恋人シリーズハイキュー編

君が好きだ

君の全てが好きだ

俺の名前を呼ぶところも

俺の後ろに着いてくるところも

透明感のある声も

リップをしてなくても紅い唇も

小さな鼻も

長いけど少し短い睫毛も

タレ目だけどぱっちりした目も

全部、全部好きだ

ガヤガヤとした教室

沢山の話し声が耳に入り込む

そんな中、俺の好きな透明感のある 声が耳に通った

彼女の名は××

初めて一目惚れして、密かにアタックしてやっと付き合えた、大好きな恋人だ

…顔が紅くなりそうだ

いやまぁ…多分少し紅い

やっぱりか…

とまぁ、俺たちは幸せな日々を過ごしていた

だけどそんな幸せが

彼女の一言で壊れることとなった

とある日、俺は××に呼び出された

体育館裏に昼休憩時間来て欲しい、と

彼女の口からその言葉が発された瞬間

俺の心の中の何かが、崩れていく音がした

なんで、どうして、俺じゃダメなの 好きな人って誰、別れたくない

そんな言葉が俺の頭の中で綴られた

そんな頭の中で綴られた言葉と 反対の受け入れるような言葉を発した

予鈴が鳴るまで俺は、その場で立ち尽くしていた

ドサッ

君が好きだった

君の全てが好き、だった

時間は巻き戻してくれない

君から好きな人が出来たと言われた事も

別れて欲しいと言われた事も

｢そっか｣と、受け入れるような言葉を発したことも

全部、全部

過去になる

もし時間を巻き戻せたら

君にもっと好きだと言えたのだろうか

君の言う好きな人から視線を向けさせないように出来たのだろうか

でももう、おそい

君はもう俺の恋人では無い

だけど一言だけ言わせてください

俺も、ずっとずっと

大好きだったよ