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#ネタ系
コメント
54件
FF外から失礼します!!!めちゃくちゃ絵柄とか内容好きすぎたのでフォローさせていただきます!ほんとにもう尊敬です...
素手で竹刀折るってゴリラかよつっよい…(ド失礼) 夏希家のほわほわ感好きだよ〜…!!!!!! ユーリさん雷やばいとか言ってるよりも命を優先してくれ刃物相手は危ない…
わぁお……好きすぎる……特に地の文の表現がすっごく好みでございます!!なぜ、このような事象が起こったのだろうか……?まだ謎ばかりなので色々思考を巡らせちゃいますねぇ…… どんな行く末を辿るか心待ちにしておきます……!!
人間が竹刀を素手で二つに折るところを、晴川七緒はこれまで見たことがなかった。
“それ”は、剣道部の七緒が全力で振り下ろした竹刀を片手で受け止め、いとも容易く折り曲げた。
パキ、と竹の悲鳴が響き、恐怖で緩んだ両手を慌てて強く握り直す。
視界が血と雨と汗で霞むのに気付かないフリをしながら、どうか皆で無事に帰れますように、と心の中で祈った。
異変は、恐らく数週間程前から始まっていたのだと思う。
ここのところ、毎日のように雨が降っていた。
梅雨、なのだろうか。 ニュース番組で、天気予報士が「梅雨入りには少し早いですが」と笑っていたことをやけに鮮明に覚えている。
毎朝、カーテンを開けて空を見上げても、太陽の姿は無い。
朝起きて灰色の空を確認し、「そろそろ予報外れないかな」と友人達と話す。 そんな毎日が続いていた、 ある日のことだった。
男の手が振り上げられ、勢い良く七緒に向かって振り下ろされる。
まるでスローモーションのように、ゆっくりと眼前に拳が迫り__それに気付いた頃には、もう、遅い。
__バキッ__!
その日は金曜日で、 相変わらずの悪天候にウンザリしていた。
晴川七緒
久々に太陽が見れる!と、期待した自分が馬鹿だった。
願ってもいない方向に天気予報が外れ、友人達と約束していた放課後のピクニックは中止となったのだ。
天童夏希
七緒の不満をかき消すように、天童夏希が朗らかに笑う。
ピクニックが中止されることに、一番落ち込んでいたのは彼女だと言うのに。
山田ランネ
友人、山田ランネも、唇を尖らせてそうぼやく。
窓の外では、相変わらず強い雨が地面を叩きつけていた。
何なんだよ、あの雨。 当たったら痛いし。本当、最悪。
成宮
成宮
小山
小雨夕陽―アビス
成宮と小山が用意してくれたケーキに、一番に食いついたのは、小雨夕陽__またの名をアビスと言う__だった。
良く言えば厨二病で好奇心旺盛。 悪く言えばガキである。 彼も、七緒の大切な友人の一人だ。
一斗
兎山暁
楠山希李菜
アビスに続き、 一斗、暁、希李菜もケーキに群がった。
天童夏希
晴川七緒
小雨夕陽―アビス
晴川七緒
小雨夕陽―アビス
晴川七緒
ぶーぶーと子供のように不満を漏らす七緒を見て、暁達が苦笑する。
いつもの会話、いつもの光景。 友人達とこうして他愛もない会話をしている時間が、妙に心地良かった。
馬鹿馬鹿しくてくだらない会話でも、友人達と話せば、どうしようもなく面白く感じる。
……まあ、晴れだったらもっと楽しめたんだろうけど。
そう心の中で呟いた言葉を、「流石に子供すぎるか」と慌てて消し去った。
山田ランネ
暫く時間が経ち、ふと時計に目をやったランネが呟いた。
いつの間にか、随分時間が経っていたらしい。 体感、一時間。時が経つのは早いものだ。
外を見れば、雨は相変わらず降り続いていた。
事情があって夏希の家に居候しているランネ達とは違い、帰りを待つ人がいる七緒とアビスは、この雨の中帰らなければならない。
天童夏希
天童夏希
天童夏希
晴川七緒
兎山暁
小雨夕陽―アビス
兎山暁
軽口を叩きながら、玄関先に立てかけておいた傘を手に持つ。
成宮
晴川七緒
最近、毎日このネイビー色の傘を使っている気がする。おかげで、買ったばかりなのに随分愛着が湧いている。
家を出て数分。 道すがら思ったのだが、外は想像していたよりも暗く、七緒達以外の人間を一人も見かけなかった。皆、屋内にいるのだろうか。
それに、傘のせいで視界も狭い。
ぬかるんだ地面を歩いているせいで、靴も僅かに湿っている。何だか気持ち悪い。
兎山暁
風も強く、横から雨が入り抜けるため、正直傘を差していようがいなかろうが関係がなかった。
