溝口先生
たっつん
溝口先生
溝口先生
もふくん
溝口先生
たっつん
溝口先生
たっつん
たっつん
溝口先生
もふくん
暑い血液が一気に冷え上がった、もふくんと目を合わせ緊張感を受け取り合う
たっつん
第6話 「 信じて 」
のあ
えとさん
のあ
うり
うり
うり
えとさん
"うりにはなんもわかんないでしょ"
聞き覚えのある言葉に息を詰まらせた
その言葉に足を急がせる
えとさん
うり
後ろから聞こえる声を無視して足を動かした
力が込められた手を緩め、目の前の扉に手を伸ばす
じゃぱぱ
一体どれほどこの時間を過ごしただろうか
真っ暗でなんの音もしなくて、声が出ない
冷や汗が手に集まって冷えた手をさらに冷たく感じさせる
何かあった訳でもないのに熱い目尻
比べて暗い色の天井と見つめ合う
吐き気を我慢するのが限界で、汗を脱ぐうように布団に手をついて立ち上がる
少し痛い足首に我慢させた
じゃぱぱ
窓を開けた瞬間鼻にツンと夏の匂いが刺さり込む
両耳を通りすぎ病室に走り込む風
目の前に広がる見覚えのある海に口を大きく開けた
目の前にあったはずのビルは姿形も残っていない
明るく照らされた病室を駆け抜け、いつの間にか走り出していた
じゃぱぱ
乾ききった喉と対照的に水玉のような瞳を何度も擦った
目の前にあるのは先程見たものとは到底思えない濁った海
息を吸い続けたくても吸いたくないほどの嫌な匂いが、さっきよりもより強く鼻を突き刺した
じゃぱぱ
思い浮かべたメンバーの後ろ姿を写真のように貼り付けた頭の中
背中に向かって走り出す
じゃぱぱ
メンバーの背中は、追いついた頃には濁った海に染み込んで、ボロボロになっていて
散々無視していた花は全部萎れて薄汚い色に変色していた
じゃぱぱ
海に足を漬け込む、生ぬるい感覚が足に張り付いて、今すぐ拭いてしまいたかった
浅瀬に座り込んだ
水面に映る自分が鬱陶しくて両腕で顔を切り取った
腕からこぼれる塩水が赤く染まって、鉄のような匂いが広がった
匂いに押され鼻を摘もうとした瞬間、右腕に強烈な痛みを感じた
じゃぱぱ
李咲 叶(りさき かな)
濁った青さが消えて切り替わった画面では、腕の激痛はただの違和感に変わっていて、歯を食いしばるうりが李咲のくでを掴んでいた
じゃぱぱ
違和感に腕を押さえつけた手には赤黒い血が絵の具のように広がっていた
うり
ハッとした顔で声を張るうりは、李咲など見もせず俺の顔を見つめた
えとさん
李咲 叶(りさき かな)
うり
うり
うりは冷たい声を出した口を噛み締めると、目を細めて李咲を見つめた
うり
李咲 叶(りさき かな)
うり
うり
うり
うり
李咲 叶(りさき かな)
李咲 叶(りさき かな)
人の愛し方が分からない
小さな頃から両親に本当によく愛されていたと思う
小学校3年生頃はみんなの両親と違って愛が重すぎることに少し不安を感じていた
授業参観も運動会も、全部のイベントに来ていた
友達もいて、両親に愛されて本当に幸せだった
でも、仲の良かった3人の中の1人が私を避けるようになった
その次の日からその子以外の2人、えとちゃんとのあちゃんに相談した
毎日避けられて辛い、死にたい
そう言った
実際死にたいとは思ってない、毎日避けられていた訳では無い
ただ、今まで愛してくれていた人が愛してくれなくなると思うと怖くて、焦って
離れて欲しくなかった
それから少しでも避けられたら2人に相談するようになって
いつしか、虐められているとか話を偽るようになった
でも仕方ない、私は悪くない
だってあっちが避けてきたのが悪いから
その上でじゃぱぱ君は本当に邪魔だった
中学生になって、小学生の時と同じことを繰り返していたらいじめを受けるようになって
