嘔吐注意 少しグロいです
なかむ
しゃーくん
なかむ
この場所が汚すぎて噎せたこと以外、特に問題もなく目的地に着く。
ボロボロの木の扉、このなかにぶるーくさんがいるのか。 一体何日、下手したら何ヶ月こんな場所にいたんだろうか。
しゃーくん
なかむ
しゃーくん
死体なんて道中いくつかあった。そりゃ見て得することなんてないが わざわざどうして退かしたのか。
ちらりと右を見ると、目を見張った。
なかむ
しゃーくん
なかむ
しゃーくんは死体を見ないように手で目を覆い、背中をさする。 止まらない吐き気と目眩で床に手をついた。
食い散らかされたように死んでいた。 皮膚が爛れていたし、謎の体液は胃液か、一度飲み込まれたのだろう。 これを何がやったのだろうか、獅子ですら人間を丸呑みはしないだろう。
このオークション会場には、とんだ化け物がいるのかもしれない。
なかむ
しゃーくん
自力で立ち上がろうとすると、指先が冷たい液体に触れた気がする。 きっと先程の死体から流れ出たドス黒い血の池がじわじわと こちらまで広がってくるのが見えた。
再度床にぺたん、と座り込み、胸焼けが止まらず下を向く。 ポタポタ、と床にシミを作り、涙を流していることに気づいた。
しゃーくん
なかむ
しゃーくん
なかむ
こんな酷い死体は見たことない、しゃーくんは大丈夫なのか。 ぎぎ、と横で扉の開く音と、奥へ進む足音が いつしか消えると途端に静かになる。
静かなせいで、ふしゃふしゃと、血の吹き出る音が微かに聞こえ、
なかむ
再度吐いてしまった。
しゃーくん
びちゃびちゃ、と後ろの方から吐いた音が聞こえ、気持ちが焦っていく。 鼻につく、ツンとした鉄の嫌な臭い。nakamuを来させないで正解だった。
人より五感が優れている俺は、昔から血の匂いは大の苦手だ。 臭いし、この匂いがして良いことなんて起こる訳がない。
先程の死体は、お遊びだったかのようにゴロゴロと悲惨な死体。 言いようのない悪寒が背筋を走った。 少しすると、嗅いだことのある懐かしい匂いと、むしゃむしゃと何かを食べる嫌な音がする。
しゃーくん
なかむ
未だふしゃふしゃと血が吹き出している。 きっとこの死体は死んで間もないのだろう。
……死んで間もない……。 となると、まだこんな仕打ちをした怪物はまだ近くに、
なかむ
先程まで気づかなかったが、扉の方から濃い血の匂いを感じる。
なかむ
子鹿のようにガクガクと震える足で必死に立ち上がろうとする。
なかむ
しゃーくん
なんだ、これ。
何かを食べる音を辿ると、そこには 赤黒い獣と、腹を噛みちぎられている人がいた。
ぁ”、と今しがた息途絶えた人は、生きたまま食われた…のか…。 流石に俺でも気分が悪いな。
しゃーくん
ぐるぅ、と鳴きつつ、ゆっくり顔を向ける獣。言葉は通じるのか。 いや、ただ新しい餌を見つけただけかもしれない。
しゃーくん
唸りながら突っ走ってくる獣を身を翻し避けると、 思い切り急所の鼻をナイフの柄で殴る。
近くにきて確信したが、やはりぶるーくの匂いはこの獣からする。 どうしてそんな姿なのか知らないが、後で問い詰めればいいだけのこと。
しゃーくん
鼻血を出してはいるが、ダメージが入った感触はしなかった。 装甲が硬いな……、でも、ここで倒れたらnakamuが危ない。
ナイフを握り、震える手に力を入れた。
なかむ
全く役に立たない足を殴る。 流れる塩水は涙から汗に変わっていた。
親友の、あんな無残な姿、見たくない……。もう、見たくない…。
もう一度、もう一度…と、手の力だけで立ち上がろうとしていると、 遠くの方から走る音が聞こえてくる。
しゃーくん
なかむ
しゃーくん
なかむ
しゃーくん
堰が外れたようにドバッと涙が流れる。 しゃーくんに隠れて見えないが、左手で何かを引きずっている。 それに来てきたローブがないし…血が、所々に付いている。
しゃーくん
なかむ
しゃーくん
片手を広げ、無傷だと言ったふうに笑ってみせたしゃーくん。 もう片方の腕は血で濡れていた。返り血でなければ……。
なかむ
しゃーくん
深呼吸して一旦落ち着くと、疑問をそのままぶつけた。 長考ののち、引きずっていたものをどす、と前に置く。
しゃーくん
なかむ
僕らよりかなり背が高い、更に思った通りの顔の良さ……。 じゃなくて、…ぶるーくさんも傷が酷い。この状態で引きずって運ぶなんて ……まぁ、身長的に担ぐのは無理か。 今着ているローブはしゃーくんのものだろうか。
なかむ
しゃーくん
しゃーくん
なかむ
しゃーくん
なかむ
水魔法で傷口を洗うと、持っていたハンカチで圧迫止血する。
深い噛み跡、やっぱり怪物と戦ったんだ でもしゃーくんが生きてるってことは勝ったんだよね。 それにしても、しゃーくんは…多少魔力はあるけど普通の男の子な筈なのに、怪物と闘ったり、潜入したり只者じゃない気がする……。
なかむ
しゃーくん
なかむ
なかむ
なかむ
しゃーくん
なかむ
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