EBiDAN 短編集

こんなに楽しかったのに、

事の発端は曲中のビートボックスで かすったことからだった

今まで外すことがない分 より気にかけた。

でも、そこからどんどん増えていき 普通の歌でさえ息が続かなくなった

笑ってたけど本当は 焦りでいっぱいだった。

こんな状態じゃライブなんて 到底できっこない。

1曲でこんなに息が切れるのに。

俺は不安になり 1人で病院に向かった

淡々と話される内容に 俺はついていけなかった。

なんで俺が、

今1番頑張る時期なのに、、

家に帰っても実感が湧かなかった。

メンバーには、心配かけたくない。

でも、病気は治したい。

そのためには必ず たくさんの時間を有する。

辞めよう。

俺は親にだけ事情を説明した。 理解してくれるのは やはり嬉しかった。

俺は次の日、 辞める意向を事務所に伝えた。

そして事務所を去った。

集合時間ギリギリだと言うのに 洸希と連絡がつかない

ｶﾞﾁｬ

そんな時血相を変えた マネージャーが入ってきた

そういい机の上に出されたの 明らかに洸希の字で書かれた ｢辞める｣という手紙だった。

すぐに連絡取ろうというよりも 衝撃が強すぎて何も出来なかった。

あれから1週間経っても俺らの前に 洸希が現れることはなかった。

俺らはただそれを信じ続けた。

事務所に提出された届け出は 申し訳ないけど無視し、 洸希は体調不良の休養として 活動を休止していることにした。

抗がん剤治療は辛い。

俺はスパドラの話題が 入らないためにアカウントを変え 元の方は全く見ていなかった。

みんなの活動を邪魔しないため、

いや、自分がいないスパドラが 上手くやっているのを見るのが 辛いのかもしれない。

抗がん剤治療の副作用で、髪は抜け 常に帽子をかぶっていた。

点滴は外れないし、 時には酸素マスクが必要になるほど 辛い。

でも、全ては病気を治すためだった

この声は誰にも届かなかった。

気がつけば洸希がいなくなってから

3年

が経過していた。

今でも俺らは洸希を探し続けている

満場一致だった。

会えなくても、せめて元気だ ってことくらいは知ってたい。

俺らはまだ、洸希を諦めてない。

そんな中、ライブツアーが決まった

絶対に成功させると誓って 気づけば千秋楽。

洸希の分まで、、、

そう思いながらライブをしていた

~♪｢Sweets｣

~♪｢Monster!｣

センターステージに行った時

観客の1人に見たことある影が 見えた

本当は来るつもりなんてなかった。

でも、仲間が頑張っている姿を 見届けたかった。

俺は、病気を完治した。

オープニングから 涙が止まらなかった。

元仲間が輝いて見えて誇らしかった

アンコールの時、彪馬と目が合った 気がした。

バレたらまずい。

俺はすぐに目を離して その場を離れようとした時

微かな声で 俺を呼び止めるのが聞こえた

彪馬はその感情を抑えたのか

俺に口パクで

と伝えた

頷いて、 無視して帰るのもありだったが、 俺は楽屋に向かった。

お疲れ様でしたー！！

メンバーが近づいてくる。

俺は顔を伏せ近くのスタッフの 背後に隠れた。

でも、彪馬の目は騙せなかった。

その一言に時が止まったようだった

彪馬は一目散に俺のもとに走り 抱きついた。

こんな俺でも、 出会えたことに喜んでくれるんだ。

その事実が嬉しかった。

俺は、 あったことを全てさらけ出した。

何となく、言ってもいいと思えた。

みんな泣いていた。

その空気に、耐えられなかった

俺はすぐにスマホを開き HPを見た。

｢田中洸希からお知らせ｣ 普段から応援してくださっている 皆様へ、ご報告がございます。 メンバーである田中洸希は 少し前から体調不良でお休みをいただいておりました。

ですが、医師と相談した上 治療に専念するためしばらくの間 活動を休止させていただく運びと なりました。

メンバー 一同 今回はこのような事になってしまい 申し訳ございません。

洸希とは何回も話し合いを重ね 元気な姿でステージに立てる方が 良いと判断した為 このような結果になりました。

これからしばらくの間は 8人のSUPER★DRAGON となりますが 引き続き暖かい応援を よろしくお願いします。

ﾄﾞｻｯ

俺は膝から崩れ落ちた。

来てよかった。心から思った。

今日は俺の活動再開を伝える日

配信もあるためたくさんの人が 俺らのライブを見てくれていた

会場には ビートボックスが響き渡った

ステージ上の背景のモニターの前 からスライドアップで登場する

スポットライトが当たり 俺の姿が見えた時。

今日1、いや今までで1番の 歓声が聞こえた

9人でステージに並ぶ

俺はメンバーに抱きつきにいった