シオン
言葉に出すと更に胸が痛む。
なんの痛みだろうか。
彼に撫でてもらったことで、少しは楽になっていた。
シオン
ソファ-の上で小さく体を丸ませた。
抱えた足の膝に頭を埋める。
ここに彼がいたら、もう一度私を撫でてくれただろうか。
暖かな大きな手が頭の上で大きく動き、人懐っこい笑顔で眩しく笑う彼の姿を想像する。
今、彼は何をしているのかと考えた。
シオン
シオン
自分の知らない感情で、胸が締め付けられた。
また今度、晴れて欲しいと願った。
シオン
朝起きれば雨だ。
これだと彼には会えない。
晴れの日の月水土に居ると言っていた声が頭に流れた。
シオン
諦めるようにポフンっとソファ-に腰を落とす。
でも、やっぱり彼のことが気になった。
連絡先も知らない、たまにしか合わない、不思議なゲームを開始した彼のことを知りたいなんてどうかしている。
ボーッと外を3分程見つめたあと、気分転換にでもなればいいと出かけることにした。
シオン
暇つぶしになればとただ歩いていただけなのに、あの公園に着いてしまった。
『私はどれだけあの人のこと気になってるのよ…』
シオン
興味本位でフラフラと公園を歩いてみることにした。
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どれくらいたっただろうか。
少し足が疲れてきた時に──
シオン
傘をさしてキョロキョロする彼を見つけた。
たっつん
私に気づく様子もなく、少しキョロキョロしては直ぐにどこかに歩いていく彼。
私は気になって後を着いてみることにした。
彼は、どんどん奥に進んでいく。
体力の無い私は、直ぐに見失ってしまった。
シオン
どうしよう…っと迷ってると──
たっつん
シオン
なんと、彼は後ろにいた。
トンっと肩を叩かれ、声をかけられると自分でもビックリするくらい大きな声が出た。
たっつん
一瞬目を見開いた彼だったが、苦笑しつつ私の心配をした。
彼がここに居るっと思ったら一気に安心した。
シオン
たっつん
たっつん
違う。本当は自分が動けなかったのを謝りたかっただけだ。
『ごめんなさい』その一言が出てこなくて、変な言い訳ばかりしてしまう。
たっつん
シオン
何がですか?っと言いたげに首を傾げて見せた。
たっつん
たっつん
完全に見つかれていた。
私の表情が少し変わったことで、彼はニッコリ笑い、
たっつん
たっつん
たっつん
たっつん
彼がなにか言おうとした瞬間、車が凄いスピ-ドで横を通り、私たちに水がかかった。
たっつん
クルッと向きを変えて歩き出す彼。
今度は離れないよう頑張ってついて行こうとすると、彼は足を止めた。
たっつん
私の手を握った。
主
シオン
主
主
たっつん
主
主
主
主
たっつん
主
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