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きらきらとはしゃぐ子供の声
さぁさぁと揺れる小川の水
活気溢れる人々の笑い声
私の大好きな、故郷の田舎村。
_ずっと
ずっと変わらない幸せが
こんな幸せが続くと 心の底から信じていた。
____
____
ざぁ ざぁ
その日は大雨だった。
_____
傘もささずにずぶ濡れになりながら 隣町に向けて走っていた。
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ぬかるみに足をとられて、転んで
_____
口の中に泥が入って、 服も泥まみれで気持ち悪かった。
_____
それでも、ただ逃げ走った。
隣町に助けを求めに行く為だった。
____ 街が魔女に襲われた。  ̄ ̄ ̄ ̄
女子供も建物も、見境なく。
この大雨の中、燃え尽きる事の無い呪いの炎で焼かれた。
逃げる時、建物についた火が、 私を誘い込むように ちらり、ちらりと火の粉を散らす。
_____
身に降り注ぐ火の粉に悶えながら、 私は村を駆け抜けた。
ごぅ ぱち ご ぱち う
ざぁざぁ
________
結局、間に合わなかった。
帰ってきた頃には 何も生きていなかった。
家畜も
帰る家も
家族も
友達も
赤黒く蛆をたからせて、 どれが誰だか分からなくなっていた
あの時
夢にも見るあの時。
 ̄laurel ̄
魔女は悦楽のままに 月華に映えるその身を靡かせて
 ̄laurel ̄
_唯、嗤っていた。