テラーノベル
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渡辺翔太は、夕焼けの空があまり好きじゃない。 なんとなく、今日が終わっていく感じがして落ち着かないからだ。
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帰り道、隣を歩きながら小さくつぶやく。 でも返ってきたのは、いつも通りの短い返事だった。
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その声が、少しだけ冷たく聞こえたのは気のせいだろうか。 翔太はポケットに手を入れながら、前を向いたまま続ける。
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言いかけて、やめた。 ――気のせいだと思いたかった。 辰哉は昔から、どんな話でもちゃんと聞いてくれる。 からかっても怒らないし、むしろ笑って返す。 だから安心していた。ずっと。 なのに今日だけは、どこか違った。
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軽く笑ってみせる。 すると辰哉も小さく笑った気がした。 それだけでいいはずだった。 それだけで、いつも通りでいられるはずだった。 でも最近、変なことが増えた。 辰哉が、少しだけ自分を見ない時がある。 話しているのに、どこか遠くを見ている時がある。 それが、なんとなく気になって仕方ない。
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振り向いた横顔は、いつも通りのはずなのに。
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一瞬、空気が止まった気がした。 辰哉の目が揺れる。
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即答だった。 でも、その速さが逆に引っかかる。 翔太はそれ以上聞けなかった。 ――もし本当に隠してるものがあるなら。 それを知るのが怖かった。 帰り道の別れ際、翔太は何気なく言った。
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いつも通りのやり取り。 なのに、背中を向けたあと少しだけ思う。 ――辰哉といる時間が、前より短く感じるのはなんでだろう。 その理由を、翔太はまだ知らない。 そして知るのが怖いとも、まだ気づいていなかった。
コメント
1件
うわあああ…この空気感たまらん😭💕 「知るのが怖い」って気持ち、めっちゃわかるよ… お互いなんか隠してる感じがもう、読んでてこっちが切なくなる。 しかも夕焼けが嫌いっていう冒頭、そこからもう既にエモすぎる…! ふっかが「なにも」って即答したところ、絶対なんかあるじゃん!?って胸がぎゅっとなったよ… 次が気になりすぎて夜しか寝れないんだけど😇💦 #さんわ #もっと読みたい