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"拓ちゃん、ありがとう"

学校の門まで来て伝えると、、

照れくさそうに、

"なんやねん、改まって"

と頭をかいた。

本当に感謝してる。

ありがとう。

"今日もお似合いやな〜"

"やっぱり付き合ってるんよな、あの二人。"

"鈴木さん狙ってたんやけどな〜"

なんていろんな話が飛び交う中、

私は精一杯の笑顔を拓ちゃんに向けて、

みなみ

じゃあ、

みなみ

伝えてくるね、

くるりと後ろを向いて、

こんにゃくくんが居る方へ進んだ。

この際、

みんなが居ようがどうでもいい。

今伝えないと…

きっとこれから、

お互い避け続けるから、

気まずいままになるから。

…ううん、

その前に、

逃げてきたこの気持ちにもう逃げたくない。

みなみ

…よし、

いける。

大丈夫。

…って、どきどきしすぎて心臓破裂しそう、

早さがえぐい…

吐きそう…

目の前に見えたこんにゃくくんの腕に絡みつく、

鈴木さんの姿。

ちらりと見えた鈴木さんの顔は、

幸せそうで、

好きな人に見せる顔その物。

私はあんな可愛い子に…

立ち向かえる勇気があるだろうか。

可愛さの欠けらも無いし、

なんなら女子っぽく無いし、

ゲームもしてるし、

話し方も全然、…

こんにゃく風雅くん

…、みなみ、

みなみ

っ、こんにゃく…くん、

やっぱり自覚した今、

…めっちゃカッコよく見える。

眼鏡してる姿も、

外してる姿も、

どきどきと胸が高鳴る。

やっぱり、

…やっぱり、こんにゃくくんの事、

好きなんだな。

こんにゃく風雅くん

どしたん?

鈴木まい

大西くん、

鈴木まい

いいよ、

鈴木まい

行こ?

こんにゃく風雅くん

いや、でも…

鈴木まい

いいから!!

鈴木まい

行こうよ!

鈴木まい

もっとお話した、っ

みなみ

っ…やだ、

鈴木まい

え、

鈴木まい

ちょ、

鈴木まい

何して…!!

みなみ

やだ…!

私に気付いて話しかけてくれたこんにゃくくん。

なのに私を睨みながらこんにゃくくんの手を自分の手と絡める鈴木さん。

それに嫉妬…して、

空いていたこんにゃくくんの腕を掴んで、

私の方に引き寄せた。

こんにゃく風雅くん

…みなみ?

みなみ

…好き、

こんにゃく風雅くん

っは……?

みなみ

ずっと前から好きでした!!

声、大きかったかな、

…ううん、そんなん関係ない、

もっと気持ち、伝えなきゃ、

自分の気持ちを確かめるように、

"大西くんが、好きなの、大好きなの、"

と声に出した。

こんにゃく風雅くん

ほん、ま?

みなみ

嘘、なんかつかない、

みなみ

…ずっと逃げてきたんだもん、

みなみ

自分の気持ちに。

みなみ

…でも、もう逃げない、

みなみ

逃げたくないの、

みなみ

大西くんが好き、

みなみ

好きなの、

最後にもう一度告白すると、

ふわりと好きな香りが広がった。

みなみ

へっ…な、

みなみ

え、…?

抱きしめられていると分かった瞬間、

頭の中が真っ白になった。

さっきよりもどきどきと心臓が加速して、

でも気持ち悪くない。

嬉しくて、暖かくて、

幸せ。

こんにゃくくんは、

"ほんま?ほんま?好きってほんまやんな?"

って何度も再確認してきて。

何度伝えれば気が済むの?

そんな言葉も思い浮かんだけど、

やっぱり、

"うん、好き。"

と、すぐかき消された。

こんにゃくくんは1つ、

"ふふっ"

と笑うと、

"なぁ、返事聞きたい?"

と、私の背中に回された手を解き、

顔がお互い見える距離に離れると、

私の1番大好きな、

ふにゃりとした笑顔で、

こんにゃく風雅くん

俺もやで

と私のおでこにそっとキスをした。

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