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だれも自分を必要としていない
友達も
家族も
自分自身も
恐怖
萎縮
敵意
愛憎
その日々から彼女を救うのは
藍奈
紗希
未來
藍奈
カーテンから光が差し込む早朝
アラームは5:30になり、歌い始める
藍奈
朝食を用意してゆったりと優雅な朝を過ごす
ガチャン!ガシャン!!
あぁウザイ!!!
訳もなく…
藍奈
薄暗い階段を降りて見るのは
藍奈
皿が割れ
机はひっくり返って
壁に新しい傷ができ
母が泣いている
そんな
いつも通りの朝
藍奈
母
これもいつも通り
藍奈
母
ヒステリックな母
家の1階には殆ど日が入らず
朝は特に電気を付けなければかなり暗いが
毎朝暴れる母が電気を壊すと危ないので
絶対に電気は付けない
藍奈
母
母
母の右腕が高々と挙げられ
次の瞬間私の左頬は赤く腫れる
藍奈
藍奈
母
謝ればこう言われ
無言で居れば
「お前には口がないのか!」と更に怒らせる
藍奈
藍奈
じゃあどうすればいいのという口から出かけた言葉を飲み込み、
従順に返事をする
特に変わりのない
普通の朝
相も変わらず真っ暗なキッチンで
包丁の音が鳴り響く
藍奈
そう考えはしても
右手に握られた刃物を自分に突きつける
そんな勇気は持ち合わせていない
母
母
藍奈
母
藍奈
そう言うと母は
小さく舌打ちを打ちリビングへと向かった
藍奈
藍奈
母
私が作った朝ご飯を
頂きますもなしに
捕食するように平らげる母
母
母
良かった
今は機嫌がいい
機嫌が悪い日は朝ご飯を食べてすらくれない
藍奈
藍奈
母
私の声に母が反応することはなかった
母が居なくなったら
薄暗い家に光が宿る
それは母からの解放と
地獄の始まりを表す
藍奈
藍奈
気が緩むと
自身の想いが口から放たれる
藍奈
誰かに助けを求めるように
私の口は音を出した
割れた皿と部屋を片付け
玄関の前に立ちすくむ
藍奈
この扉を開けるのには
自身を地獄に突き落とす
その覚悟がいる
藍奈
体が震える
でも
私は毎日扉を開けることが出来る
誰しも
真っ暗な地獄に叩き落とされれば
泣いて許しを乞い
命を絶つ者もあるはずだ
只、その中に
一筋でも光があるとするなら
???
主
主