社畜らりん

うるさく怒鳴る (うるさく鳴いた) 上司を見てた (文字盤を見てた) さっきさっき定時すぎ (きっときっと鏡越し) 残業の始まり (8時過ぎのにおい) サービス残業 (しらけた顔) なんていらなかった (変わってなくてよかった) ピンクのエナドリと (ピンクの植木鉢の) ぐちゃぐちゃした机 (ぐちょぐちょした心) の上に (のそばに) 積み重なった資料 (大きく育ったもの) 先に帰った上司が (結ばれたつぼみが) こんなにも憎らしい (こんなにも愚かしい) ああ社畜になっちまうよ (ああ化石になっちまうよ) なぁ残業はいやだって (ああ取り繕っていたいな) ちゃんと眠らなきゃね (ちゃんと笑えなきゃね) 職場で寝たくはないから (大した取り柄もないから) 睡眠時間削っても (空っぽが埋まらないこと) 仕事減らないの何故だろう (全部ばれてたらどうしよう) ああお前も道連れだ (ああ貴方の右どなり) われら社畜らりん (わたしきゅうくらりん) 例えばここで眠って (例えば今夜眠って) 目覚めた時に (目覚めた時に) 起きたくなさが一気に (起きる理由がひとつも) 押し寄せる (見つからない) ならば今日で (朝が来たら) 仕事を (私は) 終わらす (どうする) うるさく怒鳴る (うるさく鳴いた) 上司を思い出す (文字盤を見てた) もう とっくに (1歩 1歩) 定時すぎ (あとずさり) 「早くやれ」と上司 (「また明日ね」とぽつり) 眠気よりも怒りが先にきたんだ (喜びより安堵が先にきちゃった) 「今日中にやれよ」と (思い出西日越し) 言った上司の顔が (映る細かなヒビが) こんなにも憎らしい (こんなにも恐ろしい) ああ明日になっちまう (ああ貴方が知ってしまう) ああ早くやらなくちゃ (ああ取り繕っていたいな) ちゃんとやらなくちゃね (ちゃんと笑えなきゃね) 給料だけはいいから (大切が壊れちゃうから) 幸せな明日を願うけど (幸せな明日を願うけど) クズすぎる上司をどうしよう (底なしの孤独をどうしよう) もううめき声しか出ない (もううめき声しか出ない) 私社畜らりん (私ぎゅうぐらりん) ああ星が綺麗な夜 (ああ虹がかかっている空) 綺麗と思いたくて (綺麗と思いたくて) 残業が終わらないこと (焦がれては逃げれないこと) 一人でやる量じゃないこと (みんなにはくだらないこと) もう資料終わらないの (どうしようもないの) 私社畜らりん (わたしきゅうくらりん) 昼に休憩した末路 (そばにたぐりよせた末路) いつも見下す上司が (枯れ落ちたつぼみが) こんなにもムカついてきて (こんなにも汚らわしくて) 憎らしい (いじらしい) ああ社畜になっちゃったよ (ああ呪いになっちまうよ) ねえ諦めたいって言いたいな (ああ「あきらめた」って言わなくちゃ) 上司に反抗 (頭の中で) なんて出来る訳ないけど (ノイズが鳴りやまないから) もしもアイツがくびになれば (空っぽが埋まらないこと) 全てが解決するのに (全部ばれてたらどうしよう) ああお前達も私も (あああの子の言う通り) 社畜なんだ (終わりなんだ) ああ残業終わらないよ (ああ幸せになっちまうよ) ああ朝になってしまう (ああ失うのがつらいな) 全部終わらなかったら (全部無駄になったら) 上司に怒られちゃうから (愛した罰を受けるから) ひどくクズな貴方が (ひどく優しい貴方の) 改心してたらいいのに (胸で泣けたならどうしよう) この前見たのはそんな夢 (最後見たのはそんな夢) 私社畜らりん (私ちゅうぶらりん)