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―隼人視点―
夜の始まり
看板の灯りがつき、ネオンが街を染める時間
クラブの前で煙草に火を点け、紫煙を吐き出す
隼人
視線の先
通りを挟んだ少し先、コンビニの前に立つ少年の姿
スーツの女客を待ってる風でもない
ただ、立ち尽くし――時々こちらに目をやっては、慌てたみたいに逸らす
昨日のガキ
碧、だっけか
隼人
苦笑混じりに呟く
別に客でもねぇし、あんなもんほっときゃいい
だが――目が離せない
一度、軽くあしらったはずだ
それなのにまた来る
理由なんて分からないが、あの真っ直ぐな目を思い出すと、妙に胸に引っかかる
隼人は煙草を灰皿に押しつけた
そして、わざと気怠げに歩み寄っていく
隼人
声をかけると、碧はビクリと肩を震わせた
振り向いたその顔は、言い訳もできずにただ赤くなる
隼人
冗談めかして笑うと、碧は慌てて否定する
碧
隼人
ぐっと距離を詰め、耳元で囁く
近づくと分かる
このガキ、心臓が喉までせり上がってんじゃねぇかってくらい、鼓動が速い
――面白い
ほんの遊びのつもりで絡んだだけのはずなのに、この反応が、妙に癖になる
隼人は口の端を上げた
隼人
耳元で囁くと、碧は慌てて首を振った
碧
必死に否定する声が裏返って、余計に子どもっぽい
その顔は耳まで真っ赤で、目は泳ぎっぱなし
――分かりやすいにも程があるな
隼人
わざと低い声で追い詰めるように言えば、碧は言葉を探して口をパクパクさせるだけ
碧
隼人
隼人はにやりと笑う
隼人
碧
碧は声を張り上げかけて、周りの視線に気づいて慌てて口を閉じた
それがまた面白い
まるで猫を追い込んでるみたいで、逃げ場のなさに目が潤んでくるのが分かる
隼人
思わず漏れた言葉に、碧はますます顔を赤くした
隼人はくすくす笑いながら、ポケットに手を突っ込む
隼人
碧
碧が小声で抗議するのを、わざと無視して煙草を咥えた
火を点け、煙を吐きながら見下ろす
隼人
碧は言い返せず、ただ唇を噛んで俯いた
――ほんとは、ここで「もう帰れよ」って突き放せばいい
それが一番楽だし、後腐れもねぇ
でも
隼人
気づけば、そんな言葉が口から零れていた
碧が驚いたように顔を上げ、目を瞬かせる
隼人は煙草の灰を落として、肩をすくめた
隼人
からかうつもりで言った
だが、碧の反応を見て――ほんの少し、自分の方が心をざわつかされているのを隼人自身が理解していた
だいふく
だいふく
コメント
11件
はぁぁぁぁ~!2人とも かーわーいーいー!! もぅ…尊いわぁ~✨
会いたかったんだ可愛すぎるᐡ⸝⸝> ̫ <⸝⸝ᐡ