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久遠 依月の事件簿

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久遠 依月の事件簿

1 - 幻の部活動篇1

♥

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2020年12月07日

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午前8:30 栄華女学院高等学校

依月

ある女学院の正門に1人の青年が立っていた。

依月

>何故か周りの生徒がざわついている…

青年の周りにいる生徒は当たり前だが、全員女子生徒だ。

その為、青年は周りからは変な目で見られている。

だが、青年は部外者ではなく、また不審者でもない。

彼、久遠 依月は今日からこの学校に通う生徒だ。

依月

>とりあえず職員室へ向かおう。

依月は周りの目を気にせず、校舎内へと入っていった。

午前9:00 1-1 教室

南條先生

はーいホームルームを始めるわよー。

南條先生

ほらそこ!早く席に座りなさい!

1年1組担任の篠崎 絵里香が教室に入ってきた。

篠崎に諭され、生徒達は席へ着く。

クラスメイトA

(ねぇ、今日転校生が来るらしいよ〜)

愛莉

(転校生?へぇ、珍しいわねこんな時期に。)

クラスメイトA

(うん、それもなんだけど、もっと驚くのが…)

愛莉

(…え!?)

そんな会話を遮るように、南條は話を始める。

南條先生

今日はねぇ、転校生を紹介するわよ!

玲衣

(転校生…!どんな人なんだろう…)

玲衣

(どうせなら意外な人がいいなぁ…)

南條先生

入ってきていいわよー

依月

クラスメイトB

え!?男子!?

依月の姿を見て、クラスメイト達は驚いていた。

…先生。

南條先生

んー?紬ちゃんどうしたのかなー?

ここは、女子校の筈ですが…なぜ男子生徒が?

南條先生

決まってるじゃない、この子が転校生君よ!

だから何故、転校生が男子生徒なんですか?

南條先生

あーそういう事ね。

南條先生

えーと、来年からこの学校って共学制度になる予定なんだけど…

南條先生

その共学制度の予行練習って感じで、この転校生君が来たってことなのよ。

南條先生

だから5月っていう中途半端な時期に、転校してきたって事!

でもいきなりすぎませんか?

そういうのは予め連絡をするべきでは?

南條先生

そりゃあ、突然決まったからね〜

南條先生

1週間前くらいに転校生が来るっ聞いてはいたけど、こんなに早く来るとは思ってなかったのよ。

…事情は分かりました。

南條先生

そう?なら話、進めてもいいかな?

…はい。

南條先生

そんじゃ、自己紹介して。

依月

依月は頷き、自己紹介をした。

依月

久遠 依月です。

依月

>簡潔に自己紹介を終わらせた。

南條先生

…他に…何かないの?

依月

南條先生

いやいや、他に何かあるでしょ!

依月

…例えば?

南條先生

うーん、そうねぇ…あ!

南條先生

それじゃあ、皆の質問に答えるっていうのはどうかしら!?

南條先生

皆に依月君の知りたいことを質問して貰って、それに依月君が答える、みたいなのどう?

依月

依月は頷く。

南條先生

うん!それで決まりね!

南條先生

そんじゃ、依月君に質問がある人ー!

南條先生

なんでもいいわよー!

だが、誰も手を上げない。

南條先生

あれ、おかしいなー。

依月

>どうやらあまりよく思われていないようだ

玲衣

はーい!質問いいー?

南條先生

お、玲衣ちゃん!うん!いいよー、いいよー!どんどんいっちゃおうー!

玲衣

依月君の好きな食べ物って何ー?

クラスメイトA

(うわ…いきなり名前呼び…)

依月

>なんでも好きだと答えた。

玲衣

なんでも…うーん。

玲衣

じゃあ、大好きな食べ物はー?

依月

漬物だ。

玲衣

漬物!私も好きなの!一緒だね!

玲衣

じゃあ次は依月君の番!

依月

玲衣

質問だよ!質問!

玲衣

私に質問して!

依月

依月

>苦手な食べ物はあるのかと聞いた。

玲衣

うん!あるよ!

