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本当のいい子って…なんだっけ…
ぱぱ、まま、私頑張ったんだよ!
いつも先生に褒められて、
いい子なんだよ
初めて書いたこの絵だって
「凄いね」「上手だね」ってまま達は褒めてくれたんだよ?
ままとぱぱと私はいつも仲良し!
だから、我慢できるいい子でいることにした
まま達に迷惑かけないように
でもね、私に妹ができたの
ままとぱぱは赤ちゃんばっかり
私がどんな絵を見せてもむしされたの…
ある日ね、そんな妹にあの絵をやぶかれちゃって
怒ろうとしたら、ままが「お姉ちゃんなんだから我慢しなさい!」って
私はいい子だから我慢したの
ほら、この絵も
頑張って治したの
いつしからか、父さんと母さんは妹ばかりになっていた
私が美術で1位を取ろうと
テレビに写っても
血が滲む努力をしても
結局見てくれることはなかった
ねぇ、我慢できてる私
いい子でしょ?
私がどれだけ頑張っても
どんなに努力しても
どんなに我慢出来る子でも
どんなにいい子でも
昔みたいに…
「すごいね」
って
褒めてくれることはなかった
あれからどんなに月日がたとうと
母さん達が私を褒めてくれる日は
1度もなかった
妹ばかりの母さん
妹ばかりの浮気性の父さん
我儘な妹
結局全部、ガチャみたいなんだって
何度も自分に言い聞かせた
バチンッ!
そんなある日、母に叩かれた
父が不倫をしていたらしい
母は私に
「どれもこれも全部おまえのせい」
「お前がいなければ」
「お前なんか産むんじゃなかった」
そう言って、痛みの感覚が麻痺するまで叩かれた
でも私は我慢できる
”イイコ”だから
結局、父さんと母さんは離婚
妹は母
私は父に着いていくことになった
生活は悲惨なものだった
父に性的被害を受け
不倫していた女からは暴力
いつものように夜、父のベッドで腰を振らし
父が満足するまで寝てはいけない
そんな生活だった
でも、私は我慢した
イイコだから
いつ書いたかすら忘れた絵が押し入れから出てきた
「懐かしいなぁ…」
この時は、どうだったっけ…
そう思いながら1粒の涙を流す
こんなとこ…父に見られたら終わりだ
私は涙を引っ込めっるために
昔使っていたクレヨンの箱の中から
黒いクレヨンを
片手に持って
涙も混じりながら
その絵を黒で塗りつぶした
父さん、母さん
まま、ぱぱ
私、我慢のできる
私、我慢したよ!
イイコでしょ…?
イイコ…でしょ?