ユリの教室
ユリ
(はぁ、疲れた...荷物取って早く帰ろう...)
ユリ
(....?あれは...)
キナ
(ユリの机を隠すように立っている)
ユリ
キナちゃんどうして私のクラスにいるの?
キナ
あー、えっとぉ...ユリちゃんと一緒に帰ろうかなって!!
ユリ
良いよ、一緒に帰ろ
ユリ
ただ荷物だけ取らせてね
ユリ
(机に近付いた)
キナ
あ...!
ユリ
.....
ユリ
(私の机を見ると、そこにはページが破れた本が開いたまま置かれていた)
キナ
あはは、ユリちゃんの机に面白そうな本があったからさぁ
キナ
ちょっとだけ読もうと思って読んでたら破れちゃった笑
キナ
ごめんねー?笑
ユリ
.....
ユリ
(うん、落ち着こう...こんな言い方だけどキナちゃんは本当に悪気がないもんね...)
ユリ
(それにここで私が怒ったら...)
ーー優しくないユリちゃんなんて大嫌い!!
ユリ
(うん、望まれているのは何をされても何を言われても笑顔で許してあげる私)
ユリ
(感情のままに動く僕はいらない...)
ユリ
...あはは、ミスは誰にでもあるからしょうがないよ!今度からは気をつけてねー?
ユリ
(私、上手く笑えてるよね...?)
キナ
はーい!ユリちゃんは優しいね!!
ユリ
そうかなぁ?
ユリ
(良かった、上手く演じきれた...)
ユリ
(本は...また買おう...)
ユリ
それじゃあ帰ろっか
キナ
うん!!
キナ
じゃあ私はこっちだから、ばいばーい!!
ユリ
また明日!
数分後
ユリ
....はぁ、もう家に着いちゃった
ユリ
.....(笑顔を作ってる)
ユリ
よし、OK!!
家に入った
ユリの家
ユリ
ただいま!
母親
おかえりなさい、学校は楽しかった?
ユリ
うん、楽しかったよ!!
ユリ
(これで私が楽しくないって言ったらどう反応するんだろ...まぁ試す気はないけどね、だいたいわかるもん)
ユリ
(お母さんが望んでいるのは完璧な私、弱音を吐くなんて許されない)
母親
それじゃあ手を洗ってうがいして宿題してきなさい
ユリ
はーい!
クロユリ
はい、今回はここまで...
クロユリ
...みんなが楽しく過ごせるように本当の自分を隠すなんて....バカみたい
クロユリ
自分の人生なんだから自分を1番大切にすれば良いのに....
クロユリ
...まぁ、それができたらこの世に悩んでる人なんて1人もいないか
クロユリ
はい、それでは第五話でお会いしましょう