玲衣

私は肉が苦手だね〜。

玲衣

あ、なんか珍しいよね…

依月

そんなことは無い。

玲衣

え?

依月

>自分も脂っこい肉は苦手だと答えた。

玲衣

ほんと!?

依月

ああ。

玲衣

なんか好きな食べ物と苦手な食べ物が同じって凄いね!

依月

確かに。

玲衣

ねぇねぇ!もっと依月君のこと聞いてもいい!?

依月

もちろん。

南條先生

あー、楽しそうなところ悪いけど、そろそろ授業が…

玲衣

あ!それじゃあ先生!依月君の席、私の隣でいいですか?

南條先生

んーそうね!

南條先生

そこしか空いてないから、そこでいいか。

南條先生

依月君もそれでいいよね?

依月

ああ。

南條先生

うん、そんじゃ玲衣ちゃん、依月君に色々教えてあげて。

玲衣

はい!任せて下さい!

依月は玲衣の右隣に座る。

玲衣

これからよろしくね、 依月君!

依月

うん。

依月

玲衣

どうしたの?

依月

>なんて呼んだらいいか聞いた。

玲衣

そういえば、まだ名乗ってなかったね。

玲衣

私は西園寺 玲衣!
玲衣でいいよ!

依月

分かった。

玲衣

あ、教科書はもう貰ってる?

依月

まだ貰ってない。

玲衣

じゃあ見せてあげるね!

玲衣は依月の方へと机を動かす。

依月

ありがとう、玲衣。

玲衣

うん!

午後12:04 1-1 教室

昼休憩。

玲衣

依月君!お昼ご飯一緒に食べよ!

依月

依月は頷く。

依月

あ…

玲衣

どうしたの?

依月

>食べる物を持ってないと伝えた。

玲衣

大丈夫だよ、この学校には学食があるし!

玲衣

私もそっちで済ませるから。

依月

学食とはなんだ。

玲衣

前に通ってた学校で見たいことない?

玲衣

えーと…

玲衣

ま、見た方が早いよね。

玲衣

百聞は一見にしかずって言うし、取り敢えず行こ!

依月

分かった。

2人は席を立ち、出入りへ向かおうとする

千鶴

あのー?

依月

>クラスの生徒何名かが近づいてきた。

玲衣

あ、千鶴ちゃん!なに?

千鶴

ちょっと馴れ馴れくありませんかー?

玲衣

ん?何が?

クラスメイトC

そこの男子に馴れ馴れしいって言ってるの!

千鶴

ええ、そこの男に馴れ馴れしくしすぎとかと

玲衣

そこのじゃないよ、依月君だよ。

クラスメイトB

はぁ?

千鶴

あらこれは失礼しました。

千鶴

西園寺さんはそこの久遠さんとは初対面ですよねー?

玲衣

うん、今日会ったばかりだよ。

千鶴

西園寺さんは初対面の相手に馴れ馴れしくししすぎじゃありませんかー?

玲衣

えー、別に普通だよー。

玲衣

それに依月君だって、転校してきたばかりだし、それに男の子1人だけじゃ心細いよ。

千鶴

彼だけに限った話ではありません。

千鶴

入学初日の時だってなりふり構わず、私達にいきなり下の名前で呼んできたりして。

千鶴

少し礼儀と言うものを考えた方がよろしいんじゃないですかー?

玲衣

別に名前で呼び合うくらい普通だと思うけどなー。

千鶴

貴女の普通を私に押し付けないでくれませんかー?

玲衣

うーんと、つまり私のその馴れ馴れしい?態度が気に入らないってこと?

千鶴

平たく言うとそうですねー。

玲衣

そっか、ごめんね。

千鶴

まぁ、分かればいいですけどー。

玲衣

うん、じゃあ行こう、依月君。

依月

ああ。

千鶴

全然わかってないですねー。

玲衣

えー、ちゃんと分かってるよ。

玲衣

千鶴ちゃんが言いたいのは、他のクラスメイトに馴れ馴れし過ぎたって事でしょ?

