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一方その頃

すまない先生とミスター赤ちゃんはマネーが居るとされるビルへと向かっていた

すまない先生

いやぁ……デカいね、ビル

ミスター赤ちゃん

俺も…初めて間近で見ましたよ…

すまない先生

こんなデカいビルを攻略するのかぁ……

すまない先生

気が遠くなるよ…

ミスター赤ちゃん

俺も…もう帰りてぇ

すまない先生

でも……此処にはマネーが居るんだろ?

ミスター赤ちゃん

ああ、そうだぜ

ミスター赤ちゃん

多分

「多分」と発言している時点で既に行末が怪しい

ミスター赤ちゃん

このビルの頂上とかに居るんじゃねぇか?

すまない先生

まぁ…マネーはラスボスみたいな感じだから…

すまない先生

多分、1番上にいるよね

この男の発言、いい加減な予想すぎる

ミスター赤ちゃん

なんか……タワーを攻略するみてぇでワクワクするぜ!

すまない先生

そうだな!何だか僕もワクワクして来たよ!

この2人、ヤバい状況にも関わらずニコニコ笑顔である

街が雹華に蝕まれているというのを忘れたのだろうか

すまない先生

さ!ビルに侵入しよっか!!

ミスター赤ちゃん

そうですね!

ミスター赤ちゃん

……………

沈黙が走る

ミスター赤ちゃん

でも、何処から侵入するんすか?

すまない先生

え?

ビルの外面に目を向けてみる

真四角でガラス張りのビルには、誰でも出入りできそうな扉は一つも無かった

流石に穴を空けて侵入する訳には行かな………

すまない先生

すまなーーーーい!!!

パリィィィィィィィィィィィン

ビルの壁に穴が空けられる

ミスター赤ちゃん

何やってんすかぁぁぁぁぁぁぁ!?

すまない先生

いやぁ、すまない☆

すまない先生

入り口探すのがめんどくさくてね

本当にこの教師、大丈夫なのだろうか

すまない先生

侵入完了っと!!

先程空けた穴からビル内部に侵入する事に成功した

ミスター赤ちゃん

穴の1つや2つ空けたところで問題はないよな⤴︎

すまない先生

そうだよ〜、1つくらいバレないって!

バレない訳が無いだろう

すまない先生

さてと……まずは何処から探索を始める?

ミスター赤ちゃん

うーん

ミスター赤ちゃん

頭使うのめんどくさいし…

ミスター赤ちゃん

テキトーで良くね?

すまない先生

確かに、テキトーに探すか!

この2人、先が思いやられる

すまない先生

取り敢えず、色んな部屋を周ってみるか

ミスター赤ちゃん

そうですね!どんどん進んじゃいましょう!

そう言って2人はビルの探索を始めたのであった

1F

このフロアには人気があまり無く、戦いをする心配は無かった

ミスター赤ちゃん

うわ…何もねぇな…

すまない先生

確かに…何も無いね…

ミスター赤ちゃん

ゴミが入った段ボールしかねぇじゃん…

すまない先生

余計マネーっぽく無いね……

すまない先生

マネーだったらこう…もっとキラキラした建物作りそうだし…

ミスター赤ちゃん

でも、人があんまり居ない事だけは助かったな

すまない先生

確かにね

すまない先生

此処に居てもしょうがないし、一回廊下に出ないか?

ミスター赤ちゃん

そうだな⤴︎廊下に出ようぜ!

暗闇の廊下に2つの足音が響く

すまない先生

暗いね……

ミスター赤ちゃん

余計マネーらしくないというか……

ミスター赤ちゃん

マジで電気くらいつけとけよ…

すまない先生

電気って生活の中で大事な物だからね………

暗闇の中を目を凝らしながら進む

すまない先生

なんか探索するの疲れるなぁ……

すまない先生

こんなに大変だとは思わなかった……

ミスター赤ちゃん

俺も……こんな事になるとは思ってなかったぜ…

行く当てもなく廊下を歩き続ける

すまない先生

なんか…部屋の1つや2つあれば良いのに……

すまない先生

って……何だ…?

すまない先生が目を向けた先に、光の漏れ出る扉が見える

すまない先生

あれって……部屋じゃ無いか?

ミスター赤ちゃん

ほ…本当だ…

すまない先生

試しに行ってみようよ!

ミスター赤ちゃん

そうっすね!

すまない先生が扉を指差しながら走り出す

それに続いてミスター赤ちゃんも走り出した

ガチャッ

勢いよく扉を開け放つ

すまない先生

こんにちは〜!

