今日は高校の入学式
あの時、僕は死ねなかった
なんでも、マンションに植わっていた木に引っかかって奇跡的に助かったらしい
白井環
どうして…
僕は母さん父さんから引き離されて伯母さんの家へ行く事になった
はたから見れば息子を自さつに追い込んだ異常な父母だから仕方ない。
引っ越し先の雫ヶ丘は、海風の当たる静かで小さな町だ
通う事になったのは滑り止めで受けていた私立の底辺高校、雫ヶ丘学園
白井環
(とても、海が近いな…)
白井環
はぁ…
あの高校に落ちた時点で、僕の人生は終わったも同然だ
伯母さんは家で食堂をしているから僕が一人になれる所も無いし、
近くに高い建物も無い。
死に場所が無いから、死んでないのだ。
白井環
(入学式までまだ時間がある…)
白井環
(早く帰りたいなぁ…)
白井環
…眠、…
天使棗
…はよー…
白井環
…ん…?
天使棗
おはようッッ!!
白井環
っっうわ⁉
白井環
な、何?急に…
天使棗
あいさつ回りだよ!!
白井環
へ、へえ、そなんだ…
天使棗
ノリ悪いなぁ…まずは挨拶でしょ?
君同中じゃ無かったしさ〜!
君同中じゃ無かったしさ〜!
天使棗
てかさ君、廊下でずっと何してんの?
瞑想??
瞑想??
白井環
ん、まあそんなとこかな…
天使棗
え、それどんなとこ?
白井環
…海見てたんだよ
僕の前の家、海遠かったから
僕の前の家、海遠かったから
天使棗
なるほど〜…
確かに、綺麗な海だよねぇ
確かに、綺麗な海だよねぇ
白井環
…だろ
天使棗
あ、そういや君、名前は?
白井環
…白井 環(シライ タマキ)ですー
天使棗
…なんで2回言ったの?
白井環
便宜上!!仕方無いでしょ
天使棗
ん〜、まあ良いや
天使棗
僕は天使 棗(アマツカ ナツメ)だよ〜
てんしって書いて、あまつかって読むよー
てんしって書いて、あまつかって読むよー
白井環
……すごいな…
天使棗
ん、何が?
白井環
「あまつか」なんて、そんな名字実在するのか…
天使棗
…君の「たまき」も、結構変わってると思うんだけど
白井環
それを言うなら君の「なつめ」だって!!
キーンコーンカーンコーン…
天使棗
ほら、予鈴だよ
白井環
…