千鶴

やっぱり全然分かってないじゃないですか。

千鶴

それにそのちゃん付けで呼ぶのが馴れ馴れしいって言ってるんですよー。

玲衣

だってもう2ヶ月近く同じクラスメイトなんだから、初対面って訳でも無いしいいじゃん!

千鶴

一緒のクラスだからって私のことを友達みたいに言うのやめてもらっていいですかー?

千鶴

私は貴女のことを友達だって思ってませんから。

千鶴

そういうの押し付けがましいです。

玲衣

…そっか、ごめんね千鶴ちゃ…千鶴さん。

玲衣

…ごめんね依月君、待たせちゃったね。

依月

問題ない。

依月

早く行こう。

玲衣

うん。

千鶴

西園寺さん、本当に分かってますか?

玲衣

え?

千鶴

さっき私が言ったこと本当に分かってるかと聞いてるんですー。

玲衣

千鶴さんに対して馴れ馴れしくするなってことだよね?

千鶴

…はぁ、私にだけじゃなくて、そこの久遠さんに対してもです。

玲衣

え?なんで?

千鶴

…そういう態度が久遠さんに対して迷惑だと言っているんですー。

玲衣

別に依月君はそんなこと一言も言ってないのに…

千鶴

そんなの当たり前ですよー。

千鶴

今日会ったばかりの人にそんな事言える訳ないじゃないですかー。

千鶴

そうですよね?久遠さん?

千鶴

本当は、西園寺さんの態度がうざくて仕方がないんですよねー?

依月

あんたの態度の方が目障りだ。

千鶴

!?

依月

あんたの方こそ押し付けがましい。

玲衣

依月君…

依月

>千鶴と呼ばれた生徒は唖然している…

依月

>今のうちに教室を出よう。

依月

行こう、玲衣。

玲衣

あ…

依月は玲衣の手を掴み、教室を出ようとする。

千鶴

…どこ行くんですかー?

千鶴

まだ話は終わってないですよー。

依月

>自分には無いと言った。

千鶴

私はあるんですけどー。

依月

>無視しておこうか…

千鶴

もしもーし、無視ですかー?

依月

依月

>そのまま教室を出た。

千鶴

千鶴

え?今私無視されました…か?

クラスメイトB

…そうみたいだね……

千鶴

……

午後12:13 2階 廊下

玲衣

依月君、ごめんね…

依月

どうして玲衣が謝る。

玲衣

だって私のせいで嫌な思いさせちゃって…

依月

>確かに嫌な思いをしたと言った。

玲衣

うん、だから…

依月

でもそれは、玲衣に向けられた言葉を聞いてだ。

玲衣

えっ?

依月

>初対面の自分に良くしてくれた玲衣に対してあの言い草は酷いと思った、と言った。

玲衣

えっ、そうかなぁ…

依月

ああ。

玲衣

でも、こんな性格だから、千鶴ちゃんに嫌われるんだよね…

玲衣

依月君も嫌いって思ってるでしょ?

依月

そんなことない。

依月

玲衣のそういう所は好きだ。

玲衣

へっ!?す、好き!?

依月

>玲衣は何故か顔が赤くなっている。

玲衣

と、とりあえず!学食行こ!?ね!?

依月

ああ。

午後12:20 1階 学生食堂

玲衣

ここだよ!

依月

>どうやら到着したようだ。

依月

ここで食べ物が買えるのか。

玲衣

うん!

玲衣

依月君は何が食べたい?

依月

何が売っているんだ。

玲衣

うーんとね、カレーとか…色々!

依月

>全く分からない…

依月

…じゃあ玲衣の好きなので。

玲衣

私の?

依月

ああ。

玲衣

うん、分かった!

玲衣

じゃあ買いに行こ!

依月

ああ。

2人は食堂のカウンターへと向かった。

玲衣

おばちゃん!コロッケうどん2つ!

食堂のおばちゃん

おや玲衣ちゃん、今日も元気だねぇ。

食堂のおばちゃん

ん?そっちの子は…

玲衣

依月君!今日転校してきたんだよ!

