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目線の先には

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目線の先には

1 - 目線の先には

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2022年08月11日

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お久しぶりです!!!

今回もるぅころです💛💙

全然リクエストに 沿えてないんですが

ご了承ください。

皆さん最近は いかがお過ごしでしょうか

熱中症とかには 気をつけてくださいね!

では、お待たせしました!!

どーぞ!!!!

こくん

あ...

僕の視線の先で 楽しそうに笑う彼

視線が合いそうになって すぐに逸らして窓の外を見る

あのまま目を逸らさず 笑いかけられたら きっと幸せなんだと思う

ジくん

ころちゃーーーん!

窓の外から名前を 呼ばれて声の元へ 振り返ると

大きく手を振りながら 体操服姿のジェルくんが グランドから見上げて言った

ジくん

なにやってん!!

ジくん

次体育やで!!

ジくん

時間間に合わへんよ!!

こくん

あ、やばっ...

スマホの画面に 映った時計を見て すぐに更衣室へ駆け出した

授業前のチャイムと同時に グラウンドに着いて

何とか遅刻は防いだ

ジくん

ころちゃんほんまに
ギリギリやな笑

先生の笛の合図で 整列する中で

後ろのジェルくんが コソッと話しかけてきた

こくん

間に合わないかと思った...笑

少し息を整えながら 笑って言うと それを聞いていたのか

さとみくんが口を挟んだ

さくん

どーせ、あいつのこと
でも見てたんだろ笑

ジくん

あ〜、なんやったっけ

ジくん

生徒会長の...るぅ...る

先生

おい、後ろうるさいぞ〜

ジェルくんが彼の名前を 言いかけた時

先生から注意を受けた

ジくん

さーせん

素直に謝るジェルくんに 対してさとみくんは バツが悪そうに そっぽを向いていた

僕も遅れて何も言わず 申し訳なさそうな顔で 軽くお辞儀した

先生は何もなかったように 授業の説明を始めた

先生

じゃあ、今日は長距離だから

先生

いつもより念入りに
体操とストレッチするように

先生の言葉を聞いて みんなは各々 愚痴を言ったり 悲鳴をあげたが

先生は同情する様子もなく さっさと体操するように 呼びかけた

さくん

だりぃーーー

さくん

サボればよかった

隣でさとみくんは ボソボソと弱音を吐くが

ストレッチや体操を 割と念入りに行っている姿に 少し笑えてきた

ジくん

さとちゃん毎回
そんなんゆーてるけど

ジくん

なんやかんや上位に
入っとるやん

こくん

ほんとだよ

本気で嫌がっている僕 からすると

さとみくんのやっていることは テスト勉強していたくせに やっていないと何故か 自慢したがるような奴に しか見えなかった

先生

じゃあ、そろそろ
始めるぞ〜

先生

いつものグループに別れて
前半後半で分けてくれ

先生

前半の奴らは
このコーンに並べ〜

先生はたんたんと 指示を出して

既に笛を加えていた

こくん

じゃあ僕はさっさと
終わらせたいから
前半行くわ

ジくん

じゃあ、俺も〜

ジくん

さとちゃん記録よろしく

さくん

あいよ

僕とジェルくんは みんなの集まってる コーンの後ろに並ぶ

毎回この時間は 嫌に緊張する

別に遅かれ早かれ そこまで成績に 反映されないし

そこまで本気を出すやつも ほとんどいないというのに

何故かこの始まる前の 時間は心臓が高鳴る

ジくん

なんか緊張せーへん??

