テラーノベル
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※うりさん目線です
正直に言うと。
自分があんな顔をしていたなんて、 あいつに言われるまで気づいてなかった。
昼休み。
教室の少し離れたところで、あいつが他の男と話してた。
ただそれだけ。 勉強の話。笑ってただけ。
ーわかってる。
なのに。
シャーペンを持つ指に、変に力が入って、ノートの文字が歪んだ。
うり
自分に、そう思う。
見なきゃいいのに、視線が勝手にそっちに行く。
距離、近くねーか。
そんなふうに考えた瞬間、胸の奥がざわっとした。
理由は分からない。
分かりたくもなかった。
隣に戻ってきたとき、何も言わずにいられなかった。
うり
自分でも驚くくらい、低い声が出た。
あいつが
のあ
って言ったとき、ほっとしたのも事実。
でも同時に、
うり
って思った。
ムカついたのは、あいつじゃない。
自分だ。
放課後。
あいつが先に帰るって言ったとき、引き止めなかった。
いや、
引き止められなかった。
理由もなく、縛る権利なんて、ない。
…はずなのに。
校門の方へ向かう後ろ姿を見た瞬間、足が勝手に動いてた。
うり
声が出てから、
うり
って思った。
うり
あの言葉を口にしたとき、自分で自分に驚いた。
こんなこと、今まで思ったことない。
誰が誰と話してようが、正直どうでもよかった。
なのに。
あいつが笑ってるのを、 自分以外のやつが見てるのが妙に腹立たしかった。
うり
冗談みたいに言ったけど、たぶん、半分も冗談じゃない。
いや、たぶん、全部。
のあ
そう聞かれたとき、一瞬、言葉が詰まった。
ー困らせたいわけじゃない。
ー縛りたいわけでもない。
ただ。
うり
口に出して、やっと分かった。
あぁ、これ。
これが欲しかったんだ。
他の誰かじゃなくて、自分の隣で、 当たり前みたいに笑ってるあいつ。
それがなくなるのが、怖かった。
家に帰って、ベットに倒れ込む。
スマホを見ても、何も頭に入らない。
今日のあいつの声、 表情、 少し戸惑った目。
全部、思い出してしまう。
うり
これはもう、
隣の席だからとか、偶然とか、そういう話じゃない。
うり
声に出して、そう言った。
答えは返ってこないのに、胸の奥が妙に静かになる。
認めた瞬間、世界が少しだけ変わった。
明日、また隣の席で。
何も変わらない顔で、いつも通り話すんだろう。
ーでも。
もう、元には戻れない。
あいつが隣にいる理由を、俺は、ちゃんと
知ってしまったから。
コメント
2件
1話から見てたんですけど最高すぎます🤦🏻♀️💕 続き待ってます♪