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Wet in the red rain.

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Wet in the red rain.

2 - 𝑬𝒑𝒊𝒔𝒐𝒅𝒆①

♥

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2025年11月05日

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雨は一層強くなって、

俺たちを刺した

???

……離して?

追いかけた背中にはすぐに追いついて

俺はまたその手を掴む

暇 懐

だって…このまま離したら、また

???

死なないよ

暇 懐

???

別に、消えたりしないから

……本当か?

こんな状況に陥ったのは初めてだし

目の前の彼女を救ったのは、本能的なものからだった

だからこそ、分かる

〝この子を離したら危ない〟と

暇 懐

じゃあ…なんでさっき

???

…なんでだろうね

???

自分でもわかんないや

暇 懐

……っ、

???

死にたいとは思わないけど

???

それより、生きていたいとも思わないから

???

だから…消えようと思ったのかな

沈黙が俺らの間に流れた

静かに伏せられた目

その儚い表情で、今何を考えているのだろう?

……

遂に居ても立っても居られなくなった

暇 懐

あの、

???

ん?

暇 懐

俺の家来ませんか?

暇 懐

……

静かな部屋に少し遠くから聞こえるシャワーの音が響いている

やっと冷え切った頭が少し冷静になってきた

暇 懐

何してんだろ、俺…

本当に、何してんだろ

初対面の女の子を自分の家に連れてくるとか

どう考えてもヤバい奴だろ

暇 懐

(絶対変だと思われたよな)

暇 懐

(でもびしょ濡れだったし…あのままだと風邪引くだろうから)

そう言い訳を考えるけど、本当の理由は違う

あの子を放っておくべきではない

離してはいけない

ただの直感だった

キュ、とシャワーの栓を捻る音が聞こえてから暫くして

???

ありがとうね…わざわざ

???

お風呂、先に入らせてもらっちゃったし

暇 懐

あ…いえ、

???

服もぶかぶかだけどwなんかあったかいや

暇 懐

なら良かったです、

例の女の子はお風呂から上がってくる

…それも俺の服を着て

暇 懐

(いや、仕方ないだろ!着替えないんだから!)

先程とは対照的な白いパーカー

フードを被っていないから、整った顔が良く見えた

???

ふふっ…そんなに固くならなくてもいいのに

???

…って、言っても無理あるか

暇 懐

あのっ、俺何もしませんから…!!

暇 懐

本当に!信じてください…

???

大丈夫だよ〜、何となくわかるしw

???

君、やっぱりいい子そうだもん

彼女は少しだけ目を細めると、

???

さっきはごめんね、見苦しいところ見せて

一拍おいて、そう言ってから

暇 懐

あ…いや

???

ね、君の名前教えて?

にっこりと微笑む

暇 懐

いとまなつ、です

???

なつくんね

暇 懐

はい

???

敬語じゃなくていいよ〜

???

多分、年そんな変わんないから

暇 懐

え…マジすか?

???

うん!マジ

暇 懐

17歳だけど…

???

ほーら、やっぱり同い年だ

暇 懐

!?

正直驚いた

雨の中で見た儚い感じからなのか、

ずっと大人っぽく見えていたからだ

???

何歳だと思った?

暇 懐

19…20くらい?

???

お姉さんって呼んでたもんねw

???

えー、私からは程遠い言葉なのに

暇 懐

なんか…ごめん

???

いや、嬉しいよ?

???

ふふっそっかぁ〜、お姉さんなんか

暇 懐

もう呼ばないんでっ!

???

そう?残念

こうして話していると、確かに

年相応のあどけなさも見える気がした

何となく感じる危うい感じは拭えないけど

表情のひとつひとつに子供っぽさも感じる

暇 懐

ちなみに、そっちの名前は?

???

…名前かぁ

???

どうしよっかな

暇 懐

? 名前に悩む要素あるか?

???

何だろ…あんまり好きじゃないというか

暇 懐

…ふーん

そうか

まぁ、人には人の事情があるよな

彼女は少し考えると、ハッとしたようにまたこちらに笑いかける

???

よし!

Ame?

じゃあ、Ameって呼んで?

暇 懐

あめ?

Ame?

表記にするとえーえむいーね(ドヤッ)

暇 懐

何でちょっとドヤってんの…w

Ame?

ローマ字表記、かっこいいやん

暇 懐

ふっ…理由それだけ?w

Ame?

あ、笑ったな?

Ame?

いいもん!自分で気に入ったから

Ame?

なつくんは一人暮らし?

暇 懐

あぁ、そうだよ

暇 懐

高校から

Ame?

偉いねぇ

Ame?

部屋綺麗だし

あめはそう言って部屋を見渡すと、

ある1点で視点を止めた

暇 懐

なんかあった?

Ame?

ねぇ、ゲームやりたい

暇 懐

……はぁ?

Ame?

ソフト何ある?

