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ぽすとかーど(短編集)

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ぽすとかーど(短編集)

2 - 不思議な人 2

♥

101

2023年04月22日

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ずっと羨ましかった

窓の外にいる子供達が

楽しそうに遊んで

笑って

時には泣いて

そんな自由に動ける体が羨ましかった

でも僕は

病室という名の牢屋に囚われてばかり

運動なんてしたことが無い

いや、むしろ

されて貰えなかったの方が正しい

本当に僕の人生は

不便でつまらない物なんだなって 思ってた

だけどある日ひょっこり現れた彼が

僕のつまらない人生を変え変えてくれた

彼と喋る時間は今までで1番楽しかった

嗚呼

彼が退院しちゃったら

またつまらなくなっちゃうのかな

この時間がずっと続けばいいのに

sha

なぁ大先生

ut

どうしたん?シャオちゃん

sha

俺、明日退院したくない

ut

そっかぁ明日退院か、

sha

俺帰りたくない…!

sha

もっと大先生と喋りたい

sha

遊びたい

ut

そんな事言わんでや

ut

僕だってシャオちゃんいなくなるの嫌やで?

ut

でも、シャオちゃんは

ut

僕とは違って元気になったんやから

ut

外で僕の分まで沢山遊んで来て?

sha

うん…。ボロボロ

彼の目から涙が溢れる

sha

またいつか会える?グスッ

ut

きっと会えるよ!

ut

だから泣かんでシャオちゃん?

sha

うん…!

sha

じゃあ、俺病室戻るな!

ut

わかった、おやすみシャオちゃん!

sha

おやすみぃ

さっきまで開いていた扉が閉まっていく

ut

楽しい時間はあっという間やな…

ut

まだ沢山遊びたかったなぁ…

僕の独り言は

誰にも聞かれずに

静かに病室に消えてった

sha

大先生

僕の目の前には

沢山荷物を持ったシャオちゃんがいる

あぁもうお別れなんやな

ut

どうしたん?

sha

俺、大先生と出逢えて良かった

sha

一緒に本とか読んだり

sha

喋ったり

sha

ずっとずっと楽しかった

sha

だから最後に渡したい物があって

ゴソゴソとシャオちゃんはポケットから小さな箱を取り出す

そこから出てきたのは

青色の綺麗なネックレスだった

sha

これ大先生に渡したくて

sha

俺と色違いなんよ!

彼の首元を見ると確かに

黄色のネックレスが光っていた

ut

貰っていいん?

sha

勿論やで!

そう言いながらシャオちゃんは

僕の首にネックレスを優しく 付けてくれた

sha

ネックレスを目印に大先生って分かるかもしれへんからな!

ut

そうやな!

ut

僕、手術頑張るな!

sha

俺、成功するって願っとくな!

ut

ありがとう

sha

あ、俺もう行かへんと

sha

またね!大先生!

ut

シャオちゃんまたね!

彼は明るく笑って

また会った時みたいにひらりと手を振って病室を去っていった

俺はぎゅっと彼から貰ったネックレスを握った

〇年後

────sha side────

sha

遂に今日か!

俺は軍学校を卒業して

W国の軍に入った

俺の事を気に入ったのか

この国の総統のグルッペンが

幹部にならないかと声を掛けてくれた

その返事をするのが今日なんや

総統室に向かうため階段を登る

するとそこに何処か見覚えのある

後ろ姿があった

少し青がかった黒髪

きっちり着こなしたスーツ

その姿はあの何年か前に出逢った

彼に似ていた

sha

大、先生?

俺の声が聞こえたのか

こちらに振り向く

ut

シャオ、ちゃん

ut

シャオちゃんなんか…?

sha

そうやでグスッ

大先生とまた会えたことが嬉しくて

涙が溢れるように出てくる

ut

子供の時より大人っぽくなったなぁ

sha

大先生もスーツなんか着ちゃって

ut

まぁまぁ似合っとるやろ?

sha

似合ってるで!グスッ、ヒッグ

ut

泣くところは子供時と変わらんなw

sha

うるさいわw!

sha

なぁあの後手術とかってどうなったん?

ut

ちゃんと成功したで!

ut

失敗してたら今此処にいなかったかも

ut

それに病気も大分治って

ut

子供の時より大分動けるようになったわ

sha

それは良かったぁ

sha

あと大先生何でここおるん?

sha

一般兵の中には居なかったからさ

ut

俺ここの幹部やで?

ut

それに今日新しい幹部入るみたいでなぁ

ut

楽しみやなぁ

sha

…ぇ

sha

それ、多分俺や、

ut

ほ、本当か!?

sha

嘘じゃないで!

ut

じゃあこれからまた一緒やな!

sha

おう!

sha

よろしくな大先生!

ut

よろしく、シャオちゃん!

また再開を果たした2人の首には

あのネックレスが輝いていた

────end────

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