ジくん

この時間嫌やねん

僕の気持ちを見透かした ようにジェルくんが 呟いてきた

こくん

すごいわかる

こくん

僕も苦手

そうこう言っているうちに 先生がみんなの 注目を集めた

先生

行くぞ

先生

よーい

ぴーーーーー

校庭に笛の音が こだました

あぁ、始まってしまった

そう心の中で吐き捨てる

時間は止まらないし 必ず一定の規則で進む

だからこの辛い時間にも 終わりが必ず来る

そう分かっていても 永遠に続く気がして

もしくは今世界中の どこかの誰かが 超能力でも使って

時空を歪ませてるのでは ないかなんて

くだらないことを 考えてしまう

こくん

はぁ...はぁ

始まってそうそうに 息が上がる

高校に入ってから 帰宅部で運動なんて 体育の授業と 遅刻しそうになって 走る時だけだ

さくん

はい、ころジェル
あと5週〜

さくん

ペースいい感じ〜

コーンの前を通る度に さとみくんの気だるそうな 声が聞こえてくる

ジくん

ほんまにペース
これでいいんかな笑

こくん

絶対適当でしょ笑

さとみくんは やりたいことと やりたくないことが

あからさまに はっきりしている

そういう素直なところが 面白くて良さでもある

たまに真剣にやってと 言いたくなることもあるが

結局さとみくんらしくて 許してしまう

ジくん

あ〜...炭酸飲みたい

こくん

そういうこと言うなよ

こくん

飲みたくなるだろ

走ってからしばらく経って はじめは固まっていたのに

みんなまばらになって 1番早い人とは1周差が 既にあった

集中力も完全にきれて 別のことを考えようと 何度も試すが

暑い、疲れた、歩きたい

この3つしか浮かばなかった

さくん

ころん!!!!

トラックを何周走ったか 曖昧になったあたりで

さとみくんが目をかせて 僕の名前を呼んだ

さくん

例の彼が見てるぜ!!

こくん

え!?

さとみくんが指さす先には 授業中のクラスの中から 1人こちらを見つめる 少年が見えた

頬杖をついて ぼーっとこちらを眺めている

その少年には見覚えがある

サラサラの 茶色がかった髪

しろい肌に 高い鼻

思わず見とれる程の 綺麗な黒い瞳

彼でしかない

ジくん

お、会長さんやん

何故か隣にいたジェルくん の方が嬉しそうにして

僕を肘でつついた

こくん

うるさいなぁ...

ジくん

図星やん笑笑

さくん

ほら、見られてるんだから
もっと頑張らないと!!笑

2人とも僕を 煽るように茶化した

でも自然と僕の足の 疲れはなくなった

体が軽くなって スピードが早くなったのを 何となくこの身で感じた

さくん

いけいけ!!!笑

さくん

もっといけるべ!!笑

さっきまでだるそうにしていた さとみくんはどこへ行ったのか 誰よりも楽しそうだった

こくん

あっちぃ...

授業がなんだかんだ終わって 急いで着替えて 机に突っ伏した

ジくん

ころちゃんすごいやん!!!

後ろから背中をはたかれ

目線だけジェルくんに 向けた

こくん

...なんだよ笑

ジくん

ころんの記録
学年3位だって!!!

こくん

え、まじ??笑

さくん

ちなみに2位は
俺だけどなっ

清々しい笑顔で 親指を立てている

こくん

さとみくんは普通に
早いけどさ

こくん

まぁみんなそこまで
本気じゃなかったし

こくん

まぐれだよ

ジくん

はぁ!?

ジくん

陸上部にも
勝ってるんやで!?

こくん

試合終わったばっか
だし、力抜いただけだって

さくん

素直に喜べばいいのに笑

さとみくんは 不思議そうに僕を見ていた

痛いところを 突かれたみたいで

なんだか心が ドキッとした

素直になるのが 昔から苦手で

そのせいで誤解 されてしまうことが多い

だから

ろくに友達など できたことがない

ただ、この2人と 彼を除いて

新学期が 始まってすぐの頃

生徒A

はい、じゃあ
今日は掃除よろしく

こくん

でも、今日は
予定があって

生徒A

えぇ、前も
代わってくれたじゃん!!

生徒A

じゃ、頼んだよ!!

こくん

待って!!

僕の言葉なんか 相手には聞こえてなくて

聞こうとさえされない

だから嫌な仕事は 押し付けられて 当たり前だし

ろくに口さえ きいてもらえなかった

こくん

はぁ...

こくん

今日生徒会なのに

生徒会もみんなが やりたがらなくて

仕方なく引き受けた

掃除用具箱から 放棄を取り出して

窓の外から聞こえる 運動部の声に 耳を傾けながら

急いで床をはいていた

さくん

あいつ最低だな

ジくん

俺、学級委員やし
先生に言っとくわ

こくん

え??

突然後ろから声がして 放棄を持っている 2人に肩を組まれた

ジくん

俺はジェル!!

さくん

俺、さとみ
よろしく

こくん

あ、お願いします...

急な自己紹介に 戸惑いながらも すぐに頭を下げた

ジくん

よっしゃ、
掃除するで!!