暇 懐

まぁ色々あるけど…

あるけどさ?

それ、さっきまで消えようとしてた奴が言う言葉か?

Ame?

これ!これやろ!

暇 懐

まぁ…いいけど

Ame?

やったぁ!じゃ、勝負ね?

暇 懐

うぉぉぉぉぉあ!

Ame?

待って待って待って!?

Ame?

それはずるくない!?

暇 懐

ずるくない!

Ame?

いやいやずるいって!

Ame?

ちょ、ちょっと待って?

暇 懐

いーや、待たないから俺は

Ame?

!?

暇 懐

これでトドメだぁぁぁ!!

Ame?

うわぁぁぁぁ!!!

そんなこんなでゲームを始め

早数時間

思っていたより白熱して、あっという間に時間は溶けていた

Ame?

また負けたぁ…なつくん強いんよ

暇 懐

あめが弱いんじゃない?w

Ame?

弱くないしっ!

Ame?

悔しいなぁ…もう一戦やる!

望むところ、とそう返しかけたとき

壁に掛かっている時計にふと目がいく

暇 懐

待っ!?あめ、時間大丈夫?

出会った時間が既に遅い時間だっただけに

気づけばもうすぐ日が超えるくらいの時間になっている

暇 懐

いや…大丈夫じゃないよな

これ、本格的にやばいんじゃね

初対面の女の子を無理やり家に連れてきた上に

既に補導時間とか…

暇 懐

(終わった…申し訳が立たない)

でも今帰らせるわけにも…と考えているとき、

予想外の言葉が降りかかった

Ame?

大丈夫だよ?

暇 懐

は…?でも、0時だぞ?

暇 懐

親御さんとか心配してるんじゃ…

そこで気づく

あめの表情が、曇ったこと

Ame?

大丈夫

Ame?

本当に、大丈夫だから

暇 懐

あぁ…

一瞬だけど

暇 懐

(…聞かない方が良かった?)

どこか、遠くを見るような

そんな目をしていた気がした

Ame?

……あ、でも

Ame?

ずっと居座ってたらなつくんにも悪いか、

暇 懐

俺は全然平気だけど…

Ame?

んーん、

Ame?

申し訳ないから帰るよ

Ame?

明日も平日だから…きっと学校でしょ?

暇 懐

まぁ…そうだけど

Ame?

ほらね?

Ame?

寝不足で受ける授業はきついぞー

そう言うとあめは周りを片付けてから立ち上がって

玄関の方へと向かう

暇 懐

ちょ、待って…送っていくから

Ame?

ん?平気だよ

暇 懐

いや、こんな時間に女の子1人で帰らせるなんて出来ないし

暇 懐

家入れたの俺だから、

Ame?

ふふっ…

今度は、優しい目だった

どうしようもなく優しい目

綺麗な色

俺はまたそれに吸い込まれそうになる

Ame?

なつくんは優しいね

Ame?

すっごく、優しい

暇 懐

え?

Ame?

初対面の子にここまでしてくれる人いるんだ

暇 懐

それは…だって

Ame?

大丈夫

Ame?

今日はもう大丈夫だよ

Ame?

本当に、消えたりしないから

Ame?

ありがとうね

白い手は、ゆっくりと俺に伸びてきて

Ame?

少しだけ屈んでくれる?

暇 懐

…うん

そして、優しく俺を包み込んだ

Ame?

そんな、すっごく優しい君に

Ame?

これからも…幸せが訪れますように

暇 懐

っ…!!

こめかみにそっと暖かいものが触れる

それがあめの唇だと気づくのには……少し時間がかかった

気づいた時には既に温もりは離れていて

暇 懐

あめ…?

Ame?

じゃあね!

Ame?

今日は…本当にありがとう

Ame?

おやすみ、なつくん

俺はパタンと閉まる玄関のドアを、ただ見つめることしかできなかった

その瞳に吸い込まれている間

いや、見惚れている間

何もすることができなかった

暇 懐

……っ、

急に静かになった部屋のベットで、俺は1人横になる

意識が現実に戻ったとき

1人で帰らせるわけにはいかないから、すぐに追いかけたものの

あめの姿は、既に消えていた

暇 懐

(大丈夫かな…)

〝大丈夫〟

〝今日はもう、大丈夫だよ〟

ぐるぐるとその言葉が頭を回る

暇 懐

……、

最後にこめかみに落とされたキスは

どう言う意味だったのだろう?

今日出会って、

俺が救った女の子

Ameと、そう名乗った不思議な女の子は

どういう人なのだろう?

……

今日だけで、色んなことを知った気がする

暇 懐

(また…会えたりすんのかな)

暇 懐

(会えるといいな…)

ふわふわした俺の頭に最後に残ったのは、そんな細やかな願いだった

彼女との出会いが、

俺の中の何かを変えた気がしたんだ

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