全身びしょ濡れだ。 とっとと止め。寒いんだよ、雨。
小雨夕陽―アビス
小雨夕陽―アビス
晴川七緒
兎山暁
これだから雨は嫌なのだ。 アビスの名字は小雨だが、だからと言って、本人も特段雨が好きなわけではないらしい。
晴川七緒
と。前方に蹲っている男を見つけて、ふと足が止まる。
彼が身に着けている白い服にはあちこちに泥と謎の黒いシミがこびり付いていて、何とも汚らしく見えた。
持ち歩いていないのか、傘はどこにも見当たらない。
……こんなに酷い天気なのに、傘を持ち歩いていないだなんてこと、あるだろうか? もしかすると、強風で吹き飛ばされてしまったのかもしれない。
小雨夕陽―アビス
兎山暁
慌てて男に駆け寄り、自身の傘を差し出す。
晴川七緒
晴川七緒
時は経ち、別の場所にて。
成瀬秋
成瀬秋
神良ユーリ
神良ユーリ
成瀬秋
濡れた廊下を歩きながら、秋とユーリはくだらない話を交わしていた。
二人はこの学校…… 妄華高校に通う生徒であり、高校一年生の時からの親友だ。 見た目も性格も正反対だが、何故か、妙に気が合うらしい。
秋は柔道部、ユーリはバレーボール部。 部活終わりに偶然鉢合わせたらしく、二人は並んで昇降口へ向かっていた。
成瀬秋
呟きながら辺りを見渡すが、廊下にも教室にも、誰の姿も見当たらない。
いつものこの時間は、校内には部活終わりの生徒が溢れかえっている筈だ。皆、既に帰宅したのだろうか。
……雨音が大きい。部活前はここまで雨は酷くなかったのに、なんて災難なんだ。
今日はサボれば良かった、と秋が小さく舌打ちをする。今更後悔しても、もう遅いが。
最悪だ、本当。少しは弱まれよ、雨。新手の嫌がらせか?チクショウ。くたばっちまえ。
神良ユーリ
神良ユーリ
神良ユーリ
成瀬秋
成瀬秋
時刻は午後6時半。いつもの部活終了時刻よりも数時間早い。
豪雨のせいで、中途半端な時間に終わってしまった。
神良ユーリ
神良ユーリ
神良ユーリ
成瀬秋
成瀬秋
神良ユーリ
ユーリを軽くどつきながら、二人は職員室へと足を進める。
相変わらず、校舎はやけに静かだった。
神良ユーリ
成瀬秋
成瀬秋
神良ユーリ
蛍光灯の消えた職員室は薄暗く、雨のせいで、じんわりと空気が湿っているような気がした。
廊下から職員室へ声をかけても返事はない。誰もいないのだろうか。
静かな校舎内で、 雨音だけがやけに耳に残る。
普段のユーリなら「エモくない!?」と呑気に笑っているが、不気味な静けさに包まれた今の状況では、そんな余裕も無いのだろう。
神良ユーリ
……前言撤回。余裕しかなかった。
神良ユーリ
神良ユーリ
神良ユーリ
馬鹿か、こいつ。呆れる程の能天気さに、思わずため息が漏れた。
成瀬秋
神良ユーリ
神良ユーリ
成瀬秋
秋の言葉も聞かず、ユーリは愉快そうに手を振りながら職員室の奥へと消えていく。
成瀬秋
文句を垂れながらも、秋もユーリの後へ続く。
気になったら一直線。 後先考えずに行動する。 ちょっとおバカな猪突猛進娘。 そうだ、神良ユーリとは、そういう人間だ。
何やかんや言いつつも、秋はユーリのこういうところが気に入っていた。
二人の足音が、雨音の隙間を縫うように響く。
悪天候の影響もあり、職員室の中は、ぽっかりと黒い闇に沈んでいた。じめじめとした暗い空気が、肌に纏わりついて気持ち悪い。
成瀬秋
何で電気付けないんだよ、なんて疑問が喉まで出かかって……慌てて飲み込んだ。
奥に、“何かの気配”がする。
神良ユーリ
神良ユーリ
神良ユーリ
職員机に挟まれた小さな通路に、“奴”は居た。
成瀬秋
神良ユーリ
ヒュン!と、風を切る音が静寂を裂く。
神良ユーリ
二人めがけて飛んできたそれが、ユーリの頬を掠め、背後の壁に当たって跳ね返った。
硬い、鋭い音。シャープペンシルか定規、或いは__カッターやハサミのような、刃物だ。
暗さで視界が安定しない。 だが、確実に“何か”がいる。
秋とユーリに危害を加えようとする、何かが。
成瀬秋
神良ユーリ
咄嗟に、目の前にいたユーリの腕を引く。
ここにいてはいけない。 今すぐに奴から離れなくてはいけない。 脳味噌が、酷く煩い警鐘を鳴らしていた。
廊下に出た瞬間、ドン、と体全体が跳ねるような振動が二人を襲う。暗い廊下が、外からの光で明るさに満たされる。
__雷だ、と 気が付くのに数秒時間を要した。
神良ユーリ
神良ユーリ
成瀬秋
地面を打ち付ける雨は、ますます強さを増している。
悪夢は、まだ始まったばかりだ。