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ある日の体育
校庭を走っていたまだ〇〇は
人の波に揉まれるようにしてバランスを崩した
○○
次の瞬間
ドサッと地面に手をつく
笛田千夏
先を走っていた千夏が声をかけた
○○
手のひらと膝が擦れている
野田紬
○○
そう答えたものの
立ち上がろうとして少し顔を顰めた
野田紬
紬はしゃがみこむ
野田紬
○○
野田紬
野田紬
そう言いながら紬は〇〇の腕をとった
野田紬
○○
○○
野田紬
○○
自分の手を見てる〇〇を見ながら紬は言う
野田紬
野田紬
野田紬
紬は笑いながら言った
野田紬
○○
野田紬
紬は軽く〇〇を支えながら歩く
野田紬
野田紬
○○
〇〇は何も言わず歩いた
保健室に着くと
野田紬
野田紬
野田紬
先生がいなかった
紬は先生が来るまでの間に
〇〇の膝と手のひらを軽く手当した
野田紬
○○
野田紬
○○
そして手当を終えると
紬は椅子に腰をかけた
そして、〇〇を見る
野田紬
○○
野田紬
野田紬
〇〇が一瞬首を傾げた
紬は少し黙る
それからいつものように笑う
野田紬
野田紬
野田紬
○○
野田紬
野田紬
野田紬
○○
〇〇は思わず首を傾げた
紬は頬をかきながら少し笑う
野田紬
そして〇〇を見る
野田紬
野田紬
少し間を置いて
野田紬
野田紬
○○
〇〇は完全に固まった
何を言えばいいか分からない
そんな〇〇を見て、紬は小さく笑った
野田紬
野田紬
野田紬
○○
野田紬
そう言って
紬は保健室を出た
○○
1人になった〇〇は
膝の上に置いた手のひらを見つめた
○○
○○
〇〇はしばらく考えていた
紬は保健室を出たあと
少しだけ固まった
野田紬
そして小さく笑う
まぁいいか
あんぐらい言わないとあいつは気づかねぇし
そうして足を少しだけ進めた時
及川徹
紬の前に人影が現れた
及川だった
野田紬
タイミング悪ぃな
及川は少しだけ笑っている
及川徹
野田紬
野田紬
及川徹
及川徹
及川徹
いつものような顔で言う
それを見て紬も少し笑った
野田紬
及川徹
野田紬
即答されて紬は一瞬詰まる
そして少し溜息をつきながら
壁に背中を着く
及川徹
及川徹
野田紬
野田紬
野田紬
及川徹
及川徹
野田紬
紬はふっと笑う
及川も笑っていた
けれど
その笑顔の奥には
ほんの少しの苛立ちが混ざっている気がした
及川徹
及川徹
及川が紬を見る
及川徹
及川徹
及川徹
紬は一瞬眉を寄せた
そして笑う
野田紬
及川徹
野田紬
野田紬
及川の笑顔が消える
及川徹
野田紬
野田紬
保健室をちらっと見る
及川徹
その言葉を聞いた瞬間
及川は保健室に入ろうとした
けれど
野田紬
紬が1歩前に出る
壁に手をついて、及川の進路を塞いだ
野田紬
及川徹
野田紬
野田紬
紬は少し笑っている
けれど、目は笑っていない
野田紬
及川徹
及川が一瞬黙る
野田紬
紬は首を傾げる
野田紬
野田紬
野田紬
野田紬
1歩近づく
野田紬
及川の眉が少し動く
野田紬
そして
野田紬
野田紬
野田紬
及川徹
そのとき
先生
廊下の向こう側から
保健室の先生が歩いてきていた
先生
先生
先生
野田紬
紬はいつもの顔に戻っていた
野田紬
野田紬
先生
先生
野田紬
野田紬
先生
そういって先生と紬は保健室に入っていった
野田紬
野田紬
最後に1度だけ振り返る
野田紬
扉がしまった
廊下でひとり残された及川は
しばらくその場から動かなかった
及川徹
さっきまで笑っていた笑みが消えている
そして
及川徹
小さく呟いた
紬の言葉が、頭から離れなかった
━━俺は気持ち伝えてるんで
及川はしばらく保健室の扉を見つめた
放課後
部活が始まる前の教室には
