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りつは優しかった

俺がやらかした時もりつだけはいつも傍に居てくれた

立川

もみはどこの高校に入学しようと思ってるの?

本田

んー?

本田

俺は綾月に行こうと思ってるよ

立川

あやづきかー

立川

僕もそこにしようかなー

本田

ばか

本田

りつは頭いいからもっと別の場所があるでしょ

立川

でも、もみがいないとつまんないよ

本田

でも自分の可能性を自ら閉じることになるんだよ?

立川

もみがいない事の方が僕の可能性が閉ざされてしまうよ

りつは頭が良くて判断力に長けていて

本田

はぁ…全く…

立川

ねぇ、もみ

本田

ん?

立川

もみになんかあった時は絶対に僕が守ってやるからね

本田

くっせぇ笑

立川

なんだと?笑

責任感が強くて

本田

自分の身ぐらい自分でなんとかするわ笑

立川

そっか…笑

本田

じゃあまた塾でね

学校の皆からちやほやされてて

立川

うん、じゃあ

俺はそんなりつが友達として好きだったしとても慕っていた

チリンチリン

本田

(そう言えば今日は入試対策を集中的にやるって言ってたな~)

そんな事を考えながら自転車のベルを色々な壁に反響させながら歩行者に自分が居ることを知らせる

本田

だるぅ…

そう言って将来の自分の人物像が確立しないまま塾に向かう

なんの為に勉学に励む必要があるんだと心の中で投げ掛けながら…

キィィ!

大切な何かを忘れた気がして自転車が時速0キロになる

本田

(あ…今日そういえば第1回入試対策プリント持ってこいって言われてたな…)

本田

(うわぁ…取ってこないと…)

本田

だるぅ…

本田

(家に向かってる途中だけど今から家帰って塾間に合うか…?)

本田

(そんな事より母さんに怒られるかが心配なんだけど…)

本田

(だいたいなんであの人はあんな怒りっ…)

キィィ

音がバレない程度に自転車を止めてみせた

今度は大切な何かを失いそうな気がして

立川

いやいや…だから教えないって

りつが居ると何故か安心する

本田

(りつ…?何でここに…)

本田

(しかもあの二人って…)

齋藤

お前いい加減にしろよ…?

多瀬田

痛かったなぁ…あいつのパンチ…未だに後遺症があるし…

多瀬田

そろそろあいつの居場所教えてくれないとお前のこと殴るよ

立川

だからお前らに教える義務なんてないだろ

りつが居ると本当心の奥底から安心する気がするんだ

立川

それに、妨害プレーを意図的にやってたお前らも悪いし

立川

しかも、もみの方も反省してた

理由は無くただ衝動が

本能が安心すると言ってくれている

立川

付き纏うのはもうやめろ

多瀬田

多瀬田

やれ

齋藤

オラァ!!

立川

グッフッ!!

りつはその場でうずくまりながら惨い息を立てていた

立川

ウグゥ……

本田

り…りつ…

齋藤

ゴラァ!!

立川

ブフゥ"!!

本田

(や…やばいりつが…ど、どどうしよう…)

鈍い音が俺の耳まで届く

本田

はぁ…はぁ…!

眼孔が思いっきり開いた

何故か気持ちが悪い、喉の奥から酸の臭いが漂ってくる

頭の中が真っ白になる気がした

本田

はぁはぁ…!

本田

(怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い)

全部投げ捨ててやりたい気持ちになった

本田

(嫌だ…りつがやばい…怖い…怖い怖い)

りつのことは大好きだ

本田

怖い…

本田

で…も…

だから

本田

はぁはぁ…助けな…きゃ…

でも、逃げた

本田

ふぅ…ふぅ…!

本田

(あの二人って…確か1年の時試合で俺が相手を殴った時の相手チームだったよな…)

本田

(ということは俺はあいつを殴ったのか…!?)

本田

(なんで全く覚えてないんだよぉ…)

本田

(そんな事より逃げちゃった…)

俺はりつを裏切った気持ちになった、だが同時に

本田

(む…無理だよ…いくら何でも…)

本田

(殴ったのが俺だからって…りつが俺のこと助けてくれようが…)

本田

(りつが殴られているのは、りつがその結果を選択したからだ…)

本田

(俺が相手を殴ったせいじゃないんだよ…)

本田

そ、そうだ…

本田

(この事は忘れよう…何も無かったんだ何も…)

本田

よし…

本田

プリントを取りに行こう…

自分の行いの全てを肯定し騙すことに成功したのだ

本田

ごめんなさい

本田

ハァハァ…何とか塾の時間に合ったぞ…

本田

ッ!!

立川

本田

(りつだ…)

俺はりつの横に座った

本田

ゴクン…

本田

よ…!何か俺、対策のプリント忘れそうになって危うく遅刻しそうになったよ、ハハッ

立川

もみはだらけてるなぁ笑

立川

そんなんじゃ綾月行けないよ?

本田

ハハハ…

本田

大丈夫だよ笑

本田

っていうかその頬のあざどうしたの?

本田

(何聞いてるんだ俺ッ!!)

俺はわざと聞いた

あたかも自分は知りませんよ、見てませんよと言わんばかりの演技を混じりて

俺はりつが殴られている瞬間を見てませんよと否定した

立川

…これ?

本田

う…うん…

立川

これ自転車に乗ってたら転けて壁にぶつかったんだ

本田

何だそれ…笑

本田

りつらしくないな笑

立川

そうやって偏見を持つことは駄目なんだぞ!?

本田

そ、そうだよな笑

立川

ハハハ

俺は自分の演技に悪意はないと思った

無視をしたのは悪かったけど、こうやって普通に接することがせめてもの報いだと感じていた。

だが

本田

ブハァッ!!

洗面所から流れる水とは違い中々流れない心の違和感

本田

はぁはぁ…

本田

クソッ!

バシャン!

本田

(忘れたい忘れたい)

本田

(今日のこと全部)

本田

(俺は見てない、見てなかったから助けれないんだ)

本田

(俺は悪くない、悪くない)

父さん

紅葉ー!

本田

ヒ"クッ

父さん

ご飯できたぞ~!こっち来いー!

本田

う…うん分かった…

その中々取れない違和感…

俺の中のその違和感がこの俺の行動に対して

猛烈に批判をしている気がした

信長に会いに行く

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