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自宅
大丈夫…
俺は強くない…
俺は…弱い…
弱い…
強くない…
…大丈夫。
俺は、自分にそう言い続けた。
俺は、弱いから。
強くなんてないから。
自分のランクを、Cと思い込め。
俺のランクはC。
Cだから…
…と、自分に言い続けていると…
ピーンポーン
家のチャイムがなった。
shaの母
???
宅配便…か…
なにが来るのかな…
そう思って、壁から少し顔を出して覗き込んでみると…
shaの母
幼い頃のsha
俺を見たお母さんはそう言った。
shaの父
お父さんも来た。
だけど、お父さんは青ざめた。
…なんで?
俺は仕方なく離れたけど、宅配便の人が一瞬こちらを視認していた。
???
男がそう言った途端、俺が隠れた方をじっと見てきた。
shaの母
shaの父
幼い頃のsha
そして、刃物を持った男は俺目がけて走ってきて…!!?
幼い頃のsha
俺の目には、信じられない光景が映っていた。
だって…
お父さんに、包丁が刺さってたから。
shaの母
お母さんは駆けつけた。
shaの母
???
???
shaの母
???
男はそう言って別の包丁を振り回した。
どうやら、男と両親がすれ違いざまにぶつかったらしく、それを謝りもしなかった両親に腹が立っているらしい。
…でも、この感じ、ぶつかったのはお母さんじゃないみたい。
だから、このくらいで怒る方が子供だと思うんだけど…
…この世界は、実力主義で、治安が悪い。
殺しなんて、この世界では日常茶飯事だ___
shaの母
幼い頃のsha
俺は家から飛び出した。
…だけど。
俺が最後に見たお母さんの姿は。
既に刺されてしまったお母さんだった。
幼い頃のsha
…やっぱり、そうなんだ。
ヒーローは、誰かを護ったとしても。
ヒーロー自身は…傷ついちゃうんだ…
お母さんも、お父さんも。
俺のヒーローだった。
だって、刺されちゃったもん。
刺されちゃったからヒーローであり、護ってくれたからヒーローだった。
…ヒーローは、怖い。
強いのは、怖い。
…でも、俺はお母さんとお父さんを護れなかった。
…それで、ヒーローがいる理由が少しわかった。
それは、"自分を犠牲にしてでも護りたいという気持ち"だ。
それを持っているのが、ヒーロー。
俺も、本当はお母さんとお父さんを護りたかった。
でも、俺にそんな覚悟なんてなかった。
…はぁ
もう今更、護りたい人なんて…いなくなっちゃったか…
…って。
思っていたんだ。