それを庇ったえとちゃんとのあちゃんが標的にされた
私は無視した
あの2人はそういうことされても私のことを好きでいくれるから
それより他の子が優先って考えてた
そしたら虐められてるのをたまたま見かけたじゃぱぱ君が2人を助けた
すごく後悔した
あの時無視しなければあの2人はじゃぱぱくんに出会っていなかった
それからなんだかあの3人は仲良くなって
2人は私とも仲良くしてくれていたけど
それじゃ足りなかった
私だけにしてよって毎日歯を食いしばった
だから転校した
そしたら心配してくれると思ったから
勿論心配してくれたけど長くは続かなかった
だから次の愛を求めてうり君に告白をした
毎日話しかけてデートもした、なのに1週間くらい経ったあたりで振られた
だから次の日噂を流した
本当に人ってすぐ信じるなって、それしか思わなかった
うりくんのことを可哀想なんて思わない
だってあっちが悪いから
高校生になってからまた好きな人ができた
ゆあんくん、本当に明るくて、次に私を愛してくれるのはこの人だ、!つて
でも、またじゃぱぱ君が邪魔した
毎日じゃぱぱ君を映す瞳を見つめ続けたけど
じゃぱば君がいたらどう頑張っても無理だって初めて諦めた
簡単な話、いつもみたいにゆあんくんにじゃぱぱ君を嫌いにさせればいい
だから動画を流出したけどダメだった
じゃあ次の手は、
存在を消すしかない
仕方ないよ
愛が重すぎる人からは愛が重すぎる人ができる
虐待をした人からは虐待をする人がかできる
そういう遺伝子がまた新しい人間を作った
私は何も悪くない
...正しい愛し方、
あれ、なんだろう、
これが多分人生で初めて疑問に思ったこと
李咲 叶(りさき かな)
うり
責められるのが嫌だったんだと思う
いつの間にか病室から飛び出してた
たっつん
もふくん
たっつん
李咲 叶(りさき かな)
たっつんと二言話し終えたあと、前から見た事のある女性が走ってきた
女性が通り過ぎたあたりでハッとした、彼女がいたのは1225室、つまり彼女は李咲叶
もふくん
たっつん
俺はたっつんの腕を縄のように手で掴み、長い廊下を走り出した
じゃぱぱ
うり
李咲の姿が消えた途端、体から緊張感が抜け、力が入らなくなった
もふくん
うり
もふくん
ヒロくん
ヒロくん
三者面談に待たされて、何十分も暇な時間を過ごしていた
ヒロくん
突然倒れて病院に運ばれたと聞いている
それしか知らされていないからこそ不安が膨らんだ
同じ学校だったら、なんて考えたりするけど
考えれば考えるほど、自分がじゃぱぱのことを何も分かってないって自覚する
自分の不甲斐なさに呆れて、意味もなく両手を絡め合わせる
時間を急かしてもう終わりにしたいけど、時間は急かしを効かない
じゃぱぱ
ヒロくん
ヒロくん
じゃぱぱ
ヒロくん
ジリジリと音を立てる気温に、汗を晒した少年は、ひたすらに俺に話しかけた
じゃぱぱ
ヒロくん
それから俺は教室に足を踏み入れるようになった
言葉に特に意味は無いと彼は言った
すこし他人ばかりを考えすぎていたのかもしれない
ヒロくん
なおきり
なおきり
ヒロくん
なおきり
ヒロくん
気まずい空気が寒さを無くすほど耳を暑くする
どちらかと言うと、自分で気まずい空気を作っているようなものだ
ヒロくん
なおきり
ヒロくん
じゃぱぱ
ヒロくん
なおきり
じゃぱぱ
ヒロくん
ヒロくん
じゃぱぱ
ヒロくん
なおきり
ヒロくん
なおきり
なおきり
じゃぱぱ
なおきり
本当はじゃぱぱさんがやったなんて思ってない
ましてや昔から一緒にいるんだ、そんなこと、
1回は疑った、だからこそ後々いきなり味方するのが、何となく恥ずかしかった
