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ふり返っちゃダメ...

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ふり返っちゃダメ...

第1話 - ふり返っちゃダメ...

35

2022年05月21日

#ホラー

マッシュ(メンヘラ化)

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35

マッシュ(メンヘラ化)

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なっち

夕方にこの近道を使うと、後ろからなにかがついてくる…。そこでふり返っちゃうと、怖い目にあう。アハハ。こんなウワサ、ウソだよね

自分

通学路から道一本はずれた場所にある路地は、学校への近道でした。不思議なウワサがありましたが、わたしとなっちは気にせず使っていました。

ミサ

絶対、ウソウソ。それにふり返っちゃダメなら、後ろ見なきゃいいだけじゃん

自分

━━でもある日、わたしはふり返ってしまったんです。

自分

いつもとなにも変わらない、なっちといっしょの帰り道

自分

でも、なんだか後ろからずっと、誰がかがついてきている気がして。

ミサ

ねぇ、なっち。後ろから誰かついてくる気がしない？

なっち

ちょっと〜。ミサ、あのウワサ話？くだらないからやめてよね〜

ミサ

でも…なんだか後ろが気になって

なっち

ミサ、ふり返っちゃダメだよ。アハハ

自分

後ろについてくる気配は、どんどん強くなりました。そしていつの間にか、わたしたちのすぐ後ろを、ぴったりとくっついて歩いているのです。

自分

でも、なっちはまったくなにも感じていないようでした。

自分

わたしは怖くて怖くて仕方がありません。でも、怖いという気持ち以上に、後ろになにがあるのか、確かめたくなってしまったのです。

ミサ

(ふり返っちゃダメ...｡でも、見たい。ダメ...｡でも見たい)

自分

ついにわたしはガマンできなくなり、ゆっくりと後ろをふり向きました。

？？？

......ふり返っちゃったね

自分

ふり返ってみても、わたしたちの後ろには誰もいませんでした。

ミサ

うん。でも、大丈夫だったよ

なっち

ん？なに？ミサ、なにが大丈夫だって？

ミサ

え？だってさっき、ふり返っちゃったねって

なっち

わたしそんなこと言ってないよ

ミサ

(...え？でも確かに聞こえたのに...)

自分

どんな怖いことが起きてしまうのかびくびくしていましたが、その後もとくになにもなく、わたしはあの帰り道のことを忘れかけていました。しかし1週間を過ぎた頃から、不思議なことが起こりだしたのです。

自分

空中に浮かぶ、ぐるぐるしたうずまき。まるで時空のねじれみたいでした。最初は遠くの空や建物のあたりにあらわれ、目の錯覚だと思っていました。

自分

けれど、それはだんだんと近づいてきていたのです。

ミサ

ねえなっち、あれ見える？校庭のすみのうずまき

なっち

なに、うずまきって？イチョウの木は見えるけど

自分

正体を確かめようとしても、わたしがじっと見つめると、うずまきはぐにゃりと曲がって、どこかへと消えてしまうのです。

ミサ

(なんなの、これ...｡気持ち悪い...)

自分

うずまきはより近くに、そしてひんぱんにあらわれるようになりました。

ぐるぐるぐる...ぐるぐるぐる...ぐるぐるるるるるるるぐるぐるるる...

ミサ

(い...今、猫が吸い込まれたよね...｡わたし、どうなっちゃうの？)

自分

わたしはうずまきのことを誰にも相談できずにいました。だって、こんなことを話しても信じてくれる人なんていないでしょうから...｡

なっち

ねぇ、ミサ。最近元気ないよ。どうしたの？

ミサ

う...うん

女子A

そうだよ、ミサちゃん、元気ないから心配

なっち

ミサ、なにかあれば相談してよ

自分

わたしは思いきって、うずまきのことを相談してみることにしました。

ミサ

あのね...｡わたし変なうずまきが見えるの

クラスの人

え？うずまき？どんなふうに？

ミサ

空やものがぐるぐるって、うずまきみたいに見えるの。そのうち、吸いこまれちゃいそうな気がして...

自分

みんなは黙ったままでした。

ミサ

(そうだよね。変な子だって思うよね...)

ミサ

みんな、ごめんね。変なこと言って。ウソだから…

なっち

ミサ、大丈夫。わかるよ。ねぇ、うずまきって、こんなふうに見えるんでしょ？

自分

みんなの顔がねじれ、うずをまき始めたのです。

ぐるる...ぐるぐるぐる...ぐるぐるぐる...ぐるぐるぐるぐるるるるるるる

クラスの人

ツギハ...アナタノ...バンヨサァ...スイコンデ...アゲル