その日の午後
瑠香は夕食と明日の朝食の買い出しで 町に出ていた。
瑠香
……ふぅ、ちょっと買いすぎたかな…
瑠香
瑠香
……。
瑠香
(夢路警部…、まさか私の悪夢に入ってきたりしないよな…。)
瑠香
(病院の院長も手付けられなかったあの悪夢に……。)
瑠香が考え事をしながら道を歩いていると、隣にあった店の看板に目が止まった。
瑠香
(あんま行きたくないけど、ばくまるが喜ぶだろうし寄ってくかぁ……)
そう思いつつ 瑠香は店に入って行った。
カランコロン…
扉のベルが鳴ると 店の奥からエプロン姿の女性が出てきた
???
あら瑠香ちゃん!お久しぶり…って言っても最後に会ったのは2、3日前だったかしら?
瑠香
全然久しくないじゃないですかぁ…。
???
で、今日は何買いに来たの?
???
???
あ、もしかして外の看板見てくれたの?♡
瑠香
あ、はい!
瑠香
美雪さんのミルク食パン、とっても美味しくて、フレンチトーストにしたら友達なんか1斤ペロリですよ!
美雪
まぁ、嬉しい!
美雪
美雪
えーと、じゃあ食パン何袋にする?
瑠香
2袋で!
美雪
はぁい!お会計、350円です!
瑠香
瑠香
……300…50…っと。
瑠香
瑠香
お願いします!
美雪
はい、確かに350円頂きました!
瑠香
ありがとうございました〜!美味しく頂きます!
瑠香が店を出ようとすると 後ろから美雪が瑠香を呼び止めた。
美雪
あの、瑠香ちゃん!頼み事があるんだけど……
瑠香
瑠香
頼み事……?
ー美雪の家ー
瑠香
頼み事ってパンの試食だったんですね!
瑠香
それぞれ個性のあるパンで美味しかったです!おかげで晩御飯要らないくらいお腹いっぱい!
美雪
あら良かった。家でアイツに食べさせても「うまい」しか言わないから参考にならないのよ!
瑠香
瑠香
アイツ…って勝さん?
美雪
えぇ、そうよ。
瑠香
……。
瑠香
瑠香
そういえば今日、勝さんの姿が見えませんが…、お出かけでもしてるんですか?
美雪
んー、出かけというか、なんというか……
美雪
「ルナの助けにならなくては」とか言って、管理タワー行っちゃった!今朝仕事終わりからルナルナうるさくてねぇ……
美雪
なんかルナの事を調べるだとかなんとか
瑠香
瑠香
…!
瑠香
瑠香
あの、勝さんに会えたりしませんか?
美雪
んー、そうねぇ…
美雪
美雪
あ、じゃあ晩御飯用のこのお弁当持って行ってあげて!調べ物で夜遅くまで帰らないらしいし…
美雪
あとこの券も忘れずにッ☆
美雪は瑠香に券を手渡した。
瑠香
こんなのあるんですか!?
美雪
えぇ、あそこで働く警察関係者には月に数枚配られるの。これを入口にいる警備の人か、受付窓口で渡せば入れるはずだから!
瑠香
わかりました!ありがとうございました!
瑠香は美雪の家を慌てた足取りで出た。
美雪
美雪
どうしたのかしら瑠香ちゃん…。
外に出ると 既に外は真っ赤に染まり 夕日が管理タワーを照らしていた。
瑠香
瑠香
(あのクソ夢路…!悪夢に入ったら確実に死ぬぞ…!)
瑠香
瑠香
(どうにかして止めねぇと…!)
瑠香は管理タワーへ向かって走り出した。
話の結が思いつかなかったため没