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第2話 「疑念」
宮城
静まり返った教室で、宮城の低い声が落ちた。
その言葉を合図にしたかのように、ざわめきが一気に広がる。
大阪
大阪が机をたたきながら言う。
奈良
苦々しく呟く。
東京は冷静に全体を見渡した。
東京
東京
東京
その横で、神奈川が唇を噛む。
神奈川
神奈川
重苦しい空気が流れる中、長野が黒板の前に立ち、チョークを握った。
長野
長野
次々と名前が書かれていく。
北から南まで、四十七の県名が並ぶ。
――その瞬間、教室の窓が「バンッ」と激しく揺れた。
鳥取
滋賀
秋田が震える声で呟く。
秋田
皆の視線が窓へ向く。
そこに__。
黒い靄のような影が、ガラス越しにこちらを覗き込んでいた。
目も口もなく、ただ“輪郭”だけが揺らめく異形。
福岡
北海道
北海道が全員を制し、窓際に近づこうとするが__。
次の瞬間、黒い影はすっと霧散した。
まるで最初から存在しなかったかのように。
石川
教室に沈黙が落ちた。
その中で、沖縄がぽつりと呟く。
沖縄
沖縄
ハッとして全員が地図に目を向ける。
黒く塗り潰された県のひとつ――
そこに、先ほどの影の輪郭が確かに重なっていた。
京都
島根
愛知
愛知
沈黙。
誰もがその可能性を否定できなかった。
その時、校内放送がまた不気味に鳴る。
『第一夜__終了』
千葉
千葉が首を傾げる。
だが、すぐに誰かが気づいた。
__黒板に、また新しい文字が浮かんでいる。
“消える者は毎夜現れる。 二夜目までに“偽物”を暴け。 暴けなければ、二人目が影になる。”
鹿児島
大阪
東京
全員が息を呑む。
だがその時、__。
宮崎
宮崎が小さく手を挙げた。
宮崎
兵庫
宮崎は黒板の名簿を指差した。
宮崎
宮崎
兵庫
全員が食い入るように名簿を見る。
__そこには確かに、不自然な筆跡が一つだけ混ざっていた。
他と違う、線の揺れ。
まるで、誰かが“わざと自分を紛れ込ませた”ように。
埼玉
埼玉が青ざめた声を出す。
埼玉
名簿を見つめる全員の背筋に、冷たい戦慄が走る。
四十七人の中に、必ず一人“偽物”がいる。
だがその正体は、まだ誰も掴めていなかった。
そして、二夜目は刻一刻と近づいていた。
次回
第3話 「最初の影」
歯車は動き出した。
コメント
4件
返信遅れて申し訳御座いませんッッッッッッ!!!!(((((イソガシクテアハハ) 雰囲気がもう……凄い!!!() 次回楽しみ過ぎてヤバい
フォー❗待ってましたぁ~‼️次はだれが犠牲になるかな…