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父親
父親
朝霧時雨
朝霧時雨
母親
そういう母親も、嬉しそうに笑っている。
こんな幸せが、一生続くんだと、
明日も保証されているんだと、
そう信じていた。
父親
父親
お母さんが、咄嗟に私の身体を庇った。
次の瞬間、身体が宙に浮くような、衝撃が起こった。
朝霧時雨
朝霧時雨
視界がぐらぐらと揺れている。 心臓の音だけが、辺りに木霊する。
木霊するというより、頭の中から響いてくる感じだ。 耳鳴りがサイレンのように鳴り続ける。
なのに、不思議と痛みはなかった。
朝霧時雨
朝霧時雨
自分がコンクートの上に寝転がっていると気づくには、時間がかかった。
母親
母親も、私とT字になるようにして、道路に横たわっている。
母親の声に安堵が込み上げるも、その弱々しい声に、安堵の感情は次第に、不安と焦りに変わっていった。
母親
母親
朝霧時雨
朝霧時雨
視界の端に、転倒した自分達の車と、それに下敷きになって動かないお父さんの姿を捉えた途端、また涙が溢れた。
母親
母親
生きて。
お母さんの手がどんどん冷たくなっていくのを、ずっと握りしめた。
何も感じない。
何も…怖くない。
朝霧時雨
立ち上がり、お母さんとお父さんの指から結婚指輪を外し、パーカーのポケットに入れて、私は歩き始めた。
朝霧時雨
朝霧時雨
絶対、戻ってくるから。