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ネラは、ハルが死んだ日もそばに居てくれた

ネラ

…分かりました

ネラ

まずは状況を確認してきますね、話はそれから

ネラ

それと…

ネラ

あなたたちが危ない目に遭っているのに

ネラ

側にいてあげられなかったこと…ごめんなさい。

それだけ言ってネラはハルを助けに行った

ハルは結果的に、もう死んでいて…間に合いはしなかったのだが

一緒に悲しんで、弔ってくれる存在がいることに

アメリアはひどく救われた

ネラ

アメリア様

ネラ

1人で出かけるのも、友達とだけで出かけるのも構いません

ネラ

それでも安全にだけは十分お気をつけて

ネラ

この国は、まだお世辞にも安全とは言えないのです

ネラ

アメリア様にとって価値ある人生を…生きてほしいので

ネラ

いつでも…何かあれば、私を頼ってくださいね。

アメリア

ああ、そうだね。ありがとう

アメリア

(ごめんネラ)

アメリア

(それでも私、ハロルドと2人で復讐することに意味があると思うんだ)

復讐の後も、ネラは何も言わなかった

きっとネラは初めから、復讐を企てていることに気がついていただろう

それでもネラはただ見守った

止めればきっと2人は納得いかないのだと、そこまで分かっていたのだろう

…そして、両親が死んだ日も。

アメリア

…エレン?

ネラ

そういう名前の殺し屋が…あなたのご両親を殺したという事実は

ネラ

知っておいてください

ネラ

その事実をどう受け止めるかは───あなた自身に委ねます。

アメリア

…へえ、じゃあ、エレンは私の憧れの殺し屋だ!

ネラ

…そうですか?

ネラ

ご両親を殺した方なのに、よろしいのですか?

アメリア

私は両親が好きじゃない!

アメリア

きっと…エレンは私が楽しく生きられるようにしてくれたんだ!

ネラ

そうですか

アメリア

ああ!ネラと私のためだよ、きっと!

アメリア

だからネラはさ────

アメリア

死なないでね。きっと。

ネラは柔く微笑み、いつもと同じようなこと言った

その数日後───ネラは死んだ。

ネラはいいヤツだった

死はやっぱり不条理で、それはまだアメリアには受け入れられなかった

アメリア

…ックソ

アメリア

やってられるか…!

アメリア

(死を恨んではいけないって…なんだよ!)

アメリア

(私が従いたくなるネラという人間は)

アメリア

(いつも正しかった)

アメリア

(私がネラに指示されていないのに、勝手に一般人を殺したとき、ネラは叱った)

アメリア

(私は訳が分からず何回もそんなことをした)

アメリア

(ただ、ネラに褒めてもらうためだけに。そうやって何度も…罪なき人を殺した)

アメリア

(それでも私は生きている。でも、正しかったネラは────死んだ。)

アメリア

(だったらなんのための正義だ?人のためは、何を得られる?)

アメリア

(優しい人は…潰されていくだけじゃないか!)

アメリア

(騙されている…優しく正しいことは、間違いだ)

アメリア

(そんな考えは己を殺すのみだ!!)

アメリア

(だったらヒールでもいいから私は────!)

アメリアはすぐに、銃を掴んだ

ネラの白い銃を抱えて走る

そして、歩いている人間を後ろから狙い────

アメリア

…っ、ち、がう…ッ

アメリア

ネラは……そんなことを…………願ったんじゃ………っ

アメリアはその日、殺しをやめた。

…否

アメリアはこの日から─────

殺しが、できなくなった。

正しさが、自分の気持ちが、ネラが────

何もかもが、分からなくなった。

そして何より

アメリアはネラの死を、恨んでしまった。

そのことが何より、ネラを想うアメリアの心を突き刺した。

アメリアはただ───、しがない殺し屋を通じて受け取ったネラの手紙を抱えて、潜んだ。

何もしない、長い時間が経った

そして─────。

アメリア

(…罠か?)

アメリアは遂にステイシーに連れられ、王宮へ参る

偶然にもこの前日、アメリアはネラの手紙の内容を初めて知った

苦しくて聞けなかった、その手紙についたネラの音声を聞いたのは

何か…何かが変わり、進まなければいけなくなる、そんな予感がしたからだ。

アメリア

(あまりにもタイミングが良すぎやしないか?)

アメリア

(いや、でも───)

ネラの手紙にはあることが記されていた。

アメリアは幼い、まだ、生きる必要がある、ということ

そして

─────そして

viper

そう、記されていた

私はこんな組織に殺されました

この組織は粛清という名のもとで殺しをしている神出鬼没な組織で

あなたの脅威にさえなり得ます

粛清に使うアジトをここに記しますから、ご参考に。

…そして──来るべきときを待ちなさい、今のあなたではviperに敵わないと、そう追記されていた。

そんな言葉たちとともに記された情報は…何のためだったのか。

アメリアは分からない。

それでも────

アメリア

喜んで受けさせていただこう♡

この日────殺し屋アメリアは復活を遂げた

そして

アメリア

(あわよくば…viperをも潰せますように。)

アメリアの、ハルに続く2度目の復讐劇が───始まった。

そして──今、アメリアは。

アメリア

(ネラのためにも私のためにも…私はまだ、戦わなくちゃならない)

アメリア

(勝つ算段を…)

アメリア

(ネラに認めてもらえるように──!)

そしてアメリアは、引き金を引いた。

銃口の先のエンディング

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