翌日の朝。元気な声が右からも左からも聞こえる。
それが僕に向けられたものだと気付いていても、反応が出来ない。
「その優しさは卑怯なんだよ。」
その声が頭にこびり付いて付き纏う。
思い出す度に溜まる嫌悪感と、吐き出したくなるドス黒い感情が 僕の心を支配しているのだろうか。
笑顔を作れないまま靴を履き替えていると、とあるものが目に入った。
ショッピ
靴の中に大量に入った画鋲。 そして、思わず顔を顰めてしまう程の悪臭。
そのロッカーに貼ってある名前テープを見る。
そこには、紛れもなく"チーノ"と書いてあった。
ショッピ
チーノ
ショッピ
恐る恐るチーノを見る。 その顔は怒りで歪んでいるようだった。
チーノ
ショッピ
チーノ
チーノは裸足のまま教室へ向かってしまった。
それを追いかけることも、「僕はやってない」の8文字を言うことすら できない僕は本当に情けない。
ショッピ
フラフラとした足取りで屋上に続く階段を上った。
ガラッ!という小気味良い音を響かせながらドアを開く。
靴を履いていないから足からじわじわと冷たさが伝わってくる。 でも今の昂った感情には丁度よかった。
そして、いつものように挨拶をする。 …が、誰も返してくれなかった。
チーノ
何かが可笑しい。
もうすぐチャイムが鳴るというのにショッピが来ていない。
結局、授業が終わってもショッピは来なかった。
今は昼。
ショッピはいつになっても来ることはなく、 かわりに今朝と違ってクラスメイト達が優しくなった。
1人になることも無く周りにはいつも人だかり。 やっぱり、何かが起きてるんだ。
そう確信を持ったときだった。
男子
耳元でそう囁かれた。
屋上でショッピに何かあったのかもしれない。
クラスメイトたちの逆鱗に触れないよう接する。
そうして屋上に行くことができたのはあれからだいぶ経った 放課後だった。
next…♡50 短くてごめんなさい
コメント
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続き楽しみです!
両方欲しいです…1つならショッピ×○○ENDがいいです…