及川と大我、久世の3人が残っていた
机に腰をかけた大我が
スマホをいじりながら口を開く
大我
大我
及川徹
及川が顔をあげる
大我
大我
及川徹
及川はあっさり答えた
及川徹
大我
大我が目を丸くする
久世もスマホから顔をあげた
久世夏都
及川徹
及川徹
大我
大我
大我
大我は納得したように頷いた
久世夏都
久世夏都
及川徹
及川徹
久世夏都
久世が小さく呟く
及川徹
及川が尋ねると
久世は面倒くさそうに溜息をついた
久世夏都
久世夏都
大我
大我が思わず吹き出した
大我
大我
大我
久世夏都
大我
大我
久世夏都
久世夏都
久世はスマホを机に置いた
久世夏都
久世夏都
大我
久世夏都
久世夏都
大我
大我は笑った
及川徹
及川が尋ねると、大我はスマホをしまった
大我
大我
及川徹
大我
大我
大我
大我
及川徹
大我
大我
久世夏都
大我
及川徹
大我
いつものような会話
いつものような3人
けれど
さっきから及川は上の空だった
頭の中には
昼間の出来事が何度も浮かぶ
保健室の前で紬に言われた言葉
━━俺は気持ち伝えてるんで
あのとき
自分がどんな顔をしていたか、分からない
ただ何も言い返せなかった
大我
大我の声で我に返る
及川徹
大我
大我
及川徹
久世夏都
及川は少しだけ考えてから
口を開いた
及川徹
及川徹
大我
及川徹
久世が2人を見比べる
そして
何かを察したように立ち上がる
久世夏都
及川徹
久世夏都
そう言って久世は鞄をかける
久世夏都
大我
大我が手を振る
教室の扉が閉まり
2人きりになった
大我
大我が椅子に座り直す
及川は1度窓の外を見た
及川徹
大我
及川徹
及川徹
及川徹
及川は声が小さくなった
大我
大我
及川徹
及川徹
言い切った
大我は何も言わなかった
及川は苦笑いを浮かべる
及川徹
及川徹
及川徹
大我
及川徹
及川徹
及川徹
女の子と遊ぶことも
誰かに好意を向けられることも
今まで特別なことでは無かった
それなのに
〇〇の事となると
どうにも勝手が違う
彼女が笑うと嬉しい
自分以外の男と仲良くしていると落ち着かない
そして
今日
紬が気持ちを伝えたと聞き
胸の奥が嫌な風にざわついた
及川徹
及川は隣の大我を見る
大我
大我
大我は静かに答えた
美晴に対する自分の気持ちを
長い間
どうにかしようとしてきた大我だからこそ
わかることもあるのかもしれない
及川徹
及川徹
及川はまっすぐ大我をみた
及川徹
及川徹
及川徹
少し言葉を探す
及川徹
及川徹
大我はしばらく黙っていた
及川もそれ以上何も言わなかった
やがて
大我
大我
及川徹
大我はぷはっと笑った
大我
大我
大我
及川徹
及川徹
大我
大我
大我は呆れたように笑う
大我
大我
大我
大我
及川徹
及川徹
大我
及川は苦笑した
大我
大我
及川徹
大我
大我
大我は少し笑った
大我
大我
大我
大我はいつもの調子で笑った
及川もつられて笑う
及川徹
及川徹
大我
大我
及川徹
いつの間にかいつもの空気に戻っている
けれど
及川の中では何かが変わっていた
今まで〇〇のことを好きなのかと聞かれても
曖昧に笑って誤魔化してきた
大我の妹だから
自分は卒業して、海外に行くから
理由はいくらでもあった
けれど、それらは結局
自分が踏み出さないための
言い訳だったのかもしれない
紬に先を越されたくないから
というのも一理ある
でもそれだけではない
〇〇が誰を選ぶかは〇〇自信が決めることだ
それでも
自分の気持ちくらいは
きちんと伝えたかった
及川徹
及川徹
大我
大我は立ち上がり
及川の肩を軽く叩いた
大我
及川徹
及川も立ち上がる
外では部活へ向かう生徒たちの声が聞こえていた
この日
ようやく及川徹は腹を括った