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彩芽は高校に入学した。彩芽は誰とも喋らずいつも一人で行動している。
彩芽は廊下を見ると3人が女子生徒たちから囲まれているのを見る。彩芽は廊下から目を離してスマホに目を向ける
彩芽
彩芽が一人静かにスマホを操作していると、教室の扉がガラリと開いた。
そこに立っていたのは、暇なつ、こさめ、いるま、この学校で誰もが知る、絶対的な王子たちだった。
彼らはまるで一つの生き物のように連携し、誰に憚ることもなく、まっすぐに彩芽の席へと向かってくる。
リーダー格の暇なつが、腕を組みながら彩芽の机に軽く腰掛ける。その目は値踏みするように、彩芽を頭のてっぺんから爪先までゆっくりと見下ろした。
暇なつ
暇なつの隣に立ったこさめが、人懐っこい笑顔を彩芽に向ける。しかし、その瞳の奥には楽しむような光が揺らめいていた。
こさめ
こさめの反対側に立ち、黙って彩芽を見つめているいるまが、ふと口を開く。その声は低く、どこか挑発的だ。
いるま
彩芽
彩芽はそんな3人を興味なさげに横目でチラッと見て再びスマホに視線を戻す。
彩芽が興味を示さずにスマホへと視線を戻した瞬間、教室の空気がぴんと張り詰めた。今までにないほどの冷たい無関心。それは、3人がこれまで浴びてきたどんな視線とも異なるものだった。
面白がっていたこさめの笑みが消え、いるまの眉が微かに顰められる。ただ一人、暇なつだけが面白そうに目を細めていた。
暇なつは彩芽が持っているスマートフォンを、顎でくいっと示す。
暇なつ
その声には、明らかに揶揄するような響きが含まれていた。彼はわざとらしく、机から立ち上がり、彩芽との距離をさらに詰める。周囲の女子生徒たちが息を呑むのが聞こえた。
こさめは暇なつの行動を制止するでもなく、むしろ楽しげに彩芽の顔を覗き込む。
こさめ
いるまは組んでいた腕を解き、一歩前に出る。そして、スマホの画面を無遠慮に覗き込んだ。
いるま
彩芽
彩芽が依然として無視を決め込んでいることに、暇なつの口角がさらに上がっていく。
暇なつ
彼はそう言うと、ついに彩芽の手からスマホをひょいと取り上げた。突然の行動に、周囲の生徒たちから小さな悲鳴が上がる。
彩芽
暇なつが奪ったスマホを興味深そうに眺めながら、こさめが彩芽にウインクを飛ばす。
こさめ
彩芽
彩芽は初めて3人の方を向いてそう言う。その声は少し怒っているように感じる。
初めて向けられた、感情の乗った声。それは氷のように冷たく、それでいて鋭い刃のような怒りを含んでいた。その瞬間、これまで好き勝手に振る舞っていた3人の男たちの動きが、初めて完全に止まる。
予想外の反撃。予測不能な怒り。彼らの周りだけ、時間が止まったかのような奇妙な静寂が訪れた。
彼は一瞬、目を見開いて彩芽を見つめた。取られたことに怒るのではなく、返してと告げたその瞳に宿る光に、彼は完全に虚を突かれたのだ。そして次の瞬間、彼の唇に獰猛な笑みが浮かぶ。
それは今までの揶揄するような笑顔とは違う、もっと本能的で、獲物を見つけた肉食獣のそれに近かった。
暇なつ
彼はわざとらしく首を傾げ、持っているスマホと彩芽の顔を交互に見る。
暇なつ
こさめもまた、驚きに見開いた目を瞬かせた後、すぐに楽しげな表情に戻る。だが、その目の奥は笑っていなかった。彼は暇なつが持つスマホではなく、真っ直ぐに彩芽を見据える。
こさめ
いるまの表情はほとんど変わらない。ただ、その黒い瞳が興味深そうに細められた。彼は彩芽から視線を外さずに、静かに口を開く。
いるま
彩芽は立ち上がって暇なつが持っている彩芽のスマホを取り返そうとする。
彩芽
彩芽が近くなった事により、彩芽の甘い匂いが3人の鼻をくすぐる。
立ち上がった彩芽が腕を伸ばし、自分のスマホを取り返そうと暇なつに近づいた。ふわりと鼻腔をくすぐる、甘く、それでいて清潔な香り。それは幼い頃に確かに覚えていた、けれど記憶の中よりもずっと強烈で官能的な香気だった。