こくん

あ、でも...

さくん

生徒会の仕事も
あんだろ??

こくん

そうですけど...

さくん

掃除は俺らが
やっとくから

ジくん

はよ行かんと
遅刻するで??

僕は深深と頭を下げて お礼を言った

こくん

いつかこの恩は
返します!!

さくん

いいよ、掃除くらい笑

ジくん

真面目やな笑笑

教室を出る時 2人に名前を呼ばれた

さくん

また明日な!!

ジくん

またな〜!!

初めて誰かに 挨拶をしてもらった気がする

ぎこちなく手を振って ぎこちなく笑顔を浮かべた

心の中は 嬉しくて嬉しく たまらなかった

だから生徒会室に 向かっている時

少しだけ涙が零れた

生徒会室に入ると パラパラと人が椅子に 座っていた

どこに座ろうか 迷っていると

るくん

ころんくんだよね??

るくん

ここの席でも大丈夫??

こくん

はい...

彼と初めて話した

彼の声は落ち着いていて 優しい笑顔が印象的だが

顔立ちははっきりしてて まさに映画のヒロインの ようなかっこいい人だった

言われた通りの場所に 腰を下ろして

みんなが揃うのを 待っていた

るくん

良ければこの資料
一緒に配ってくれるかな??

こくん

あ、分かりました

るくん

あと

君はそっと僕に 耳打ちした

るくん

敬語じゃなくて
ためでいいからね??笑

いたずらっぽく 笑った彼から

僕は目が離せなかった

まるで時が止まったみたい

胸がドクンドクンと 激しく音を立てる

イナズマが落ちたようだった

肩を2回ほど優しく 叩かれたあと

彼はそのまま違う人の 元へ行ってしまった

資料を配り終えて 席に戻り一息つく

やはり僕の視線の 先には彼がいる

りくん

るぅちゃーん!!

るくん

あ、りいぬ!?

るくん

今日は生徒会あるから
先帰ってていいんだよ??

りくん

俺も手伝う!!!

るくん

え、いいの!?

やけに近い距離感

あの二人が 付き合っていることは

情報が乏しい僕で さえ知っていた

優しくされて 浮かれた足は

現実を突きつけられて 簡単に地に足を着いた

りくん

るぅちゃん!!

僕には呼べない その呼び方が

どれだけ羨ましくて 妬ましいことか

今すぐこの場を 離れて逃げ出したかったが

そんな勇気もなくて

いつもの真面目な僕は 席に座って 会長の話を聞いていた

生徒会が終わって やっと1人になれた帰り道

突然雨が降ってきた

こくん

天気予報は
晴れだったはずなのに

空を見上げると 雨など降っていなかった

乾ききったコンクリを 見て気づいた

雨なんかじゃない

僕は今泣いているのだと

こくん

初恋は叶わないって
言うしなっ笑...グスン

自分が惨めで笑えてくる

ただ、こんな気持ちに なったのは初めてで

ほんの少しだけ 人を好きになれて 嬉しかった

誰にも期待せず いつも一人の僕が

涙を流すほど 誰かを想えたことが 純粋に嬉しかった

何となく家に帰る気に なれず駅前のカフェに 寄ることにした

いつもならドリンクを 頼んだ後ゆっくりと 小説の世界に 浸っていくのだが

今日はぼーっと していたい気分だった

こくん

...ん

こくん

おいし...

いつも頼むカフェラテは 相変わらず美味しくて

それがなんだか慰めの ように感じてくる

りくん

ねぇねぇ、
この後るぅちゃん家
行ってもいい??

るくん

うん!!

るくん

この前のゲームの
続きとかどう??

りくん

賛成!!

心臓が止まるかと思った

穏やかだった僕の 心は突如嵐のように 騒ぎだす

後ろの席に 2人が居るなんて 気が付かなかった

僕の存在がバレない うちにカフェを 出ようとしたが

2人は既に出る準備を しているようだった

りくん

るぅちゃん!!
はやくはやく〜!!

るくん

ちょっと待ってよ笑

いつも楽しそうな2人に

胸が締め付けられる

バタバタと足音がして 2人がお会計の方へ 行ったことが分かった

きっと今ふりかえって 2人の姿を見ようものなら

僕は大きな大きな 地雷を踏むだろう

しかし、そうと わかっていても 好奇心には勝てなかった

こくん

あ...

