橘アリス
じゃあね、ノーくん行ってくるね
ノーヴァン
行ってらっしゃい、アリス
橘アリス
またねー
ガチャんと音をたててドアが閉まった。
ノーヴァン
何かを忘れている……か。
自分がアリスにあったのはいつの事だっただろうか?
ノーヴァンは頭を働かせる
あれは……確か
10年前……
橘アリス
急がないと、友ちゃん待たせちゃうー
アリスはそう言いながら、道路を走っていた
そこにトラックが近づいてきて
橘アリス
……!!!
ノーヴァン
危ない!
自分はアリスを突き飛ばした
そうしたら、白い、しろい光が近ずいてきて……
数日後
橘アリス
あれ?君はこの前の?
ノーヴァン
はじめまして!僕はノーヴァン。よろしくね
橘アリス
うん!私は橘アリスだよ
アリスは自分の2つ年下だった
すごく可愛くて、明るいいい子だった
6年後
橘アリス
ねぇノーヴァン、あなたは一体何なの?
ノーヴァン
僕は僕だよ。それだけ
橘アリス
あなたは存在しているの?
ノーヴァン
うん。ここにいる。いきなりなんで?
橘アリス
友達に言われた。あなたは私の妄想で本当はいないんだって。
橘アリス
私、すごく悲しくて……
ノーヴァン
アリス……
ノーヴァンはアリスを抱きしめた
橘アリス
ノーヴァン?
ノーヴァン
大丈夫だよ。たとえ他の人にとって僕はいない存在でも、君にとってはいる、ならば僕は存在するんだ。
橘アリス
そう…良かった
ノーヴァン
他人の言うことなんて気にしないで君は君として生きていけばいい
橘アリス
そうだね。ありがとう、ノーヴァン
再び、現在
ノーヴァン
…………そういうことか
自分が人工生命体というものだと認識したのは、あの時だった。
ならその前までの自分はなんだったのだろうか
ノーヴァン
……?
ふと、ノーヴァンは窓の外に見える病院を見る
???
ノーくん、ゴメンね、あの時私がいたら……
誰かの声がした
ノーヴァン
あなたは誰ですか?
ノーヴァン
僕に関係のある人物ですか?
橘アリス
ただいまーノーくん!
ノーヴァン
あっ、おかえり。アリス
橘アリス
どうしたの?窓の外なんて見て
ノーヴァン
ううん、なんでもない
橘アリス
そっか、今日はプレゼント買ってきたよー
ノーヴァン
なになに?見せてくれるかい?
橘アリス
もちろんー
橘アリス
ノーヴァン
これって……
橘アリス
安いものだけど、ペアリング!
橘アリス
手、出して
ノーヴァン
うん…
アリスがノーヴァンにペアリングを渡そうとした。
だが、ペアリングはノーヴァンの手をすり抜け、床に落ちた
ノーヴァン
………………
橘アリス
やっぱり、無理か…
ノーヴァン
アリス、ゴメン
橘アリス
いいの。ノーくんのせいじゃないし(^^)
橘アリス
いつかこれをあなたにあげるから、楽しみにしててね
ノーヴァン
ありがとう
とある病室にて
青年
そ…………か
女性
……くんゴメンね。あの時私がいたら……
青年
あ……は……です…?
しばらくして
女性は青年の手が何かを受け取ろうとしているように見えた
女性
……くん!?
青年
あ……す