証 ｢たまにはね｣

小野 (おの)、諏訪部 (すわべ)

2人は中学の同級生で、元バスケ部仲間

高校は別のところに通っているが、バスケを続けて今でも仲が良く、こうしてときどき2人で出かけている

※木村涼太 (きむらりょうた)

彼も同じ中学、同じ部活だった

さつき は小野の彼女で、彼女もまた同じ中学でマネージャーをしてくれていた

今は、諏訪部と同じ高校に通って、バスケ部のマネージャーを続けている

小野は少し先にあった雑貨店を指さした

カランカラン

しばらく店内を散策し、目的のアクセサリーコーナーに入る

ネクタイピンを物色しながら返事をする

諏訪部はゆっくりと顔を上げた

そう言った彼が持っていたのは、桜色のリボンがついたヘアゴムだった

たしかに、茶髪でストレートのロングヘアをしたさつきによく似合いそうだった

にこにこしながら小走りで向かう、意外に乙女な趣味を持った彼を見送る小野

カチャ

女性の店員がにこりと笑う

先程と同じ笑顔を見せる彼女

そう言ってもう一度笑顔を見せた

他に客がいなかったせいか、小野はカウンターでそのまま待たされた

小野は笑顔を見せ、会釈をした

カランカラン

小野は、店員から受け取った紙袋から、小さな袋を取り出した

カサ

袋の中には、バスケットボールの飾りがついたネクタイピンが入っていた

バシッ