普段通り距離の近い 2人の姿が目に入って

僕は息を飲んだ

背中の後ろで こっそりと固く 手が繋がれていた

見なきゃ良かった

数秒前の自分を 殴ってやりたい

急いで前を向き カフェラテを一気に 飲み干した

次の日僕は 学校を休んだ

体も重く、 学校で勉強する気力など どこにもない

第一に今日は 生徒会がある

もう彼の顔を見る 勇気さえ失ってしまった

気づけば僕は眠っていて

玄関を鳴らす チャイムの音で 目を覚ました

こくん

はい...

情けない声で 玄関の鍵を開けると

ジくん

よっ!!

さくん

ほら、コンビニで
適当に買ってきたから食え

こくん

え...

こくん

昨日の2人...

何故か僕を心配して 家まで調べてわざわざ お見舞いに来てくれたらしい

こくん

ありがとう...

お言葉に甘えて コンビニ袋を受け取った

中にはジュースや お菓子がパンパンに 入っていて

ビニール袋には 小さめの穴が空いていた

こくん

なんでこんなに
優しくしてくれるの...

疑問だった

僕は彼らにこんなことを されるほどのことを してきていないというのに

さくん

何言ってんだよ笑

ジくん

俺らいつもころんに
助けられてんねんで??

さくん

みんなが嫌がる仕事
周りの様子みてやってくれたり

さくん

気づかれにくいところで
みんなのために動いて
くれてるじゃん

ジくん

俺ら見てるで!!

ジくん

そういうころんの
優しいところ

こくん

...優しい??

さくん

お前さ

さとみくんは改まって 真剣な顔をした

何を言われるのか 怖くなって 少しだけ足がすくんだ

さくん

お前良い奴だよな笑

さくん

そういう奴ずげえ好き

満面の笑みで 僕に笑いかけてきた

ジくん

ころんのこと
もっと知りたいし

ジくん

だから会いに
来たんやで!!

こくん

ありがとう...

さくん

世の中悪い人
ばかりじゃないなって
思い知らされたよ笑

ジくん

ころんみてると
なんか救われるよな笑

世の中悪い人 ばかりじゃない

そう思ったのは 僕の方もだ

こくん

僕の方こそ

こくん

救われたよ

2人は僕の言葉に 少し驚いた顔をしたが

目を見合わせて笑った

こくん

2人がいてくれて
良かった

そういうと2人は 優しく僕を抱きしめた

こくん

ありがとう...グスン

ジくん

いつも我慢して
たんやな...

さくん

これからは俺らが
ころんを守るから

この日を境に 僕らはいつも一緒に いるようになった

次の日の朝

事件は起きた

何となくいつもより 早く家を出てしまって

学校に着いたのは いつもの30分前だった

こくん

僕が1番なんて笑

遅刻常習犯の僕から するとかなりレアな事だった

こくん

何しよっかなぁ...

こくん

ふんふーーん...

鼻歌を歌いながら やりそびれていた 課題を開く

るくん

おはようございます!!

こくん

うわぁー!?

誰もいないと思っていた 教室にどうやら 先人がいたらしい

しかもよりによって 僕が今1番会いたくない人

るくん

あ、ごめんごめん笑

るくん

脅かすつもりはなくて笑

こくん

あ、大丈夫です

驚いたと同時に落とした シャーペンを拾いながら 答えた

るくん

ころんくん
昨日は大丈夫だった??

るくん

学校休みだったんでしょ??

こくん

え、どうして

るくん

昨日生徒会あったからさ!!

こくん

あ、そっか...

僕のことを人づてにでも 聞いたのかと思って 少し期待した自分が 恥ずかしくなる

こくん

まぁ、ちょっと
疲れてただけなので

るくん

そっかぁ...

るくん

話聞くことしか出来ないけど
何かあったら話聞くよ

るくん

そうだ!!

彼はポケットから スマホを取り出して 僕の前に差し出した

るくん

連絡先交換しようよ

こくん

うん...

僕もリュックから スマホを取り出した

スマホを持つ手が 震えた

距離が近い

初めてこんなに 近くで君を見た

まつ毛が長くて 隣にいると 柔軟剤の香りがして

ワイシャツの袖から はみ出た色白い腕は

意外と細く見えがちだが 血管が浮き出てて

筋肉もしっかり している

男らしい体つきだった

るくん

どうかしましたか??

