ゆき
えっと…あったあった

ゆき
(忙しそうだし…今日はやめておこうかしら……)

翔平(しょうへい)
!!

ゆき
…

無言で行列を指差すとものすごーく嫌そうな顔をしながら今一度
こっちを見てきた
ゆき
…【や、れ】

ゆき
あんたが始めた物語だろ……

半分呆れながら笑っていると
「あんれ〜?」と玲音君の声がした
ゆき
!!れ、玲音君…後ろから声をかけないで……

玲音(れお)
翔ちゃんの事からかいに来たらもっとからかいがいのある人が居たから来ちゃった♥

ゆき
あ〜もう…厄介に捕まったわ

玲音(れお)
とか言って嬉しいんでしょ〜?笑

ゆき
嬉しいなら普通に喜んでるから

玲音(れお)
つっめたぁ、それが彼氏に対する態度?

ゆき
うっせぇわ駄犬、ちったァ大人しく出来んのか

ゆき
その無駄口を叩く元気があるなら結構、生意気は程々にしなさいよ

玲音(れお)
💢

ゆき
あらあら、怒っちゃって笑

ゆき
有名人サマをからかえるほど私は偉くなった物ね〜流石ゆきちゃーんてんさーい笑

玲音(れお)
オレほんっとう嫌い💢

ゆき
煽るヤツは煽り耐性がほぼ皆無らしいけど…案外、本当なのね?笑

ゆき
人間観察もまた一興ってとこかしら笑

口元に右手をそっと当てクスクスと笑うとイライラしているのか不服そうでイラついてる顔を見せる
ゆき
悪いけど私のヒートネタを幾ら出してもジロくんはもちろんの事、3年にも効かないから笑

ゆき
特に伯玖君や昴流君はね

ゆき
そして…生憎君たち位しか1年はいないの…残念ながら既に先手は打たれている状態ね笑

玲音(れお)
ムカつく…💢

ゆき
あらあら、拗ねちゃった笑

弄るネタが無いとわかるや否や抱き着いて不服そうな顔を見せてくる
玲音(れお)
もう知らない…

ゆき
はいはい、有名人様は可愛いわね〜

ゆき
ほら、もう汗臭いし暑いから離れて?

玲音(れお)
オレのこと尻に敷いて楽しい?

ゆき
ひねくれてるじゃん笑

玲音(れお)
オレはもっと引っ付きたいの、邪魔しないで

ゆき
暑いってぇ〜…

玲音君は「引っ付きたい」
よりも
「日傘に入って日焼けを防ぎたい」
の方が強いだろう
ゆき
傘ぐらい入れてあげるから、引っ付かなくて良いでしょ

呆れながら言うと玲音君は聞こえるような舌打ちをした
玲音(れお)
チッ

ゆき
??何よ

玲音(れお)
オレ、傘に入りたいってよりもあんたに引っ付いてたいんだけど?

ゆき
はいはい笑気遣わなくていいわよ笑

玲音(れお)
……何?オレがやってる事全部嘘だって言いてぇの?

ゆき
んなわけないでしょ?笑

玲音(れお)
じゃあオレは今嘘をついてない、こうやって素直になってんの、邪魔しないで

ゆき
!!貴方が甘えるとか無かったから少し意外だわ

ゆき
取り敢えず、暑いから離れて?

玲音(れお)
やだ、逃げる

ゆき
逃げないから笑

玲音(れお)
……マジ?

ゆき
マージ、逃げる予定なんてありませんよ

玲音(れお)
じゃあデートしてくれる?

ゆき
これ…拒否ったら怒られる?

玲音(れお)
引っ張って連れてく

ゆき
ちょ、マジで引っ張るやん

玲音(れお)
逃げる予定無いんでしょ?なら連れてく♪

翔平(しょうへい)
おいコラちょっと待て

玲音(れお)
!!翔ちゃん邪魔しないでよ

ゆき
あ、あの…ちょっと可愛いんだけど……

翔平(しょうへい)
服しか引っ張れねぇから無理だろ!

ゆき
マジで可愛い…笑

翔平君に服を引っ張られ私と玲音君の動きを止められた
翔平(しょうへい)
で、どこに行こうとしてんの?

玲音(れお)
デート♥

翔平(しょうへい)
お前が連れてくな

玲音(れお)
はぁ?ちょっと酷くない?

翔平(しょうへい)
ゆきセンパイがめんどくさい事になるだろ

ゆき
え、えーっと…(やばい…今がめんどくさい……)

玲音(れお)
めんどくさいって…今がめんどくさいでしょ

ゆき
(いや、本当にそうっす……)

翔平(しょうへい)
いやいや、玲音ならゆきセンパイ置いてどっか行くだろ

玲音(れお)
はぁ?置いてかないし

翔平(しょうへい)
いーや、置いてくね

翔平(しょうへい)
ただでさえセンパイの事も置いてってんだ

玲音(れお)
それはアイツが悪いでしょ、わざわざ合わせてるのにとろとろ歩いてるし

翔平(しょうへい)
はぁ?💢

玲音(れお)
え、何?翔ちゃんもしかしてあのモブ女に惚れてんの?笑浮気だ〜!

ゆき
ちょ_

さすがにマズいと思って止めようとした時…翔平君の拳が玲音君の右頬を思いっきり殴った
ゆき
玲音君!!

ゆき
…翔平君、ちょっと来なさい

翔平(しょうへい)
ッ…

ゆき
何で殴ったの

翔平(しょうへい)
あ、アイツが悪いだろ!ゆきセンパイとセンパイをバカにするから!

ゆき
そうだね、うん…怒ってくれたのは嬉しいよ、でも殴るのは違うよ

ゆき
やっちゃダメ、私の事は平気なの

ゆき
そんなの幾らでも言われ続けた事なの、だからメンタルのことは気にしないで?

翔平(しょうへい)
ッ……でもッ_

ゆき
私は貴方たちが喧嘩する方が嫌

ゆき
面倒事は嫌って言ったでしょ?

翔平(しょうへい)
じゃあ何で俺らといるんすか…

ゆき
私がおかしいだけよ、貪欲にも求めてしまった…あなた達はただの被害者

翔平(しょうへい)
被害者…

ゆき
ほら、行くよ

ゆき
手当しなきゃ大変になるからね

玲音(れお)
プッ…最悪、顔に傷がついたんだけど

ゆき
後でちゃんとごめんなさいするんだよ?

玲音(れお)
はぁ?なんでオレも謝んなきゃ行けないの

ゆき
神経を逆撫でするようなこと言うからでしょ?お互い様、ね?

腫れた頬に手を当て「メッ」ときつく言うと顔を背けた
ゆき
あーあ…私ヴァガストロムに配属されねぇな…

翔平(しょうへい)
なんでだよ

ゆき
じゃじゃ馬の調教って大事なんだ?

翔平(しょうへい)
チッ…

ゆき
コラ、私や特待生ちゃんの前はお利口さんなのに……

ゆき
亜嵐くんに話を持ちかけるかぁ……

玲音(れお)
ラッキー♪

ゆき
(まぁ、この子達は少し寂しかったのかね……寮が別々だし…仕方ない)