すまない先生が目を向けた先には1人の少年が座っていた

ミスター赤ちゃん

!?

ミスター赤ちゃん

ちょっ…先生!

ミスター赤ちゃん

人が居ますよ!?

すまない先生

え?うん、知ってるよ!

ミスター赤ちゃん

ヤバいですって!?逃げないと!?

ミスター赤ちゃん

敵かもしれないんですよ!?

すまない先生

まあ…大丈夫でしょ!

ミスター赤ちゃん

何言ってるんですか!?

部屋にいる少年は画面に向かってコントローラーをカチャカチャと動かしている

???

君たち…誰?

すまない先生

僕はすまない先生だ!!!

???

ふぅん

少年は画面に目を向けながら一言二言呟いている

ミスター赤ちゃん

ちょっ!?何名乗ってるんですか!?

すまない先生

え?自己紹介だよ!

ミスター赤ちゃん

この状況で!?

ミスター赤ちゃん

此処敵のアジトですよ!?こいつ敵かもしれないんですよ!?

すまない先生

大丈夫でしょ☆

ミスター赤ちゃん

何が!?

ミスター赤ちゃん

てか…不用心に部屋に入るのがまずおかしいんですよ!?

すまない先生

君も乗り気だったじゃ無いか

ミスター赤ちゃん

う………

ミスター赤ちゃん

まず、入ってしまったものは仕方ないですけど…

ミスター赤ちゃん

とにかく…逃げましょうよ!?

赤ちゃんは珍しく危機感を持っており、真面目だった

いや、この先生の前なら真面目にならざるを得ない

ミスター赤ちゃん

とにかくこの部屋から逃げましょうよ!お願いですって!

すまない先生

僕は此処にいる少年が名乗るまで行かないぞ!

ミスター赤ちゃん

何の意地だよ!?

すまない先生

ねぇ、君の名前は?

???

今ゲーム中だから話しかけないで

すまない先生

ちぇっ…何だよぉー

ミスター赤ちゃん

先生!こいつ俺らが敵だって気づいて無いんですよ!?

ミスター赤ちゃん

逃げましょうよ!

すまない先生

やだ!名前を聞くまで部屋から出ない!

ミスター赤ちゃん

子供かよ!?

ミスター赤ちゃん

あぁぁぁぁぁぁぁ、早く逃げましょうって!

???

ちょっと静かにしてよ…!

少年がコントローラーをテーブルに叩きつける

???

さっきから何?

???

急に部屋に入って来て言い争い始めてさぁ…

???

君たちのせいでゲーム負けたんだけど?

???

ランクポイントも下がったし……

すまない先生

す…すまない

???

僕になんの用?

すまない先生

え…えっと

すまない先生

僕たち…このビルの頂上に用があって……

???

頂上?

???

つまり…お客さんって事?

すまない先生

まぁ…そんなところかな

???

そっか、お客さんなのに大声出してごめんね

少年は初めて此方を振り向く

少年は目に掛かるほどの髪の毛の長さをしており、メガネを掛けていた

髪の毛の隙間から見える瞳は真紅の色に染まっていた

???

じゃあ…僕に案内をして欲しいって事?

すまない先生

ああ!そういう事だ!

ミスター赤ちゃん

(先生は俺たちが敵だって気づいてないこいつに道案内をさせる予定だったって事か……)

ミスター赤ちゃん

(だからあんなに逃げようとしなかったのか?)

???

良いよ、暇だったし

???

道案内してあげる

すまない先生

マジで!?ありがとう!!

???

こっちに着いて来て

少年はそう言って立ち上がる

すまない先生

じゃ!道案内お願いします!

そう言ってすまない先生も立ち上がる

ミスター赤ちゃん

ま、結果オーライだな

赤ちゃんは安堵の息を吐き、2人に続いて歩き出した

すまない先生一行は、暗闇の廊下を再び歩き出していた

その最中、少年についての話をしていた

すまない先生

なぁ、君の名前は何て言うんだい?

???

え…僕の名前…?

???

うーん………

???

あんまり…名乗りたくないな

すまない先生

そうなのか?

すまない先生

無理には聞かないが…何故なんだ?

???

うーん…なんだか…

???

今の僕には合ってない感じがして…

すまない先生

うーん……

すまない先生

じゃあ、何て呼べば良いか?

???

…何でも良いよ

ミスター赤ちゃん

じゃ、メガネ掛けてるし…

ミスター赤ちゃん

「メガネ」で良くないか?

すまない先生

確かに!君の事は「メガネ」って呼ぶ事にするよ!

???