こくん

え、あ、いや...

彼の声で一瞬で 我に返った

こくん

連絡先なんて
交換してもいいんですか??

こくん

莉犬さん...でしたっけ??

こくん

怒られませんか??

頭が真っ白になって 変なことを聞いてしまった

るくん

あぁ...

君の顔が少しだけ 歪んだように見えたが

るくん

お互いそこまで
束縛とかしないので!!

るくん

全然大丈夫ですよ!!

いつもの笑顔に戻って 僕は何となく安心した

るくん

じゃあまだ生徒会の仕事
残ってるので

るくん

生徒会室行ってきますね!!

こくん

あ、はい!!

こくん

お疲れ様です!!

席を立つ君につられて 何故か僕も立ち上がって しまった

るくん

じゃあまたね

爽やかな笑顔を向け 僕に手を振った

そして前の扉から 君は出ていった

その背中を今すぐにでも 抱きとめたくて 仕方なかった

君といれば どんどん好きになって

止まれなくなって しまいそうで怖くなる

彼はどう頑張っても 僕のものに なってくれない

人のものだから

交換したばかりの 連絡先を見つめながら

深いため息をついて スマホをポッケにしまった

ジくん

なぁ、ころん

こくん

ん??

ジくん

絶対次の問題俺が
当てられるねんけど

ジくん

ここって3やんな

さくん

え、2でしょ

こくん

僕は1って書いた笑

数学の授業は テストの点数順に クラスが別れており

他クラスの人達とも 一緒に受ける

数学が唯一得意な僕は ギリギリこのクラスに 入っている

周りは頭のいい人ばかりで やはり彼もいる

ブッブー

ポッケに入った スマホが音を立てて 開いてみると

君からの連絡だった

るくん

盗み聞きしてたみたいで
気持ち悪く思ったら

るくん

申し訳ないんですけど

るくん

そこの問題は1で合ってますよ

斜め後ろに座っている 君には僕らの会話は 丸聞こえだった

こくん

ありがとう!

こくん

ジェルくんに
教えとく👍🏻

返信をして スマホを閉じた

こくん

やっぱり1だと思う

こくん

ここの計算式が
ズレてるんだと思う

ジくん

あ、ほんまや

さくん

でもこの後は...??

さくん

2じゃない??

こくん

これは公式が
これじゃなくて...

こくん

こっちだと思うんだよね

さくん

ほんとだ!!

さくん

ころん頭いいな笑

ジくん

さんきゅー

結局ジェルくんは 間違えることなく 発表を終えた

授業が終わり 感謝を伝えたくて 勇気を振り絞って 君に声をかけた

こくん

るぅとくん

るくん

へ!?

僕に声をかけられて びっくりしていた

るくん

まさかころんくんから
話しかけてもらえるなんて

るくん

驚いちゃった笑

こくん

あ、いや

こくん

さっきのお礼言いたくて

こくん

教えてくれて
ありがとう

そういえば自分が いつの間にかタメ口で 話していることに 気がついた

ハッとして口を抑えると すぐに察したのか

るくん

タメ口がいい

るくん

仲良くしてくれてるって
感じるから嬉しい

照れくさそうに笑う 君もやっぱり好きだ

何かの拍子に 簡単にすきと 言ってしまうのではないかと

不安になった

りくん

るぅちゃん!!!

りくん

早く帰ろーー!!!

るくん

あ、うん!!

莉犬さんは別のクラスで 後ろの扉から 顔をのぞかせた

るくん

じゃあ、また明日

こくん

またね

ぎこちなく手を振って 君と別れた

仲良くなれたと思ったら いつだって現実が 引き戻してしまう

君の幸せを望めない僕は 弱い人だ

僕はあれからというもの 彼を避けるようになった

これ以上好きになっても だれも得しないし

むしろ傷つくだけだ

だけど

りくん

この前駅前でね〜

るくん

え、ほんとに!?

君と話がしたくて 目だけでも合えば 幸せなのにって

心は素直で 苦しい

廊下ですれ違うと、

るくん

あ、ころっ...

話しかけられる前に 逃げてしまう

りくん

どしたのるぅちゃん??

るくん

ううん、なんでもない!!