食堂のおばちゃん

見た所男の子のようだけど…何かあったのかい?

玲衣

あれ?おばちゃん聞いてないの?

玲衣

来年からこの学校、共学になるんだよ!

玲衣

だからその、お試し期間?みたいな感じで男の子の依月君が転校してきたの!

食堂のおばちゃん

へぇ、そんな話が持ち上がってるのかい。

玲衣

おばちゃんは知らないの?

食堂のおばちゃん

そうだねぇ、初耳だよ。

食堂のおばちゃん

まぁ、こんな食堂のちんけなおばさんにはそういう話はしないんじゃないかと思うねぇ。

食堂のおばちゃん

ま、来年じゃあ、まだ先の話かね。

食堂のおばちゃん

それよりコロッケうどん2つで良かったかい?

玲衣

うん!

食堂のおばちゃん

はい、じゃあ2つで1620円ね。

依月

>1つ810円…中々高いらしい。

玲衣

あっ…

依月

どうした。

玲衣

…お財布、寮に忘れた……

依月

>仕方ない、払っておこう。

依月は1万円札を出した。

玲衣

え?いいの?

依月

ああ。

玲衣

ありがとう…後で絶対返すね!

依月達はお釣りとコロッケうどんを受け取り、カウンターを離れた。

玲衣

えーと、何処か席空いてないかな?

玲衣

…あ!あそこが空いてるね。

依月達は空いている席に座る。

玲衣

ここの学食、運が悪いと座れない時あるから吸われてよかったよ。

そこに1人の生徒が近づいてきた。

相席よろしいですか?

玲衣

あれ?珍しいね。紬ちゃんが学食に来るなんて。

まぁ、たまにはいいかと。

それで隣、よろしいですか?

玲衣

うん、もちろんだよ。

では。

依月

>紬と呼ばれた生徒は自分の隣に座った。

…そういえば自己紹介がまだでしたね。

西園寺 紬といいます。

以後お見知りおきを、久遠さん。

玲衣

紬ちゃんはお昼、サンドイッチなんだね〜。

…その「紬ちゃん」というのをやめてもらえますか?

玲衣

えー?可愛いしいいじゃん!

可愛くありません。

玲衣

いいと思うのになー、この呼び方。

それより、早く食べないと伸びてしまいますよ、それ。

玲衣

ああ!忘れてた!

玲衣

依月君!早く食べよ!

依月

依月

>コロッケうどんを一気に完食した。

依月

>意外にも美味しかった。

玲衣

え!?依月君、もう食べ終わったの!?

依月

ああ。

玲衣

よーし!私も負けてられない!

依月

>玲衣は食べるペースを上げる。

はぁ、相変わらず落ち着きがありませんね。

それに食事は競う物ではありませんよ。

玲衣

競う方が面白いじゃん!

面白い…ですか。

なら、こんな話はご存知ですか?

玲衣

この学校に、謎多き部活動が存在するという話です。

玲衣

部活?

はい。

なんでも、あるかないか分からないらしいです。

玲衣

何それ!すっごい面白そう!

玲衣

なんて言う部活なの!?

そこまでは分かりません。

ただ、そのような話が噂程度に出回ってる、と聞いた事があるというだけです。

まぁ、暇なら探してみるのもいいかと。

玲衣

うん!ありがとう、紬ちゃん!

別に礼を言われる事ではありません。

では、私は食べ終わったので。

依月

>紬は席を立ち、出入口へと向かった。

玲衣

ありがとねー!紬ちゃん!

玲衣

よし!それじゃあ、その部活探そう!

依月

探すのか?

玲衣

うん!

依月

玲衣

あ、もしかして嫌だった?

玲衣

それなら私一人で…

依月

そうじゃない。

玲衣

なら、一緒に探してくれる?

依月

ああ。

玲衣

本当!?

玲衣

それじゃどうやって探す!?

2人は席を立ち、食器を返す為に話ながら食堂のカウンターへと向かった。

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