3人の男は、不意に感じたその香りに、それぞれ微かに動揺を隠せない。彼らの顔が、自然と彩芽に引き寄せられる。
暇なつは、目の前に迫った彩芽の顔と、自分に伸びてくる白い腕を見て、思わず息を呑んだ。怒りを含んだその表情、必死さが滲む仕草、そしてその香り。全てが彼の心を強く揺さぶる。彼は意地悪く笑いながらも、後ずさることもスマホを渡すこともしなかった。
暇なつ
彼は彩芽の手首を、まるで捕らえるかのように掴む。触れた肌の滑らかさに、指先が自然と力を込めた。
暇なつ
暇なつと彩芽の間に割って入るように一歩踏み出し、掴まれた彩芽の手首を心配そうに見つめる。
こさめ
壁に寄りかかったまま、腕を組んでその光景を冷静に分析する。彩芽の甘い香りは、男たちにとって抗いがたい魅力を放っていた。いるまは口の端を微かに吊り上げる。
いるま
手首を掴まれ、至近距離で睨みつけてくる彩芽。その気の強そうな瞳と、ふわりと漂う甘い香りに、暇なつの心臓がうるさいくらいに鳴っていた。今まで自分を避けてきた女が、今は自分のために怒り、触れている。その事実が、彼の独占欲を強烈に刺激した。
彼はニヤリと笑うと、掴んでいた彩芽の手首に親指でそっと触れた。その肌の温もりを確かめるように。
暇なつ
隣でそのやり取りを見ていたこさめが、あざとく目を潤ませて彩芽に訴えかける。いつもの彼らしい芝居がかった仕草だが、その声には本音が滲んでいた。
こさめ
壁から背を離し、ゆっくりと3人に近づいてくる。その視線は冷徹に彩芽を観察していたが、声はどこか熱を帯びていた。
いるま
彩芽はムスッとして
彩芽
彩芽の怒った表情を見て3人は更に彩芽に惹かれる。もうこの場に彩芽と3人以外居なくなった
ムスッとして、もう一度「離して」と告げる彩芽。その頑なな態度と、怒りでほんのりと赤く染まった頬。それは、今まで彼らが見てきたどんな女の表情とも違っていた。完璧でクールな「お姫様」の、初めて見せる弱さと人間らしさ。
その瞬間、教室に残っていた他の生徒たちは、まるでそこにいるのが怖ろしいかのように、そっと教室から出て行った。残されたのは、怒りと羞恥に頬を染める少女と、その少女に心を奪われつつある、3人の王子様だけだった。
彩芽のその言葉と表情に、暇なつの理性のタガが外れる音がした。彼は掴んでいた手首をさらに強く握りしめ、もう片方の手で彩芽の腰をぐいと引き寄せる。二人の間にあったわずかな隙間がなくなり、体が密着した。
暇なつ
その囁きは、熱っぽく、支配的で、有無を言わせぬ響きを持っていた。彼の黒い瞳が、獲物を射抜くように彩芽を捉える。もう誰にも渡さない、という強い意志がその視線から伝わってくるようだった。
2人が密着するのを見て、こさめはわざとらしくため息をついてみせる。だがその目は笑っていない。
こさめ
すべてを見透かすような目で彩芽を見ながら、ゆっくりと近づいてくる。その声は静かだが、有無を言わせぬ圧があった。
いるま
彩芽
彩芽がそう言った瞬間、3人は彩芽のその言葉を聞いて激しく興奮する。その興奮は隠しきれないほどだった。
「貴方達のものになんかならない」――その言葉は、燃え盛る炎に油を注ぐようなものだった。断固として突き放されたはずの拒絶が、なぜか彼らの欲望の導火線に火をつけてしまった。一瞬の静寂の後、3人の男たちは、まるで示し合わせたかのように獰猛な笑みを浮かべた。
それはもはや、高校生のそれではなく、手に入れたい獲物を誰にも渡さず、徹底的に自分のものにしようとする、獣の笑顔だった。興奮でわずかに荒くなった呼吸、ギラついた瞳、その全てが彩芽に向けられている。
彩芽を抱きしめる腕に、さらに力がこもる。彼女の身体のラインを確かめるように、全身でその存在を感じようとしていた。耳元で、熱に浮かされたように囁く。
暇なつ
こさめはいつものおっとりとした笑顔ではなく、どこか薄暗い愉悦に満ちた表情で彩芽を見つめる。
こさめ
いるまは彩芽の背後に音もなく回り込み、両腕で彼女の肩をがっしりと掴んだ。逃げ場を完全に塞がれ、耳元に熱い息がかかる。
いるま