え…あ……

メガネ

よろしくね

そう言って再び3人は歩き出す

ミスター赤ちゃん

なぁメガネ

ミスター赤ちゃん

何でお前はあんな部屋でゲームしてたんだ?

ミスター赤ちゃん

上からの指示とかはされないのか?

メガネ

うーん、僕はあんまり無いかな

メガネ

結構自由というか……

メガネ

暇だからゲームしてるんだよね

ミスター赤ちゃん

そうなんだな⤴︎

すまない先生

(あんなに他の手下たちは僕たちを追っているのに…)

すまない先生

(この子は何か違うのか?)

メガネ

そもそも…戦ったりするのそんな得意じゃないし……

ミスター赤ちゃん

どんくらい弱いんだ?

メガネ

う…うーん……

メガネ

世界で1番…弱いくらい

ミスター赤ちゃん

世界で1番か…………ブフォッww

すまない先生

ちょっ…ミスター赤ちゃん!笑うな!

ミスター赤ちゃん

あー、すまんすまんw

ミスター赤ちゃん

じゃあ…ミスターマネーと良い勝負できるかもなw

メガネ

ミスター……マネー………

すまない先生

まず強さの話はいいから…先に進もう!

メガネ

うん…そうだね

すまない先生

じゃあ、上の階に行く階段とかは何処にあるんだ?

メガネ

えっとね……

メガネ

もう少し進んだ先にあるよ

すまない先生

本当か!?

すまない先生

じゃあ、後少しだな!

メガネ

うん…!役に立ったなら良かった

メガネは服の袖を口に近づけて少し微笑む

ミスター赤ちゃん

それにしてもよ、メガネ

ミスター赤ちゃん

お前、そんなダボダボのパーカー着てて暑くないのか?

ミスター赤ちゃん

しかもご丁寧に萌え袖してるしよ

メガネ

あ…これ?

メガネ

動きやすいから来てるんだよね…

メガネ

前まで着てた服が…すごい暑かったから…変えた

ミスター赤ちゃん

そうなのか?

ミスター赤ちゃん

パーカーより暑い服って…何着てたんだよ……

メガネ

なんか…重い服

ミスター赤ちゃん

随分と大雑把な説明だな

すまない先生

2人とも!あれ見えるか?

すまない先生が少し先の階段を指差す

ミスター赤ちゃん

お!階段じゃねぇか!!

メガネ

道案内が合ってて良かった…

ミスター赤ちゃん

これで間違ってたらお前の事ぶっ飛ばしてるところだったぜ!

メガネ

ひ…ひぇぇ

ミスター赤ちゃん

嘘だって!冗談冗談!

赤ちゃんがニカっと笑いながらメガネの背中を叩く

すまない先生

なんか…君ならやりかねない冗談だね

ミスター赤ちゃん

え…俺の事なんだと思ってたんですか?

すまない先生

冗談だよ〜!

ミスター赤ちゃん

冗…談……なのか……?

メガネ

ふ…ふふっ!

メガネ

何だか君たち面白いね

メガネが再び袖を口に近づけながら笑う

ミスター赤ちゃん

そうか?楽しいなら良かったぜ!

メガネ

こんなに楽しかったの久しぶりだな…

メガネ

雹華様に拾ってもらった時以来だよ…

ミスター赤ちゃん

拾ってもらった?

メガネ

うん…僕雹華様に拾われたんだよね…

ミスター赤ちゃん

そうなのか?

すまない先生

(ん……?)

すまない先生

(この子も雹華に拾われた……?)

すまない先生

(記憶を奪われた人達は口を揃えて「雹華に拾われた」と言う)

すまない先生

(まさか…この子も記憶を奪われてるのか?)

すまない先生

(そもそも…雹華は何故「雹華が拾ってくれて、育ててくれた」という記憶を植え付けるんだ?)

すまない先生

(まぁ…このアジトにいる時点で雹華の手下である事は確定しているんだけど……)

すまない先生

(この子は雹華から特別な待遇を受けている様だけど……)

すまない先生

(何故…なんだ…?)

すまない先生の頭には幾つかの疑問が生じる

だが、少年が好意で道案内をしているならばその様な事を問うことはできない

メガネ

じゃあ、階段登ろうか

少年が一足早く階段に足を掛ける

ミスター赤ちゃん

じゃ!俺も行くぜ〜!

それを追い越す形でミスター赤ちゃんも階段を駆け上がる

すまない先生

じゃあ…僕も続くとするか

それに続いて先生も階段へと一歩足を踏み出した

忘れてしまったとしても

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