大人の俺が、あの中で唯一大人の俺が味方しないで何になるんだ
ずっと気持ちが悪かった
喉にポカンと穴が空いた感覚で、そこからホコリが入り込んでいるようで
じゃぱぱ
なおきり
なおきり
じゃぱぱ
なおきり
じゃぱぱ
なおきり
うんと頷くだけで、それ以外の反応を見せないじゃぱぱに戸惑いながらも、とにかく謝れたことにほっとしてその場を立ち去った
なおきり(14)
じゃぱぱ(8)
じめじめした地面に膝を着いて顔を見合せた
じゃぱぱさんと会ったのは、何年も前の雨の日だった
なおきり(14)
じゃぱぱ(8)
じゃぱぱ(8)
なおきり(14)
特になにか思ったわけじゃない、ただ、自分の面影を感じて、いつの間にか手が伸びていた
ただ、その小さな体をとにかく抱きしめてあげたくて仕方がなかった
見える限りの肌は傷だらけで、表情は全く変えない
なおきり(14)
なおきり(14)
なおきり(14)
じゃぱぱ(8)
俺も寂しかったのかもしれない
中学生にして親に一人暮らしを強要された
親の許可があれば一人暮らしできる、そんな社会どうかしている、なんて不満今じゃない
そのせいで孤独になって、そのお陰でみんなと出会えたから
深く深呼吸して、ゆっくり目を閉じる
暗い視界で少年を探し強く抱き締めた
あれだけの治った傷を、また付けるような真似をしたことをただただ後悔してる
恥ずかしいなんて、そんなこと考えたのがそもそもおかしかった
俺がじゃぱぱさんを最初から信じてれば、
そうしてたらきっと、あの傷も無かったかもしれない
ゆあん
じゃぱぱ
眠れなくてそわそわしていたら、突然部屋に入ってきたゆあんくんがうろちょろし出した
じゃぱぱ
どれ程時間が経ったか、5分位はこうしている気がする
ゆあん
じゃぱぱ
ゆあん
じゃぱぱ
じゃぱぱ
ゆあん
ゆあん
じゃぱぱ
じゃぱぱ
ゆあん
ゆあん
じゃぱぱ
それから長い間が続いた
眠気に耐えながら次の言葉を待ち続けたが一向に続きはこないまま
ゆあん
ゆあん
ゆあん
ゆあん
じゃぱぱ
ゆあん
ゆあん
ゆあん
あぁもう見飽きた
見ていれば悪化するだけの海を眺めるのは苦痛でしかない
枯れた花に濁った海
俺が歩く場所だけ綺麗に咲く花
なんで、なんでみんなは、
俺はずっと信じてたのに
何度見た景色だろう
メンバー全員であの海を歩くんや
全員笑顔で、ほんま綺麗な海やと毎度感心する
でもじゃぱぱだけ違う
顔暗くて、じゃぱぱが歩いてく場所だけ花が枯れてて砂も汚い
なぁじゃぱぱ
俺ら全員お前のこと信じてる
お前も信じてくれや
たっつん
たっつん
なおきり
なおきり
なおきり
なおきり
なおきり
しゃがみこんでいた痺れた足を広げて、空を見上げる
輝く星を異様に掴みたくなった
無いはずのスピカを目で探す、あの時のように、星は光り続ける、探すのに困難はしないだろう
なおきり
まるでメンバーに話しかけるように、独り言をスバルに吐き出した
なおきり
なおきり
なおきり
たっつん
たっつん
じゃぱぱ
たっつん
寝れなくていつの間にか病院に足を運んでいた、自分でも疑問が浮かぶほどの行動だった
たっつん
たっつん
じゃぱぱ
起きている時よりも顔が柔らかい気がした
起きていると緊張して顔がツッパるのだろう、緊張する理由は何となくわかる
なんかいつもみたいに笑ってくれんのがちょっと嫌
何年も何年も見てきた笑顔が消えた、どうにも心が寂しくなる
たっつん
続き ♡2000
コメント
8件
いやもう神作過ぎますって!!!叶ちゃん(?)の狂気がものすごく刺さります!!
続きが早く見たい
続き見たすぎて2000にしてしまったよぉ…まあいいや!それぞ!の視点でじゃぱぱへの想いとか言いたいこととかがあって、今回は特に感動しました🥹