと、そう名乗った不思議な女の子は
どういう人なのだろう?
……
今日だけで、色んなことを知った気がする
暇 懐
暇 懐
ふわふわした俺の頭に最後に残ったのは、そんな細やかな願いだった
彼女との出会いが、
俺の中の何かを変えた気がしたんだ
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