まだ夕飯まで2時間もある. 多分2時間くらい. 俺の体内時計がそう言っている.
ズキズキと痛む身体を背負いながら、 机に向かう.
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俺が机の引き出しから取り出したのは 唯一佐野が返してくれた大学ノート.
誘拐された時、スマホやノートパソコンは 取り上げられたけど、教科書と大学ノートと筆箱は返してくれた.
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いくら監禁されたからって、勉強は やり続けなくちゃいけない、
例え大学に戻ることは出来なくても、 "いつか"のために.
M
2時間半ぐらい経った頃.
佐野が階段を降りてくる足音が 聞こえてきた.
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持ってきたお盆には、ローストビーフや ピザ、グラタン…ケーキに酒 ?
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ってことは今日は、6月21日か.
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あ、美味しい…凄く深い味がする…
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佐野がシャンパンを開けようとする.
M
あーあ、相変わらず乱暴なこと…
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ムッとした顔でしょんぼりしてる…
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俺は布巾を使い、ゆっくり瓶を回し傾けてガスを抜く.
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コルクがボンッと布巾の中で軽く飛ぶ.
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言われた通り、グラスにシャンパンを注ぎ 少し口に含んだ.
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そう言うと佐野は部屋を出ていった.
M
ゆっくり食べていいなら、 そうさせてもらおう.
S
シャンパンを買ったはいいモノの、 開け方を知らなかった.
S
俺より博識.
男前で、誰にでも愛想が良くて、 いつも周りには男女関係なく人がいて.
羨ましかった.
ずっと気になっていた.
でも、俺なんかが入り込む隙なんて無くて.
だから、"誘拐"した.
最初は憧れだったけど、だんだん好きに 変わっていって.
好きになったはいいモノの、 次は嫉妬が芽生えて.
向井の近くにいる人間が憎らしくて.
俺の中で "向井の周りにいる奴を殺して 俺のモノにする" か "向井を誘拐する" の2つしか選択肢が無かった.
殺すにはそれなりの準備と覚悟がいる. ならせめて被害の少ない後者を選んだ.
その方が確実性が高かった.
誘拐の計画を立ててからは 毎日ソワソワして.
何をしよう、何をしてやろう.
どんどんと危ない方向へ走っていった.
結局行き着いたのはやっぱり 犯したいってこと.
それに完璧なあの男が俺なんかに掘られて アヘってる顔が見たかったのもあるけど.
S
ポケットからライターを取り出し、 煙草に火をつける.
今でも思い出す. あの顔.
コメント
3件
切るところ神りすぎて怖い
誕生日一緒でびっくりした