君の寂しげな声が 廊下に響いた

幸せになってね

そう言えるように なるまでは

君に近づくことが できない

だけど

僕の目線の先には いつも君がいて

気づけば目で追っている

数日経ったある日

僕の下駄箱の前に 見覚えのある人が立っていた

りくん

ころんくんだよね??

こくん

はい

りくん

少し時間ある??

胸がざわついた

寂しそうで どこか悲しそうな 表情をした彼の顔が

余計に僕の 心を締め付けた

僕はら一限をサボって 屋上にやってきた

りくん

あの...

りくん

単刀直入に言うと

君の手は震えていて 俯いたままで 表情はよく見えない

りくん

ずっと謝りたかったんだ

こくん

え??

予想外の答えだった

てっきりるぅとくんに 近づかないで欲しいとか

僕がふたりの関係を 悪くしているとか

そんなことを 言われることを覚悟していた

りくん

俺らね幼なじみで

りくん

小さい頃から一緒で

りくん

離れたことなんて
1度もなかったんだ

こくん

うん...??

りくん

だけど突然るぅちゃんの
様子が変わったの

涙声で君は続けた

りくん

ぼーっとして
僕の話を聞いてなかったり

りくん

いつもどこか見つめてた

りくん

それで気づいたの

りくん

その視線の先には
いつもころんくんが
いたってことに

こくん

え?

りくん

るぅちゃん鈍感だから

りくん

好きとか分かんなかった
んだと思うんだよね

りくん

だけど、あれは確実に
好きな人を見つめる瞳で

りくん

僕は...グスン

とうとう泣き出して しまった

りくん

ずっと一緒にいたからっ...

りくん

取られちゃう
気がして...グスン

りくん

寂しくて...グスン

こくん

ゆっくりで大丈夫だよ

優しく背中を摩った

想像以上に華奢な体で 大きく震えて泣いていた

まるで子犬のように

りくん

るぅちゃんが
他の誰かのものに
なって欲しくなくて...グスン

りくん

告白したんだ...グスン

りくん

そしたらるぅちゃんも
りいぬに恋人ができたら

りくん

寂しいって思うから
好きなのかもって...グスン

りくん

それで
付き合ったんだけど...

こくん

もう何も言わなくて
いいよ

僕は抱きしめた

りいぬくんの気持ちは よく分かった

きっと辛かっただろう

寂しかったのだろう

自分の大事な人が 一瞬で他の人のものに なるなんて

どれだけ孤独を感じるか

想像さえつかなかった

こくん

辛い思いをしたよね

りくん

ごめんなさい...グスン

こくん

謝ることじゃないよ

こくん

僕だって同じこと
すると思うし

何度も何度も謝り続ける彼に 僕は抱きしめてあげる ことしか出来なかった

学校に来たものの 授業を受ける気がせず

僕らは2人で近くの 海に行った

りくん

ころんくん

泣き腫らした目で こちらをじっと 見つめてくる

こくん

ん??

りくん

ころんくんならいいよ

りくん

るぅちゃんのこと
任せられる

こくん

でも...

りくん

るぅちゃんも気づいてる
と思うんだよね

りくん

僕へのすきの気持ちは
恋人への好きじゃなくて

りくん

友達のすきってことに

目を伏せながら 唇を噛み締めていた

りくん

るぅちゃんほんとに
分かりやすくてね!!

りくん

僕以外の子と全然
連絡交換したり

りくん

ましてや話すこと
だってしないのに

りくん

ころんくんと連絡
とってる時の笑顔とか
あからさますぎてたしさ笑

笑いながら話す りいぬくんの目には 涙が溜まっていた

りくん

そういうとこも
可愛くて好きなんだけどね笑

りくん

もちろん
友達としてさ

友達として

彼はそう言ったけど

きっと僕に向けて ではなくて

時分に言い聞かせている ようだった

りくん

ころちゃん

りくん

僕もお友達になってね

こくん

うん!!

波は絶え間なく 動きつづける

時間も心も

止まることのない

この心臓も

生きている中で 誰かを想って 涙を流して 笑って 怒って 幸せを感じて

それが時に 人を苦しめる

好きという 気持ちでさえも

ジくん

ころーーん!!

さくん

こんなとこにいたのかよ!!

るくん

ちょっとりいぬ!?

るくん

学校抜け出すなんて
心配しますよ!!

りくん

な、なんでいるの!?

こくん

てかなんでここが
わかったの!?

