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初兎

いむくんはさ...

hotoke

ん?

初兎

これからどこに行きたい?

hotoke

どこに...?

初兎

うん

僕は電車の中でそんなことを聞く 夜遅いからか周りには人があまりいなかった

初兎

やっぱりさ死ぬ前にしたかった事したくない??

初兎

やからさ!いむくんのしたかった事教えてよ!

hotoke

したかった事.....

そう言うといむくんは黙り込んでしまった

そして、急にメモ帳を僕に1枚渡してきた

hotoke

じゃあここにしたいこと書いとこうよ!

hotoke

そしたら、忘れないし達成しやすくなると思うんだ!

こういう時いむくんの真面目な性格が出る

初兎

じゃあどんどん書いていくか!

それから僕たちはペンを取り出し 自分がしたいことを書き続けた

・食べ歩き ・ゲームセンターで遊び尽くす ・お酒を飲む …

最後の方には法に触れるもの 実現不可能なことまで書いた 絶対に達成出来るはずがない だけど、そんなことを考える馬鹿げた時間が僕は楽しかった

初兎

(いむくんは何書いてるんやろ)

そう思って話しかけた

初兎

いむくんは何書いとんの?

hotoke

えっ!?えっと〜...

いむくんは急に慌てだした

初兎

?いや、したいことするんやったらお互いのしたいこと知っといた方がいいかなって..

初兎

言いたくないなら全然...

hotoke

そーゆー訳じゃないんだけど...

いむくんの目が泳いでいる 怪しい

初兎

まあいつか知るやろうし!今は言わんでいいよ?

hotoke

そ、そう?ホッ

露骨にほっとしている いむくんは本当にわかりやすい

hotoke

そ、そう言う初兎ちゃんは!?

初兎

ん?

hotoke

なんて書いたの!

初兎

え〜

必死ないむくんに少し意地悪したくなる

初兎

いむくんが言わないなら僕も言わな〜い

hotoke

な、なんで!!

初兎

だってフェアじゃないじゃん

初兎

いむくんだけ秘密にするなんてズルいしな!

hotoke

ぐぬぬ.....

いむくんはすごく悔しそうな顔をしている

そんなことをしている内に目的の駅に到着した

初兎

よし!じゃあ降りよっか!

hotoke

あ、うん....

初兎

(別に教えてもいいんやけど...)

初兎

(面白いからこのままにしとこーっと)

そんなことを考えながら僕たちは電車を降りた

『あの夏が飽和する。』

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