コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
「英智兄様、大好き」
何て、もう言えない
いや
言いたくない
中学卒業と同時に家を出てきた
理由は簡単だ
天祥院の敷居から離れたかった
ただそれだけ
素直じゃないってよく言われる
少しでも素直になったら心を開く事になる
人間は嫌いだ
関われば関わるほどその人間関係の呪縛が
体に絡みつく
気持ち悪い…ッ!!
本当は人間は嫌いじゃない
本当は関わりたいと思っている
けど体の中の"もう一人の自分"がそれを
拒否している
「それは駄目だ」
「お前なんかに出来ない」
「英智と違ってお前は 出来損ないだ」
うるさいッ!!黙れッ…!!
確かに英智兄様と違って出来損ないだ!!!
でも、勝手に人の体に纏って!束縛ばっかりしてる
お前なんかにッ!!!!
言われたくないッッ!!!
出来損ないはお前だ!
必死に努力して英智兄様と同じ小、中学校に通ってきた
でも英智兄様の方が格上!そんなの分かってる!!
でも!!
夢を持てた!
英智兄様の歌っている姿を見ていると、
アイドルになれたら…!!という夢を
でも、無理だった…
初めて"失敗"というものを知った
私立夢ノ咲学院の受験に落ちたんだ
怖くなってしまった
英智兄様と同じ学校に通って同じ成績を残しても
英智兄様になれるとは限らなかった
東京から宮城に行って
青葉城西高校に入った
そこでは何の希望も夢も無く
ただ卒業出来たら良いという事だった
あいつらに出会った
青葉城西のバレー部だ
アイツらといると自然と笑えてきた
空っぽだった自分の体に一つ一つ暖かいものが
出来ていた
自分達の笑い声が今までで聴いたどのアンサンブル よりも、心地の良い音色だった
これからなら言える
俺は自分は人間が大好きだ…!
月夜 波留
月夜 波留
月夜 波留
月夜 波留
月夜 波留
月夜 波留
月夜 波留
月夜 波留
月夜 波留
月夜 波留