さくん

朝下駄箱で見たけど
それっきりどこにもいないって

さくん

みんな言ってるから
さすがに心配するだろ

るくん

何回も電話したんですよ??

りくん

あ、ほんとだ

りくん

ごめん

ジくん

んで、
2人でなにしてたん??

莉犬くんと僕は 顔を見合わせて笑った

りくん

内緒!!!笑

るくん

なんですかそれ!?

さくん

まぁ、ちょうどいいや

さくん

俺も今日はサボろー

ジくん

俺も面倒臭いし
今日はいっかな〜

りくん

るぅちゃんは??

りくん

さすがに生徒会長だし
先生にバレたらまずい??

さくん

俺らが何とかしてやるよ

るくん

え??

ジくん

俺らに任せとけば
なんとかなるで笑

2人は誇らしそうに 笑った

るくん

じゃあ、僕も
さぼっちゃおー!!笑

りくん

あのるぅちゃんが!?

ジくん

お、いいね会長さん!!

さくん

ノリがいいやつ
嫌いじゃないぜ!!

あっという間に 僕らは仲良くなった

ジくん

あ〜、楽しかった!!

さくん

お前濡れすぎだろ笑

ジくん

さとちゃんが
押すからやん!!笑

あの後僕らは 海ではしゃいで 子どものように 遊び尽くした

りくん

ねぇ、るぅちゃん

るくん

ん??

繋がれていた手を離して りいぬくんは笑って言った

りくん

別れよっか!!

るくん

え??

るぅとくんはその場に 立ち尽くしていた

るくん

どうして...??

りくん

るぅちゃんも
分かってるでしょ??

りくん

僕もるぅちゃんも
お互いのこと好きだけど

りくん

恋人としてじゃなくて
友達としてだったんだよ

りくん

それにさ...グスン

りくん

るぅちゃんには
本当に好きな人が
ちゃんとここに
いるじゃない!!

僕は背中を押されて るぅとくんの前に 立たされる

こくん

すぐにじゃなくていい

こくん

気持ちが落ち着いて
からでも何十年先でも
いいから

こくん

僕のこと好きだって
思ってくれたなら

こくん

付き合って欲しい

頭は真っ白なのに 言葉は次から次へと 溢れ出した

君は顔を手で覆いながら はっきりと頷いてくれた

さくん

おい、りいぬ!!

さくん

このまま俺ん家
寄ってかねぇ??

りくん

え、行く!!!

前を歩いていた ジェルくんとさとみくんに 呼ばれて

りいぬくんは駆け足で 向かおうとした後

振り返って僕らにだけ 聞こえるように

りくん

さとみくん、
かっこいいよね!!

と、笑って走っていった

取り残された僕らは 歩幅を合わせながら

3人の様子を眺めていた

るくん

ころんくんじゃなくて

るくん

ころちゃんがいい

こくん

うん、わかった笑

るくん

あと...

るくん

時間はかかるかも
しれないけど

るくん

心の整理ができたら
絶対にころちゃんのもとに
行くからよそ見しないで

るくん

ちゃんと待っててね

こくん

え!?

突然の告白に僕は目を 丸くして固まってしまったが

るぅとくんは楽しそうに 笑っていた

るくん

ほら、行くよ

僕は手を引かれて みんなの元へ走った

るくん

あ、ころちゃん!!

こくん

おはよう!!

もう逃げずに 君とこうして目を合わせて 話が出来る

それが何よりもの 幸せだ

りくん

おっはよー!!

さくん

はよ!

この2人は僕らよりも 先に付き合った

りいぬくんも 本当に好きな人を 見つけられたことが

僕としても嬉しかった

ジくん

おいおい

ジくん

カップルばっかやん笑

こくん

いやいや、1年前はなーくん先輩と毎日のようにイチャイチャしてましたよね??

さくん

まじあれはキツかった

ジくん

なんてこと言うん!?

さくん

冗談だよ笑

ジェルくんは1個うえの 先輩と付き合っている

まだ続いているらしく 相変わらず仲がいい

僕らもきっと 上手くいくよね

どんなに時間が かかっても

君を絶対に 幸せにするよ

この作品はいかがでしたか?

1,142

コメント

26

ユーザー

愛してます ( ( ブク失です!

ユーザー

時差コメ失礼すいません🙏 ふぉろー失礼します😖💭

ユーザー

ブクマ失礼します!

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