高槻 侑斗
いっ、いるよ?
橘 杏莉
へぇー!
橘 杏莉
同じクラスの子?
高槻 侑斗
うん…
橘 杏莉
そぉーなんだ!
橘 杏莉
初めて知ったー!
橘 杏莉
ふふ(笑)
高槻 侑斗
なんで笑ってるの?
橘 杏莉
可愛いなぁーって思って(笑)
高槻 侑斗
えっ?!
その瞬間、侑斗は、 顔を真っ赤に染めた。
橘 杏莉
え?照れてる?(笑)
高槻 侑斗
照れてないよ!
こういうところ。可愛いんだよね
ふわふわした雰囲気で
弟とか猫みたいな感じだよ
やっぱり…
竹内先生
はーい。席につきなさーい
放課後
マジか…
突然の豪雨…
傘、持ってねー(笑)
これじゃずぶ濡れだわ(笑)
アハハ(笑)なんか笑えるー(笑)
ハハ……うーん…やっぱ笑えない…
橘 杏莉
どうしよう
橘 杏莉
濡れて帰ろう!アハハ!
高槻 侑斗
待って
橘 杏莉
ぬをぉ?!
高槻 侑斗
え?
橘 杏莉
侑斗?
侑斗に腕をおもいっきり捕まれ驚いた。
こんなに力あったの?
侑斗も男の子だからね(笑)
高槻 侑斗
傘…持ってる?
橘 杏莉
ん?あ、持ってないよ?
橘 杏莉
借りるなら他、あたってくれる?
高槻 侑斗
そうじゃなくて
高槻 侑斗
傘、使って
橘 杏莉
え…
高槻 侑斗
じゃあね
気づくと、手に、侑斗の折りたたみ傘が握られていた。
そして侑斗は姿を消した。
いつかの会話
橘 杏莉
侑斗っていつも傘、持ってるよね
高槻 侑斗
うん
橘 杏莉
どうして?心配性?
高槻 侑斗
俺、雨が嫌いなんだ
橘 杏莉
そうなの?
高槻 侑斗
うん。濡れると肌に服が貼り付くじゃん?あれがやだ。
橘 杏莉
そーなんだ。だからいつも持ってるんだね
高槻 侑斗
そうそう
…侑斗は雨が嫌い…
前に言ってた。
なのに、侑斗は私に傘を貸したせいで、ずぶ濡れで帰っていることになる。
きっと今頃、肌に服が貼り付いて嫌な思いをしてるはずなのに…
なんで貸してくれたの…?