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すち
…ショッピングモールを少し出て 近くにあるイタリアンの店に寄った。
案外人は多くいて、 店員さんは多忙極まりなかった。
チャラリ、耳元でピアスの音が鳴る。
…すちはさっきも、 新しく何かを思い出した。
その時、俺は何故か 素直に喜べなかった。
理由…はよくわからない。
でも、それには明確になった 『すちへの想い』があった。
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多分、今のすちが好きだ。
昔のすちも好きだけど、 こうやって、 ずっと俺と一緒にいてくれる 今のすちが好きだからだ。
…ずっと一緒にいてくれればいい。
その想いの意味は、
“戻って欲しくない”だったことを 今気がついた。
初めの方は、すちが 思い出してくれること すごく嬉しかった。
でも、一緒にいると、 記憶がある時やってくれなかったこと ある時に、やらなかったこと。
彼氏っぽくなったり、 彼女っぽくなったり 子供っぽくなったり たまには大人になったり。
そんな君を前よりずっと 好きになっていた。
知らぬ間に今の君は 昔の君を超えていた。
…俺は君が好き。
今の君が、俺は好き。
すち
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透明な光
それは君を照らしていた。
灰色の影。
それは俺に纏っていた。
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すち
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ショッピングモールを出て、 すちがコンビニに行きたいと 言ったので俺らはそこに向かった。
飲食店での考えが、 また脳内をよぎる。
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ため息が出る、
露骨に顔に出てたかな。
すちは笑っていたけど …なんかやっぱ、心の中が 苦しかった。
すちとっての今の俺。
どう思われてるかわからない。
…もしも、…そんな思ってなかったら
俺はこいつの隣にいることを 望まれていないのか。
…好きな人のことも何もわからない。
思い出しても、欲しくない。
俺はこれから、 こいつとどうすればいいの?
さらりと、夏になりかけの風が 俺の頰を撫でた
曖昧な考えはまとまらず、
すち
すち
と、新作だ、と買ってきたグミを 手渡すすちの笑顔に
俺は、ありがとうとしか言えなかった
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すち
すち
コメント
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初コメ&フォロー失礼します! なんていうか…もう既に涙腺崩壊しそうでやばいです… 二人の人間らしい気持ちっていうか、感情の表し方うますぎです。 続き楽しみにしてます!
私みたいだな〜両片思いだけど話しづらいみたいな